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2006/02/22

「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」

確定申告のシーズンである。このブログを読む方で、個人事業主として確定申告する必要がある方がどれだけいるのかわからないが、僕も確定申告の対象者なのである。昨年の確定申告では収入も少なかったので、必要経費の計算も大雑把なところだけで十分に税金の還付を受けられたのだが、今年は少しは頑張って計算する必要がある。ということで、書店の税金コーナーを探していて見つけたのが本書。何とも長いタイトルの本である。帯には「フリーランスの著者と話のわかる税理士による“目からウロコ”の税金講座」とある。

日本実業出版社
 フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。
 きたみ りゅうじ 著 bk1amazon

フリーランス(個人事業主)の確定申告に関する情報は、インターネットにもAll About Japanなどがあり、個々の具体的な点についての対処方法などは調べればある程度はわかるのだが、根本的な考え方がどうもわかりにくいように感じる、というか、本当に知りたいことが何故か載っていないというようなもどかしさがある。また、通常の書籍や雑誌に載っている情報は建前的だし、何故そうしなくてはいけないのか、というような疑問点については答えてくれないものが多いようだ。

本書は、著者と匿名税理士の対話形式。著者がイラストレーターということで、4コマまんがも豊富に掲載されているし、有益で本当に知りたい情報が楽しく手に入る。特に税理士のセンセイが匿名を条件に、グレイゾーンにまで踏み込んだ節税対策を述べているため、「なるほど」と納得させられる場面が実に多い。逆に、日々の実際の帳簿の付け方などの実務的な部分に関しては不十分だけど、それは必要に応じて他の本で勉強すれば良いだろう。

特に、事業税や消費税についてのところは良く知らなかったので参考になった。例えば事業税は業種によって税率が決められており、同じような仕事をしていても業種が「デザイン業」だと税率5%となるのだが、「文筆業」だと無税となる、というような驚くべき事実が公開されていたりする。

また、個人が原稿を書いたり、コンサルティングをしたりといった、物の売買に直接関わらない仕事を行って収入を得た場合でも、これは消費税の対象となるので、最初の契約時にクライアントに対してきちんと消費税分を要求するべきである、などということも知らなかった。

他にも、必要経費には領収書が必要かと思いきや、明細が掲載されている点でレシートにも利点があり、きちんと整理するならばレシートで十分とあるとか、勘定科目は特に決まりはないので自分の都合に合わせて自由に設定して構わないなど、他の本ではなかなか得られない情報が満載である。さらに、ご丁寧にも税務調査の実態まで紹介してくれており、申告した内容に問題があった場合の対処法なども書かれていて、実にうれしい。

また、青色申告は敷居が高いと思っていたけど、白色申告を行うためにわざわざ手間を掛けるくらいなら、もう少し頑張って青色申告にすることで多くのメリットが得られるのだから、是が非でもチャレンジすべきということがわかった。まあ、今はパソコンで必要な帳簿を自動的に作成してくれることだし、今年の申告分は間に合わないけど、次からは青色申告にしよう。

ということで、先日無事に申告書類一式を持って税務署に行き、確定申告書の提出をし、さらに青色申告の申請をしてきた。青色申告会のおじさんが親切に説明してくれたけど、入会を強制されることもなかったし。ついでに、商業簿記3級のテキストを買ってきて、複式簿記の基礎をサラッと勉強してるところ。

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