光を通すコンクリートブロック
Fujisankei Business i(1/26)の記事。光とおすコンクリート、住田光学ガラスが国内で製造・販売
光をとおす不思議なコンクリートが、日本市場に登場する。光学ガラスメーカー大手、住田光学ガラス(さいたま市浦和区)が、ハンガリーのリトラコン社(本社・ブダペスト)と提携し、同社社長で建築家のアロン・ロソンチ氏(28)が開発した光をとおすコンクリート「リトラコン」を日本国内で製造・販売する。住田光学ガラスは今年度から事業化に乗り出し、初年度は二億-三億円の売り上げを見込んでいる。残念ながら、住田光学ガラスのホームページには今回のニュースは載っていないのだが、この会社の注目技術の紹介を見ると、蓄光ガラスだとか磁性ガラスなど、ちょっと面白そうなガラスが並んでいて、とても興味をそそられる。どうやら非常に技術力が高く、しかもユニークな製品を作り出す会社のようだ。これまで、光をとおし、映像情報の伝送もでき、耐火性や耐水性、遮音性に富み、建築躯体にも活用できる建築材料はガラス以外になかった。ロソンチ氏は、数年前からコンクリートに数十万本の光ファイバーを埋め込んで光をとおすコンクリート壁の実現を考案し、実験を重ね「リトラコン」を開発した。光ファイバーに住田光学ガラスの製品を用いたことで開発に成功したという。
サイズは百-一千ミリ角で、厚さは十ミリ-数メートルまで製造できる。見た目にはふつうのコンクリートと同じだが、自然光や電灯をとおす。障子のように影絵のような表現も可能で世界の注目を浴びている。
ハンガリーのLiTraCon社のホームページで探すと、この建築ブロックの他にも、同じ素材を使ったランプシェード?もあるようだ。この会社はこのアイデアを思いついた建築家の Aron Losonczi氏が自ら作った会社らしい。
この LiTraConという透光性コンクリートについては、2004年のoptics.orgで紹介されているが、日本でもここやここなどで、結構以前から紹介されていたようだ。強度も十分に備えているようだから、アイデア次第で、さまざまな装飾的な使い方ができそうだ。冒頭の記事にも書かれているが、裏側に光源を仕込んでおけば、光を放つ床とか壁なども作れるわけで、結構インパクトがありそうだ。
原理的には平行に並べた多数の光ファイバを通して光が透過するということで、テレビ石と良く似ているが、光ファイバーの太さや本数などの最適化や実際の製造方法などがポイントとなりそうだ。ちなみに、テレビ石は、富士宮にある奇石博物館で実物を見たことがある。
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