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2006/05/31

「かんたん化学物質ガイド」e-ラーニング

環境省の報道発表資料(5/31)から。「かんたん化学物質(かがくぶっしつ)ガイド」e-ラーニング版の作成・公表について

環境省では、家庭や自動車等の身近なところから排出される化学物質について、市民が自らの生活と関連付けて考え、一人一人ができる環境リスクの低減のための取組について考えるきっかけとなるよう、子どもにも親しみやすい小冊子「かんたん化学物質(かがくぶっしつ)ガイド」を作成しています。今回、本ガイドの内容を音声・動画付きでパソコン上で学べるようにe-ラーニング版を作成し、環境省ホームページに掲載しましたので、公表いたします。

 環境省では、家庭や自動車等の身近なところから排出される化学物質について、市民が自らの生活と関連付けて考え、化学物質の正しい利用や廃棄など、市民一人一人ができる環境リスクの低減のための取組について考えるきっかけとなるよう、子どもにも親しみやすい小冊子「かんたん化学物質(かがくぶっしつ)ガイド」の作成に取り組んでいます。平成17年8月には第一弾「わたしたちの生活と化学物質」編を、平成18年4月には第二弾「乗り物と化学物質」編を、それぞれ作成・公表しています。
 今般、これらの小冊子の内容についてインターネット上で楽しみながら効果的に学習するコンテンツとして、「かんたん化学物質ガイド」e-ラーニング版を作成し、環境省ホームページ上に掲載しました。

ということで、その内容は
○「わたしたちの生活と化学物質」編
Q1 化学物質ってなに?
Q2 どんな性質があるの?
Q3 ヒトや動植物にどんな影響をあたえるの?
Q4 上手につきあうにはどうしたらいいの?

○「乗り物と化学物質」編
Q1 乗り物は化学物質で作られているって、ホント?
Q2 乗り物を動かすときには、どんな化学物質が使われているの? 環境に出てしまうものがあるの?
Q3 乗り物を上手に利用するにはどうしたらいいの?
Q4 使わなくなった乗り物を処分するとき、どんな化学物質が環境に出てくるの?

となっている。実際のサイトはこちら。せっかくなので、一通り内容を見てみたのだが、思ったよりも力を入れて作っている印象である。音の出ない環境で使用しても全く支障はないような作りになっている。しかし、先に進むためには登場人物のセリフの吹き出しをクリックする必要があるのだが、吹き出しの位置があっちこっちに移動するので、操作性はやや煩雑である。

まあ、さすがに子ども向けだし、それなりにアバウトな内容で、あまり突っ込むのもどうかと思うので、詳細には触れない。でも逆に、これを作る側としては、どの程度専門的な部分まで突っ込むべきなのか、中々悩ましかったのだろうと思われる点が多々見られる。

そもそも化学物質とは何?とか、あらゆるものは元素からできていて、みたいなところから始まってるくせして、すぐに周期表が出てきて、元素は全部で111種類なんて説明が出てくるし、かなり複雑な化学式やあまり聞いたことのないような化学物質名もポンポン出てくる。恐らく小学校や中学校の教科書がカバーしていない内容も多いだろうし、この教材を教育に利用しようとすると先生の方も対応が結構大変かもしれない。

「へえっ」と思ったのは、これだけ初心者向けの内容なのに、「化学物質の環境リスク」という項目があって、リスクの定義がきちんと説明され、物質の有害性だけでなく暴露量も重要だということをかなり強調していたりするところや、PRTR制度の説明などもしっかりされているところなど。

ところで、「わたしたちの生活と化学物質」編のクイズで「1個の原子の大きさはどれくらいでしょう? 1.約0.1cm(10分の1cm)、2.約0.0001cm(1万分の1cm)、3.約0.00000001cm(1億分の1cm)」という問題が出ることがあるのだが、もちろん正解は3番なのだが、何故かこのクイズでは正解は2と表示される。。 環境省に連絡しておいてあげるかな。

