点滴バーって何もの?
スラッシュドット ジャパンで見つけたトピック。バー感覚で気軽に点滴。元の記事、livedoor ニュースによると、
「点滴バーとは、お客さまに気軽に医療や栄養について考えていただきたくて考案した診療方法です。バーに遊びに来るような気軽な感覚で医療や栄養のことを考えていただき、点滴を受けることによって、疾患の予防・早期発見ができないかという思いからこのネーミングとさせていただきました」(司馬院長)とのこと。東京は六本木の結び葉クリニックが最近始めた新しい試みのようだが、点滴バーの説明を読むと、担当看護師とのカウンセリングを通して、自分に合った点滴を選び、医師の承認を得てから点滴を受ける仕組みとなっているようだ。
そこそこ健康な人を対象としているように思えるのだが、何だかなあ、という気にさせられる。医療の役目とは、病気や怪我を治す以外にも、健康の増進とか病気の予防なんてのもあるのだろうから、確かにこのようなのもありだろうけど、そもそもの発想がどこかずれているように思ってしまう。。
僕の場合には毎月成分献血を行っているのだが、点滴は10年以上前にたった一度経験しただけだ。この点滴が非常に悲惨な経験だったので、点滴と聞くとイヤーな印象を抱いてしまう。
普段めったに熱なんか出さないのに、たまたま連休中に高熱を出し、倒れこむように救急病院にたどりついた。そこで点滴を受けることになったのだが、担当の看護婦さんは忙しく、僕の面倒だけを見ているわけにもいかず、点滴の針を刺した後「異常があったら知らせてください」と告げて他の患者の方に行ってしまった。しかし、こちらは何しろ点滴は初体験。当時は成分献血の経験もなかったから、体外から血管内に直接液体を補給するのは、こんなに痛くて腫れあがるものなのか、点滴って辛いんだなー、などと思いながらひたすら痛みに耐えて寝ていたのだった。
しばらくして看護婦さんが戻って来て、僕の腕を見てびっくり。何のことはない、血管にちゃんと入ってなかったらしい。慌てて、反対の腕に点滴をやり直し、今度はうまく入るのを確認したところまではまだ良かった。ところがその時、別の患者さんからのお呼びがかかり、看護婦さんが慌ててそちらに向かおうとした途端、僕の点滴チューブを見事に引っ掛けてしまったのだ。腕の中で針が暴れて、一気に血が噴き出してしまった。。 それでもめげずに3度目の点滴はどうにかうまくいったのだったかな? 結局のところ、絵に描いたようにドジな看護婦さんに遭遇してしまったということらしい。。
というわけで、点滴に良いイメージを持っていないせいかもしれないが、健康なのに針を刺して薬剤を体内に入れるってのは感覚的に嫌だなあ。価格表も載っていて、見るとビタミン剤がメインとなっているようだが、サプリメントに比べるとかなり高価だ。まあ当然のことだが、結び葉クリニックのブログによると、この点滴は保険対象外のようだから仕方ないのだろうか。
ちなみに「点滴バー」は現在商標登録出願中らしい。普通名詞の単純な組合せだけだと難しいらしいけど、意外な組合せと言えそうだから大丈夫かもしれない。(参考)
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コメント
点滴バーについては、そのうち自分のブログでネタにしようと思っていました。点滴に入れているのは、水と電解質、せいぜいアミノ酸やビタミンでしょうから、体にはほとんど害はありません(益もない)。なぜこのような商売が成立するかというと、背景に点滴信仰があるのです。点滴をすると良くなるような気がするので、通常の風邪で点滴をせがむ患者さんはまだ多くいらっしゃいます。
点滴バーのような商売をやったら儲かるのは、医師であれば誰もがわかっています。ローリスクハイリターン。これまでも、開業医の先生が片手間に似たようなことはしていました(「ニンニク注射」で検索するとわかります)。なぜ多くの医師が大々的にこういったことをしないかというと、医師としての良心と同業者からの評判のためです。点滴バーで売っているのは、医師の良心です。
投稿: NATROM | 2006/02/13 18:25
NATROMさん、適切なコメントありがとうございます。なるほど、「売っているのは、医師の良心です」というのはわかりやすいです。直感的に感じた違和感の元はそこだったのでしょうね。
確かににんにく注射と通じるものがありそうですが、お医者さんの良心や自主規制以外に、この手の商売に対する歯止めがないというのは怖いものもありますね。
もちろん異なる考え方(プラセボだろうが、患者本人が満足するなら、それもいいだろうとか)もありうるのは予想されますが。。
投稿: tf2 | 2006/02/13 19:40
点滴に関して面白い話を聞いた(見た?)事がありますので貼ってみます。
http://absinth.exblog.jp/1458923/
つまりココによると、医学的には効果はないが
体外と体内を直接つなげる事による心理的な効果が大きいのではないか、という話です。
実に興味深いですね…。
投稿: xtc | 2006/02/25 20:46
うーん、あの時の点滴はどうだったんだろう? 結構効果があったような気がしてたけど、よく考えてみると確かに点滴が効いたのではなく、その時にもらった薬が効いたのかもしれませんね。。
心理的な効果かもしれないと言われても、それもまた気休めみたいなものにも思えます。でも、いずれにしても元気な人が進んで点滴を受ける、点滴バーという商売の胡散臭さだけは確かなようですね。
投稿: tf2 | 2006/02/26 22:00
バカを騙して金を巻き上げるのが現代の日本の主流です。
点滴バーもそうでしょ?
投稿: AA | 2010/03/25 00:31