環境家計簿
nikkeibp.jpの記事(3/6)。東京ガス、家庭でのCO2排出状況をインターネットで確認できるサービス
東京ガスは、家庭で使用するエネルギーの二酸化炭素(CO2)排出状況をインターネットで確認できるサービス「my環境家計簿」を開始した。ということで、東京ガスのサイトでプレスリリースを見ると、残念ながらこのサービスは東京ガスの顧客に限定されるようだ。最近「環境家計簿」という言葉はよく見聞きするので、あちこちで似たようなサービスを展開しているようだが、ここの特徴は、京都議定書を意識して1990年の平均的な家庭との比較ができることにありそうだ。my環境家計簿は、毎月のガス料金、ガス使用量などを専用ページで閲覧できるインターネットサービス「myTokyoGas」に会員登録すると利用できる。会員登録、サービスの利用は無料。
ガス・電気・水道・灯油の使用を入力することで、毎月のCO2排出量をチェックできる。さらに、住居形態・家族人数といった属性情報を登録すると、1990年時点での同じ属性の家庭におけるCO2排出量平均値と比較することも可能。京都議定書が定めた日本のCO2削減目標である「90年比マイナス6%」を達成しているか確認できる趣向だ。
また、定期的に使用量を入力したり、毎月出題する環境クイズに答えることで、ポイントが貯められる。ポイントで「my環境図鑑(温暖化により絶滅が危惧されている動物の図鑑)」を集めることができるなど、楽しみながらCO2削減に取り組む工夫も施されている。
ちょっと探してみると、東京電力のCO2家計簿、社団法人環境情報科学センターの環境家計簿、NPO CASAのインターネット環境家計簿、NPO ローハスクラブの全国地域別環境家計簿などが見つかったが、他にも地方自治体などで同様のサイトを持っているところも多いようだ。また、環境省は我が家の環境大臣 ecofamilyというサイトを運営している。
さて、これらの環境家計簿は、電気、ガス、水道、およびその他の燃料などの環境負荷を二酸化炭素の排出量に換算し、その経年変化を調べたり、他の家庭と比較したりするということで、ほぼどれも同様のコンセプトのようだ。それぞれのサイトによって、対象となる物が変わったり、CO2への換算係数が異なっていたりするので、いくつかのサイトを眺めて比較してみるのも良さそうだ。
東京ガスや東京電力などがこれらのサービスを展開しているのは、顧客のエネルギー消費データを集積して、今後のビジネスに利用しようという狙いがありそうで、そのためにも多くの人にデータを入力してもらうための工夫を凝らしているというところだろう。本当は、エコ意識のある人が自発的に入力するようなシステムよりも、毎月の各家庭の各種消費量が自動的に集積されるようなシステムがあっても良さそうなものだが、プライバシーの問題もあって、それは困難だろうな。
電気、ガス、水道、ガソリン、ゴミなど、カテゴリーの異なる環境負荷を統一する尺度としてCO2を採用することはわかりやすいし、とても便利だと思う。特に、環境情報科学センターのCO2排出量の計算項目は、食品・日用品までCO2換算するという点でなかなか面白い。とはいえ、これらの品物のCO2排出量を購入金額当たりで計算するというのもかなり強引だし、何故自動車などの大型消費財は含まれないんだ? なんて疑問も出てくる。。
そもそも、何でもCO2に換算してしまうと、地球温暖化だけが環境問題であるかのような単純な理解を促すようでそれはそれで気になる。。 やっぱり、排出量ばかりに着目せずに、資源の消費量とCO2などの排出量の両面から評価するのが良いのじゃないのかなあ。。
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