最新の原子量と周期表
日本化学会の雑誌「化学と工業」の2006年4月号に、「原子量表(2005)」と「元素の周期表(2005)が掲載されている。これは、IUPAC(国際純正・応用化学連合)が発表する最新のデータに合わせ、日本化学会が毎年4月に発表しているもの。
毎年、原子量の数字が微妙に修正されるのだが、今年は、Na, Al, P, Sc, Mn, Co, Cs, La, Nd, Sm, Tb, Ta, Pt, Au, Bi, Th の16の元素の原子量が修正されている。修正内容については、IUPACのニュースにまとまっているが、この程度の違いは普通の人たちには何の影響もないのだが、もしかしたら大きな影響を受ける人もいるかもしれない。例えば化学計算にはどうしても正しい原子量を使わないと落ち着かないという人などは、忘れずに修正しておく必要があるだろう。ちなみに、白金の原子量の変化が比較的大きいのだが、それでも 0.003%変化した程度である。。
元素の周期表では、固有の元素名がついているのは従来同様111番のRg(レントゲニウム)まで。今年の周期表では 112番元素以降については以下の通り。
112番 Uub ウンウンビウム
113番 Uut ウンウントリウム
114番 Uuq ウンウンクアジウム
115番 Uup ウンウンペンチウム
116番 Uuh ウンウンヘキシウム
118番 Uuo ウンウンオクチウム
2004年版では、112番、113番、116番の3つだけだったので、この1年で114番、115番、118番の3つの存在が一応認められたということのようだ。ただしIUPACのPeriodic Table of Elementsには111番までしか載っておらず、日本化学会独自の判断なのかもしれない。なお、114番元素Uuqについて、従来は「ウンウンクワジウム」と表記していたが、これを「ウンウンクアジウム」に変更したとのこと。
112番元素以降の周期表上での配置は、WebElements periodic tableがわかりやすい(ここでは118番についても認めていないようだ)。 これで117番元素(Uus:ウンウンセプチウム?)を除き、第7周期までが完全に埋まった格好になる。いよいよ新元素の発見(?)競争は第8周期へと突入することになりそうだ。
なお、第8周期以降ではGブロックというグループを考える必要があるようで、この辺まで来ると、従来の周期表よりも拡張周期表の方がある意味美しい表現方法のように思える。
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