がんバンクとは?
FujiSankei Business i(2/17)の記事。テラ「がんバンク」開始 組織保管、免疫療法本格運用へ
大学発ベンチャーで、がんの治療法の研究開発を手掛けるテラ(東京都港区)は十六日、将来、画期的な治療法が実現した際に利用することなどを狙い、患者のがん組織を保管するサービス「プライベートがんバンク」を開始したと発表した。がんバンクというのは初めて聞いたが、手術で摘出したがん組織を凍結保存しておいてどう役立てるのかよくわからない。グーグルで調べてみても、ガンバンクは見つかったが、「がんバンク」は1件も見つからなかった。。通常、外科手術で患者から摘出したがん組織は、医療機関の研究用に利用される以外は廃棄されている。これに対し、新サービスは摘出したがん組織をマイナス一五〇度の超低温で保管・管理し、組織は手術後、再発や転移などが起きた場合、診断に利用したり、手術時点では活用できなかった新治療法を後日に適用する場合に使用する。これにより患者は、再発・転移時の備えができ、治療などに新たな選択肢を得られる。
同様のサービスは、研究開発会社のメディネット(横浜市港北区)が、二〇〇四年からスタートさせており、国内で二件目。海外では同様の本格サービスはないという。
テラは初年度の保管費を無料(メディネットは二十一万円)とし、二年目以降は三万千五百円(同四万二千円)にするなど大幅な低料金化を実現し、サービスの活用を拡大を図る。
テラは、東京大学が開発した技術、ノウハウを基に、人間に本来備わっている免疫(体内に入り込んだ細菌などの異物を排除する働き)の機能を生かし、がんを治療する手法の一つである「樹状細胞療法」の本格実用を目指している。
今回の保管サービスはこの活動の一環で、サービス自体は、ほぼ実費での運営としている。
テラ株式会社を見たが、がんバンクに関する情報は掲載されていないようだ。このホームページを見る限り、大学発のベンチャーが新しいビジネスを始める割には、情報公開が不十分な印象がある。もう一方の株式会社メディネットを見ると、さすがに既にビジネスとして自己がん細胞バンクを行っているだけあって、かなり豊富な説明が載っている。
それによると、がん組織を利用した治療として、免疫細胞療法というのがあり、これに使用されるのが樹状細胞というもので、テラが行おうとしているのも、この樹状細胞療法ということらしい。このページの説明はイラストもあってなかなかわかりやすいのだが、確かにこの療法には摘出したがん組織が必要となるようだ。面白そうだけど、実際にどの程度の効果が期待できるんだろう? 他にも、摘出したがん組織は、がん抗原検査や遺伝子診断の目的でも使われるとのことだ。
テラはメディネットに比べて大幅に低料金化したとのことだが、その仕組み(ビジネスモデル)についても、よくわからない。表面的な違いとしてわかるのは、メディネットが-80℃で保管するのに対して、テラは-150℃ということぐらいで、これじゃあ安くはならないだろうし。。(それにしても、-150℃ってやけに中途半端な温度だ。)
がんバンクを調べていて見つかったのだが、リンパ球バンクというのもある。このような最新の医療を受けようと思うなら、普段から情報を集めていろいろと勉強しておく必要もありそうだ。
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