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2006/05/29

山火事世界地図

Yahoo!ニュース経由の時事通信ニュース(5/26)から。世界山火事地図をネット公開=気候変動研究で活用期待-ESA

 欧州宇宙機関(ESA)はこのほど、世界のどこで山火事が起きているか、継続的に把握できる「地図」をネット上で公開し始めた。気候変動の研究などで活用が期待されている。
 ESAによると、この「地図」は、人工衛星を使って地表のどこで火事が起きているかを把握し、地図上に赤い点で表示していく。衛星が情報をキャッチしてから、ほぼ6時間後にネット上に表示できるという。
 地球上では毎年、5000万ヘクタール以上の森が山火事で焼失しており、地球温暖化との関連が指摘されている。地図は、ESAのホームページから「ATSRファイア・アトラス」の項目をクリックして誰でも見ることができる。
日本でもたまに山火事があるが、アメリカやロシアなどでは時々とんでもない山火事が起こることがる。地球上では毎年5000万ヘクタール以上の森が焼失しているとのことだが、この焼失面積は、5000万ヘクタール=50万平方キロメートルだから、なんと日本の国土面積37.8万平方キロメートルより大きく、スペインの面積に相当するものだ(参考:国の面積順リスト)。

ESAのニュースWorld fire maps now available online in near-real timeによると、この山火事地図のデータは

The WFA data are based on results from the Along Track Scanning Radiometer (ATSR) on ESA’s ERS-2 satellite, launched in 1995, and the Advanced Along Track Scanning Radiometer (AATSR) on ESA’s Envisat satellite, launched in 2002.

These twin radiometer sensors work like thermometers in the sky, measuring thermal infrared radiation to take the temperature of Earth's land surfaces. Fires are detected best during local night, when the surrounding land is cooler.

Temperatures exceeding 312K (38.85℃) are classed as burning fires by ATSR/AATSR, which are capable of detecting fires as small as gas flares from industrial sites because of their high temperature.

ということで、ESAの2機の人工衛星に積まれたセンサーで地上温度を観測し、312Kを越えた地点をホットスポットとして表示するもののようだ。(火事以外の人為的な高温も検出される) こちらには2005年中に検出されたホットスポットのマップ、および過去10年間の地域別の火事件数推移のグラフがあるが、アフリカや南米が多く、また東南アジアやオーストラリア、あるいはスペイン、中米やロシアなども結構多いようだ。

日本の山火事、世界の山火事によると意外にも地中海沿岸国が山火事発生件数、焼失面積が大きいとのこと。原因はそれぞれの地域によって千差万別だろうが、スペイン、ポルトガル、フランスなどの山火事は放火が原因のものが多いらしいし、オーストラリアでは自然発火が大部分らしい。一方で、地球温暖化との関係や、山火事で放出される温室効果ガスがさらに温暖化を促進するなんて話もある。

ほぼリアルタイムの山火事マップはATSR Fire Atlasで見られる。このページでは常に数時間前の最新状況が掲載されており、これは誰でも見ることができる。また、登録メンバーになると過去のデータもダウンロードすることができるようだ。なお、アルゴリズム1と2の2種類のマップがあるが、ホットスポットと判定するしきい値となる温度がアルゴリズム1では312K、アルゴリズム2は308Kとなっているようだ。 最新のマップを2005年トータルのマップと比べると、ロシアの内陸地方でホットスポットが目立つようだが、今現在も派手に燃えているものと思われる。

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2006/05/24

和食はネズミにもヘルシー

asahi.comの記事(5/24)から。「和食はヘルシー」実証 東北大、ネズミで実験

 健康にいいのは洋食より日本食――。半ば常識になっている通説を科学的に立証しようと、東北大の宮澤陽夫(てるお)教授(食品学)らがネズミで実験をした。その結果、日本食を食べたネズミの方が、コレステロールや脂肪を分解する遺伝子が活性化し、健康的であることが確認できた。

 実験ではまず、日米の国民栄養調査を基に、最近の両国の代表的な1週間のメニュー各21食分を選んだ。日本食はさしみや雑炊、オムライスなどで、米国食はハンバーガーやフライドチキンなどだ。栄養士に実際に調理してもらった食事を凍結乾燥。粉末にして混ぜた後、それぞれ8匹のネズミに3週間食べさせた。

