« 味覚修飾植物ミラクルフルーツ | トップページ | 乳酸はエネルギー源だった? »

2006/01/17

ロハス的環境ホルモン学?

環境省の報道発表(1/13)で見つけた資料。「チビコト:ロハス的環境ホルモン学」ホームページ掲載について

 環境省は、月刊エコマガジン「ソトコト」(発行部数:約10万部)と協力し、2006年1月号別冊付録として「チビコト:ロハス的環境ホルモン学」を作成しました。チビコトの内容を「化学物質の内分泌かく乱作用に関するホームページ」(http://endocrine.eic.or.jp/)に掲載しましたのでお知らせします。ロハスという観点から、いわゆる環境ホルモンの問題を捉え直し、日々のライフスタイルに関する提言を行っています。

* ロハス(LOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)とは、健康で持続可能なライフスタイルのことです。

○  ホームページの「チビコト:ロハス的環境ホルモン学」の主な内容は下記のとおりです。

英国における20年にわたる調査研究に関するレポート
自然現象としての「魚の性転換」についての専門家による解説
環境ホルモン問題とのロハスなつきあい方(提言)
ロハス的環境ホルモン行動学
専門家による対談
年表
用語解説

というもの。実はこの冊子については、中西準子さんの雑感327-2005.12.19「環境省も変わりましたね」でも、かなり好意的に取り上げられている。で、今回その冊子「チビコト」がインターネットから全文入手可能になったということ。

ソトコトはLOHASをキーワードとした雑誌。「ソトコト」とはアフリカ、バンツー語圏の人々の言葉で「木の下」のことで、「木の下には叡智が宿る」という意味をこめて誌名としたということだが、「チビコト」の意味や由来は不明。。

この雑誌は読んだことがないのだが、ウエブサイトを見た感じでは、安井先生がロハスの誤解とエコプレミアムでも指摘しているように、何だかイメージ先行で、本来の意味をちょっと勘違いしているような印象がある。そう言えば、これとは関係ないと思うが、この前 TVで、「LOHASのS(持続可能性)は、長持ちする商品を選んで使用することである」 と説明している解説者がいて、思いっきり脱力させられた。それはやっぱりちょっと違うだろうに。。

で、この冊子、チビコト:ロハス的環境ホルモン学を見てみると、ソトコトのロハスに批判的なコメントを述べている安井先生と、読売新聞の小出さんの対談「環境ホルモン問題からなにを学ぶのか?」(ここは前半だけだが、チビコトには全文掲載)が載っている。環境ホルモン騒動の発端から終息までの経緯、その間のマスコミおよび科学者の対応やその問題点などを率直に語り合っていて、結果論的な面もあるのだが読み応えがある。(実は昨年、とある市民講座で、小出さんのリスクコミュニケーションに関する講義を受けたのだが、考え方が論理的で、かつマスコミのあり方についても冷静で、とても面白く、参考になった。)

また、環境ホルモンで一時問題になった魚の性転換について、結局は下水処理場から出る微量の女性ホルモンが原因と判明し、それは結局人間の尿が排出源だったということや、魚の性は非常にフレキシブルに変わるということなどを結構詳細に紹介している。

ということで、ややイメージ先行で、環境系市民団体などに好まれそうな傾向のありそうな雑誌「ソトコト」の付録に、このように環境ホルモン騒動を冷静に見直す特集が載ったことに意味がありそうだ。

ただ、それ以外の部分にはやや疑問もある。そもそも「ロハス的環境ホルモン学」というタイトルが良くわからないのだが、

 環境ホルモン問題とのロハス的なつきあい方
  1.慌てず、騒がず、冷静に「情報を探る」
  2.自分のなかに「判断基準」をもつ
  3.「行動する」ことで積極的に関わる
  4.ほんとうの「心地よさ」にこだわる

というのも、パッと見は好印象だけど良く考えてみると、3や4は環境ホルモン問題の付き合い方としてはちょっと違う感じもする。。

また、「ロハス的環境ホルモン行動学」として、洗面所、台所、お風呂場で使用する洗剤や容器の選び方や使い方などの注意事項が具体的に書かれている。ところが、例えば良く落ちる洗剤は環境にも強い影響があるとか、消臭するなら備長炭、芳香剤なら天然のハーブだとか、これは環境ホルモンとは関係ないんじゃないの? というものもチラホラと含まれていて、ちょっと混乱を招きかねない。何というか、無理やり環境ホルモンにこじつけたような印象もあるし。。

もちろん、環境に負荷を与えないライフスタイルを心掛けよう、という趣旨には賛同したいのだが、それを「環境ホルモン行動学」と名付けてしまうセンスはどうだろう? 環境への影響や持続可能性を考えるのであれば、環境ホルモンという特定の成分をさす用語(しかも科学的には既に意味不明の用語だろうし)を使うのは何か変だし。。

まあ、「環境ホルモン学」だとか「環境ホルモン行動学」なんて変な用語が市民権を得て広く使われたりしないことを祈ろう。。(でも、そもそもこの冊子の制作には環境省が関わっているんだよな・・・)

|

« 味覚修飾植物ミラクルフルーツ | トップページ | 乳酸はエネルギー源だった? »

コメント

この件、最近みつけたので、いまから問題のチビコト環境省に請求するつもりです。
ちなみにWebでは字が小さすぎて読めません。
参考までに
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/keijiban/keijiban_060122master.html

投稿: ピコ | 2006/01/28 21:51

参考になりました。

ところで、上のコメントのピコさん、字の大きさはあなたのブラウザの設定次第ですよ。大きくして読んでください。

投稿: h-tee | 2006/02/12 06:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12612/8206063

この記事へのトラックバック一覧です: ロハス的環境ホルモン学?:

« 味覚修飾植物ミラクルフルーツ | トップページ | 乳酸はエネルギー源だった? »