« 液体炭酸による人工降雨 | トップページ | 「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」 »

2006/02/21

南極観測船しらせの後継

スラッシュドット経由の京都新聞ニュース(2/17)から。次期南極観測船建造へ ユニバーサル造船舞鶴事業所

 老朽化で2007年度で退役予定の「しらせ」にかわる次期南極観測船(約12500トン)が、ユニバーサル造船舞鶴事業所(舞鶴市余部下)で建造されることが、このほど決まった。今後詳細設計を行い、07年に起工、09年5月完成予定。日本の南極観測船は次で4代目になるが、京都府内での建造は初めて。

 南極観測船は、防衛庁が所有、運用する砕氷艦。毎年度、分厚い氷を砕いて南極の昭和基地に観測隊員や物資を輸送し、オゾンホールの研究など日本の約50年間の南極観測を支えてきた。

 同事業所によると、後継艦は長さ138メートル、幅28メートル。「しらせ」より1回り大きく、観測隊員約80人、物資約1100トンを乗せて、厚さ1・5メートルの氷を砕きながら約3ノットで進める。燃料タンクを二重に防護し、事故による油流出がないよう環境に配慮する。

 初代の「宗谷」から「ふじ」「しらせ」とこれまでの南極観測船は、ともに神奈川県内の日本鋼管の造船所が改造、建造した。ユニバーサル造船は2002年、日本鋼管と日立造船の造船部門が統合して誕生。今回もこれまでの建造技術が評価され、防衛庁と先月末に随意契約し、大型艦艇を建造する舞鶴事業所で建造することになった。

 船全体の総事業費は約400億円。同造船はうち船体など(同約245億円)の建造を担当する。舞鶴事業所の鈴木直樹総務部長は「砕氷艦はわが社の事業の柱で、今まで蓄積した技術を発揮したい。地元経済の活性化に一役買えればうれしい」と話している。

ということで、財政難で次期南極観測船の建造が危ういというニュースもあったが、無事に?建造が決定となったようだ。次期観測船の予算が取れないというあたりの状況は、例えば南極観測船の話。などで大体のところが理解できる。

検索してみると、南極観測の将来を考える会が南極観測の継続を訴えたりということで、いろいろとあったようだが、予算がついた、というニュースは探してみた範囲では見つからなかった。観測中止となると大騒ぎするけど、継続決定となるとニュースバリューも小さいのか、あまり注目されないようだ。

ちなみに、現時点では第47次観測隊がちょうど昭和基地を出発して帰国の途についたところ。

ところで、しらせは南極観測船と呼ばれているが、Wikipediaによると、正式には海上自衛隊の砕氷艦という位置付けとのこと。しらせの全長が134m、幅が28m、排水量が11600トンに対して、新船は全長138m、幅28m、排水量12500トンということで、一回り大きいというよりは、ほとんど同じ大きさというイメージだ。。

さて、当初の予定では今年にも老朽化により引退という話もあったようだが、最終的にどうなったかというと、南極地域観測事業の概要の p.7/8によると、平成19年度(2007年度)でしらせの運用を終え、平成21年度(2009年度)から新しい船を運用する予定とある。結局、平成20年度(2008年度)の1シーズンだけは船が無い状態となるのだが、この年は代替輸送手段で観測を継続する予定のようだ。

ユニバーサル造船という会社名はこのニュースまで聞いたことがなかった。当初の予算が520億円に対して、このニュースでは400億となっており予算を少し削減したらしい。砕氷能力を見ると、しらせも新船も共に厚さ1.5mの氷を砕きながら時速3ノットで進めるということで、全く同等の能力のようだが。。

耐用年数が20年とすると、船のコストだけで1年あたり20億円程度。この費用を高いと見るか安いと見るか、比較対象に何を持って来るかで評価も変わるだろうと思う。この前も100万年前の氷を掘り出したというニュースがあったし、それなりの成果を上げているんだろうけど、情報公開がやや消極的だと思われる。南極観測関連のホームページを見ても、あまり親切な説明はないようだし、後継の観測船についての情報もほとんど見られないというのは、やっぱりちょっと寂しい。。

|

« 液体炭酸による人工降雨 | トップページ | 「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 南極観測船しらせの後継:

« 液体炭酸による人工降雨 | トップページ | 「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」 »