ICタグを使った交通安全サービス実験
YOMIURI ONLINE(11/20)の記事。車から子どもを守れ、日産などが音声システム開発
NTTデータや日産自動車など5社は、子どもが自動車に近づくと「子どもがいます。注意して下さい」などと音声で運転者に注意を促すシステムを開発した。ということで、これはウチの近くで行われる話のようなので、調べてみた。NTTデータのニュースリリースによると、これは、今年の4月から7月までの間に実験していた「子ども見守りサービス」に、新たに「交通安全サービス」を追加したものらしい。見通しの悪い住宅街での子どもの交通事故を防ぐ狙いだ。12月下旬から横浜市青葉区のみたけ台地区で実験を始める。
実験に参加する子ども約200人には、電波を発信する電子タグの入ったお守り袋を持たせ、協力する自動車約100台にはタグと専用の警報装置を設ける。
2キロ・メートル四方の実験区域には、約20か所の無線LAN(構内情報通信網)基地局を設け、半径約100~300メートルの範囲に近づいた子どもと自動車のタグから電波を受信。子どもと自動車の距離が近づけば、車載の警報装置に電波が送られ、車内に警告が流れる。
子ども見守りサービスは、ICタグの入ったお守りを子どもたちに持たせ、街中に設置したICタグの電波受信機のそばを子どもが通過したことを知らせたり、お守りにつけた緊急ボタンを押すと警備員や登録した支援者に通報されるというようなサービス。今年行った実験の結果がITmedia Newsでレポートされているが、コストが課題として上げられている。まあ、こんな具合にプライバシーが守られないと批判する人たち(p.13~)もいるようだが。。。
RBB TODAYにもあるように、今回の新たな実験では、無線LAN規格であるIEEE802.11b/gを使用し、従来よりも検知範囲を広げ、車の移動速度にも対応したとのこと。子どもの持つICタグの信号と、車に搭載するICタグの信号を、レシーバが受信し、これを元に危険判定を行って、車側に警告信号を送るようだ。ICタグを持った子どもが対象車から100~300mの範囲に入ると警告を発するようだから、下手な時間帯にこの地区を走行すると、ほとんど警報が鳴りっぱなしにならないだろうか?
例えば、子どもたちが家にいる時間帯には、この辺りは住宅街だから、自車から半径200~300m以内に一軒でも対象者の家があれば警報が鳴るとすると、この範囲のほとんど全域が鳴りっぱなしになりそうな予感。。。(外を歩くとき以外はスイッチを切るのかな? それだとスイッチ入れ忘れがありそうだし。)
確かに見通しの悪い交差点などからの子どもの飛び出しに対応するには役に立つ場面もあるかもしれないが、単に300mも離れた所に子どもがいるだけで警報が出てしまうと、逆に運転者は警報に慣れてしまって、いざという時に全く役に立たないような気がする。。 せめて、対象者の移動方向と自車の移動方向が交差する可能性のある時だけにするとか、工夫が必要だと思われるのだが。。 まあ、ITSシステムとか、ICタグの応用とか、今は過渡期で、いろんなアイデアを出し合って、いろんなチャレンジをしてみることはいいんじゃないかとは思うけど。。
ほぅ、NTTデータのリリースを見ると、実験に参加する協力者の募集をしているようだけど、見守り対象者(子どもたち)の協力者はともかくも、車にこの装置を取り付けようという気になる協力者なんかいるんだろうか? 子どもの家族や学校関係者などに限られそうだな。。
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