COP/MOP1、ポスト京都の行方
ポスト京都議定書を議論する国際会議、COP11、COP/MOP1がカナダで開かれている。閣僚級会議が開かれたということで、関連ニュースをいくつか拾っておく。河北新報経由の共同通信ニュースがコンパクトにまとまっている。
カナダ・モントリオールでの気候変動枠組み条約・京都議定書締約国会議は7日、閣僚級会合で、議定書から脱退した米国に欧州などから「京都議定書以降の将来枠組みをめぐる議論に加わってほしい」と呼び掛けが相次いだ。ということで、まあ予想通りの展開である。確かに、二酸化炭素の排出を少々削減することで、どれだけ将来の人類社会に貢献するのか疑問もあるけど、だからといって何もしなくて良いというわけではないだろう。そもそも今のアメリカ型の社会では、温暖化以外の点でもいろいろな限界が見えているのも確かだろうに。。 案の定、米のCO2排出、04年は最大 エネルギー関連の速報値によるとしかし米国は「効果があるのは米国のやり方だ」と拒否の姿勢をあらためて明確にした。交渉打開は難しくなってきた。
議長国カナダのマーティン首相は会見で「これ以上行動を遅らせることに弁解の余地は全くない」と厳しい調子で指摘。「米国など(消極的な国々)に言いたい。『地球的良心』とも言うべきものに耳を傾ける時だ」と名指しで米国を批判した。
石油や石炭などエネルギー利用に伴う2004年の米国の二酸化炭素(CO2)排出量が、1990年以降最大の約59億トンに達したことが米エネルギー省がまとめた速報値で8日までに分かった。ということだから、アメリカが「米国のやり方」の効果を主張しても説得力がないのは明確のようだ。こうした化石燃料の燃焼に伴うCO2排出は、米国が排出する温室効果ガスの80%超を占めており、専門家は他のガスを含めた04年の排出総量も最大となる可能性が大きいとみている。
カナダ・モントリオールで開催中の温暖化条約会議で米政府代表団は、2000から03年の間だけについて温室効果ガスの排出が「減った」と演説などで表明している。
一方、日本はどうかというと、環境省のサイトに小池大臣のプレゼン資料が掲載されている。モントリオールの会議で小池大臣がこの資料でプレゼンしたようだが、見てみると「志」がないというか、これまた何とも迫力がない。ハイブリッドカーや燃料電池などの紹介で、トヨタ、東京ガス、旭化成といった固有名詞が前面に出ているのにも驚かされるが、チームマイナス6%や、クールビズ、ウォームビズの宣伝がやや鼻に付く。 これについては、共同通信は日本製品の魅力アピール 小池環境相
気候変動枠組み条約・京都議定書締約国会議が開会中のカナダ・モントリオールで7日、日本政府主催の公式行事が開かれ、小池百合子環境相が、トヨタ自動車のハイブリッド車や住宅向け燃料電池など、日本企業の環境型製品の魅力をアピールした。と何とも寂しい状況をかなり正直に伝えている。まあ、環境省としてはもっとカッコ良く決めたかったのだろうけど、日本も産業界を中心とした抵抗勢力が頑張っており、本音ではアメリカと似たり寄ったりといったところだろうから、これでも頑張った方だろうか。。流行語大賞のトップテンに選ばれた「クールビズ」など環境政策の成功事例も紹介。「2台あった公用車を1台に減らした」と身近な取り組みも披露した。ただ、聴衆の多くは日本の政府や企業関係者が占めた。
この国際会議を巡っては、excite ニュースに京都議定書と「今日の化石」賞のゆくえという記事が掲載されている。ここで紹介されているFossil of the Day AWARDSはアニメーションなども楽しめるので、是非 左上の"> INTRO" から入ってみることをお勧めする。ちなみに日本の順位は少し下がってただいま第4位のようだ。
なお、この会議の公式サイトは、こちら。ちなみに、COP/MOPは、"the Conference of the Parties serving as the Meeting of the Parties to the Kyoto Protocol" の略号である。
この会議は12/9までということで、今回は各国ジャブの応酬をしたところで終わりだろうし、実質的な大きな進展は望めないだろう。それでも、今の時代、こういった公式の場以外でもいろいろなレベルで声を上げ続けることで、アメリカ包囲網を強めていけば、いずれは国際的な流れを変えられるかもしれない、という期待を持って見守っていきたい。
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