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2005/11/30

ストレスを測定するCOCORO METER

FujiSankei Business iの記事(11/30)から。約1分でストレスを測定する「COCORO METER」

 富山大学工学部の山口昌樹助教授と共同開発。唾液中のアミラーゼからストレスの度合いを測定する。負担をかけずに誰でも唾液を採取できるチップを使用。チップと測定器との着脱には簡単なスロットイン方式を採用。本体価格はメーターが1万9800円、チップ(1箱20本)が3600円。販売中。
ストレスを測るというのは面白いと思うけど、どんな時に使用するんだろう? 写真を見ると、パステルカラーだし、個人向けなのかな? ちょっと値段が高いけど。。

ニプロのサイトの新製品情報によると、日常生活でのストレス管理や商品開発時の感応検査、ストレス環境の把握等に使用するものらしい。PDF版のニュースリリースは、パンフレットをスキャナーで読み込んだものらしく、解像度が悪くて読みにくいのだが、唾液をチップに採取し、これを装置にセットすると、測定値(単位はKU/L)と4段階のストレス度合いが示されるようだ。測定原理についても、「唾液中へのアミラーゼ分泌の機序」という説明があるのだが、残念ながら全く読めない。。

富山大学工学部の物質生命システム工学科の研究紹介や、山口研究室を見ると、関連研究の資料が数多く掲載されているが、唾液中のアミラーゼでストレスを測定する原理に関するわかりやすい説明資料はみつからなかった。

COCORO METER を販売しているサイトの説明を見ると、ストレスが交感神経系の興奮を促し、これが唾液中のアミラーゼを増加させるというメカニズムが紹介されている。また、健康DNA!!三菱化学ビーシーエルなどで、解説記事が読めるが、いずれも富山大学の山口助教授の仕事を紹介したものだ。

また、分析学会のぶんせき誌に掲載された総説ストレスマーカーの迅速アッセイには、唾液中のアミラーゼでストレスを計る方法が、数多いストレス測定法の一つとして紹介されている。しかし、財団法人 機械システム振興協会の調査には、「アミラーゼについては、携帯型の計測装置の試作品が開発されているが、ストレスとアミラーゼの関連を裏付ける研究が十分でない。(p.39/64)」とも書かれており、まだ決定的なものではなく、発展途上の技術と言えそうだ。

そもそも測定対象となる「ストレス」が漠然としたものなので、これをたった一つの数字だけで完璧に表現できるとは思えない。従って、唾液中のアミラーゼ濃度だけでストレス状態を評価しちゃうのはどうかと思うけど、少なくとも一つの指標とはなるのだろう。もっとも、アミラーゼは唾液中に消化酵素として普通に存在するものだから、食後の経過時間だとか、そのときの状況(食べ物が目の前にあるとか、おいしそうな匂いがするとか)の影響もモロに受けてしまいそうな気もする。。 結構数値の評価は難しいのじゃなかろうか?

まあ値段から考えても、一般の人が普通に家庭でこの装置を使ってストレスを測定する状況というのは想像しにくいのだが、会社などの会議中にこれを使って参加者のイライラ度を測定してみるというのも面白いかもしれない。。

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