平成16年度のPRTRデータ概要
今日はあまりネタがなかったので環境省の報道発表(2/24)からPRTRの最新データについてのメモのみ。平成16年度PRTRデータの概要等について-化学物質の排出量・移動量の集計結果等-によると
今般、平成16年度の1年間に届出対象事業者が把握し、平成17年4月1日から6月30日までに届け出られた事業所からの排出量・移動量について全国・全物質で集計しました。とのこと。PRTR制度については、PRTRインフォメーション広場の説明がわかりやすい。このブログでも2004/3/31のエントリーで2年前の同様のPRTRデータについて触れている。届出事業所数 平成16年度は40,341事業所で、前年度41,075と比べて約700減少。
届出排出量 平成16年度は270千トンで、前年度291千トンと比べて減少。
届出移動量 平成16年度は230千トンで、前年度235千トンと比べて微減。
今回は、法施行後4回目の届出分を集計したものであり、届出事業所数、届出排出量、届出移動量は前年度と比較していずれも減少傾向にあります。中でも届出排出量については相対的に減少割合が大きいことから、事業者による化学物質管理の改善が進んでいるものと考えられます。
もう少し詳しいデータは、平成16年度PRTRデータの概要で見られるし、前年度までのデータとの比較も掲載されている。
今年の特徴として、届出事業所数、排出量、移動量共に前年よりも減少したということがあるようだが、環境省のコメント通りに「事業者による化学物質管理の改善が進んでいる」ことの表れなのかどうか? 平成13年度以降で比較してみると
13年 14年 15年 16年
事業所数 34,820 34,497 41,075 40,341
排出量 312,794 289,873 290,756 269,558
移動量 216,388 210,117 232,267 229,946
となっており、実は何故か、事業所数、排出量、移動量共に1年毎に増減を繰り返しており、今年のデータを見て、減少傾向にあると判断するのはちょっと無理がありそうだ。
*2/24追記
五月兎さんからご指摘をいただきましたが、平成15年度データから対象事業所の基準が変更になったため、上記のように直接比較してはいけないようです。詳しくは下のコメント欄を参照ください。
ちなみに、平成16年度の排出物質のベスト10がどんなものか予想が付くだろうか? ベスト5を的中させられたら相当なものだろう。参考までにそれぞれ化学物質ファクトシートにリンクしておく。
1位 トルエン
2位 キシレン
3位 マンガン及びその化合物
4位 塩化メチレン
5位 エチルベンゼン
6位 鉛及びその化合物
7位 N,N-ジメチルホルムアミド
8位 エチレングリコール
9位 クロム及び3価クロム化合物
10位 ふっ化水素及びその水溶性塩
トルエン、キシレンあたりはともかくも、3位のマンガンは結構意外だし、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、あるいはふっ化水素がこんなに排出されているというのもかなり意外である。それぞれがどこからどんな形で排出されているのか興味のあるところだと思うが、さすがに化学物質ファクトシートには主な用途や排出源についても解説が載っているので、それぞれのリンク先を参照願う。
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コメント
H15から、届出対象事業所の範囲が拡大されていますので、H14とH15のデータは不連続です。
投稿: 五月兎 | 2006/02/24 21:34
ご指摘ありがとうございます。
確かに、http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5801">平成15年度PRTRデータ概要についてに説明がありました。平成15年度分から「届出事業所の対象化学物質の取扱量要件が5トン以上から1トン以上に引き下げられた」のですね。(というか、上でリンクした比較資料の冒頭にしっかりと注意書きがありますね。全然読んでいないのが一目瞭然。。。)
そうすると、確かに年々減少している傾向があると推定することもできそうですね。事業所数が減少しているのは、PRTR対象物質を扱うのを止めたり、他の物質に転換したりしたということなのでしょうか。
投稿: tf2 | 2006/02/24 21:49