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2005/11/04

アフリカの湖の縮小問題

YOMIURI ONLINE(11/3)の記事。水量激減!アフリカ大陸の湖に黄信号…国連環境計画

 国連環境計画(UNEP)はこのほど、アフリカ大陸の湖が砂漠化で深刻な危機にさらされているとの報告を発表した。

 UNEPが1980年代、90年代と近年の衛星写真を比較したところ、<1>アフリカ最大の淡水湖ビクトリア湖の水面が、90年代初めと比べ約1メートル低い<2>中央アフリカのチャド湖が過去数十年で10分の1に縮小した――などが鮮明になった。

 主なものだけで677あるとされるアフリカ大陸の湖の多くで、水量激減や湖の縮小が見られ、ニジェールでは過去20年で淡水の湿地の80%以上が消滅した。

 報告は水源枯渇が続けば、「この地域が不安定化する恐れがある」とし、水を巡って深刻な国家間の対立や衝突が起こる可能性を指摘している。

というもの。UNEPのサイトには、このニュースに関連するプレスリリースおよび、衛星写真集がある。読売新聞の記事には、この水量の減少が何故起きたのかが書かれていないので、何となく地球温暖化などの気候変動が原因なのかな? と思ってしまうのだが、UNEPのニュースによるとこれらの原因として降水量の減少もあるのだが、主要因は塩の採取、ダム建設、灌漑など人為的なものが大きいようだ。

チャド湖の面積が1/10に減少したというのもすごいが、1972年2001年を比べると、確かに一目瞭然だ。Wikipediaにも、流れ込む川の水が灌漑用に汲み上げられたことが原因として書かれている。

砂漠化という現象については、JICAの世界の砂漠化や、鳥取大学乾燥地研究センターの砂漠化とその原因などに詳しく書かれているが、8割以上が人為的な要因とのこと。人口増加への対応や生活水準向上のための開発が、ただでさえ少ない水を使い尽くす方向に進めてしまっているようだ。

アフリカは、貧困、内戦、感染症などで苦しんでいるわけだが、この水を巡る問題がこれらとリンクして、さらなる悪循環が進行する可能性が高い。もう、何が原因で何が結果なのか、複雑に絡み合った状態になっている。一体、何から手を付けていったら良いのやら? という感じだ。(参考) アフリカは人類発祥の地でありながら、今や人類の生存には最も不適な土地となっていることも、中々考えさせられる問題だ。

なお、このUNEPのの記事で紹介されているのは、Lake ChadLake SongorLake VictoriaLake Djoudjなど。Google Mapは、日本やアメリカの地図検索の場合には、地名と衛星写真が切り替え可能で、とても便利なのだが、アフリカに関しては地図上に国名以外の地名がほとんど記載されていないため、地名での検索は困難で、これらの湖を探すのにも苦労した。。

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