 ネズミの肝臓で計1万種類の遺伝子の働きを比べたところ、日本食のネズミではコレステロールや脂肪を分解する複数の遺伝子が、米国食の1.5倍以上に活性化していた。効率よく分解が進んだと見られる。実験後に肝臓内にたまったコレステロール量は、米国食の方が1割以上多かった。

 研究では欧米化がそれほど進んでいなかった60年代の日本食と最近の日本食も比べたが、60年代の食事の方が健康によいようだとの結果も出た。

 和食の方が健康にいいらしいことは、多くの疫学研究などが示しているが、具体的理由は必ずしもはっきりしていない。宮澤さんは「日本食有利説を科学的に確かめたかった。我々団塊世代が育った洋食化していない食事の方が、今の日本の食事よりも健康的なことも分かった」と言う。

 国立健康・栄養研究所の梅垣敬三研究員は「日本食の良さを生物の体の仕組みまで掘り下げて調べており、面白い。人間の健康にもいい、と確かめる糸口になる」と評価する。

うーむ、この研究は何だか緻密なんだか大雑把なんだかよくわからない、不思議な味があるな。1万種類もの遺伝子の発現状態を調べている一方で、日本食の何に効果があったのかよくわからない。日本食と米国食のそれぞれを与える量はどのようにコントロールしたのだろう? 普通なら、与えた栄養素のバランスを比較して、何がどう影響したかを論じるんだろうけど、日本食は米国食より健康に良いというようなアバウトな結論は普通の発想では出てこないような気がする。

そもそも、この実験結果からは、アメリカ的な食事より日本食の方が「ネズミにとって」健康的らしいことがわかるだけで、「人間にとって」どうなのかはわからないような気がするのだが。。 ついでに、イタリア料理、フランス料理、中華料理、インド料理、タイ料理、とかいろいろと食べさせて比べてみたい気もするが、もっと重要なのは、普通のネズミ用の食事をしたネズミとの比較だろうな。もしも、日本食を食べたネズミよりも普通のネズミ食を食べたネズミの方がさらに健康的だったらどういう結論になるんだろう?

ただし今回の研究は、単に日本食を食べさせたネズミと米国食を食べさせたネズミの健康診断を行ったわけではなく、特定の遺伝子の発現を見たものだから、その遺伝子が人間でも同じ働きをしているとすると、この記事にあるようにストレートな結論は無理だとしても、確かに何らかの意味のある実験と言えそうだ。

ちょっと興味があるのは、実際にネズミに与えた食事。日本食と米国食のそれぞれ21食分を調理して、凍結乾燥し、これを混ぜたものらしいのだが、どんな味わいなんだろう。凍結乾燥したものなのだし、非常食とかインスタントフードといて使えるかもしれない。でも、全部混ぜたらまずくて、とても人間には食べられない代物だろうな。。 まあ、健康に良いかどうかと、うまいかまずいかは直接関係があるわけではないのだろうけど。。

東北大の宮澤研究室のホームページを探したが、これに関する詳しい情報は見当たらなかったが、この研究成果については日本栄養・食糧学会の第60回大会で発表されたらしい。

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2006/05/22

巨大な超薄膜

asahi.comの記事(5/22)から。髪の毛の2千分の1、「超薄膜」を開発 理研チーム

 髪の毛の太さの約2000分の1の薄さなのに、実用につながる十分な面積や強さを持つ膜の作製に理化学研究所の研究チームが成功し、21日発行の英科学誌ネイチャー・マテリアルズ(電子版)に発表した。海水淡水化プラントや燃料電池の高性能化などにつながる技術という。

 この膜は、セラミックの一種と有機高分子それぞれの網目がお互いに絡み合った構造。それぞれの網目の形成が同時に進むよう、反応を工夫して作った。35ナノメートル(ナノは10億分の1)の厚さで4センチ四方の大きさがある。内径0.32ミリの細いスポイトで吸い込むことができるほど薄く、しかも吐き出すと元の大きさに戻る柔軟性を持っている。

 特定の物質だけ透過させる膜は、海水淡水化プラントをはじめ広く使われている。分離効率を上げるため、より薄い膜の開発が進められており、細胞膜並みの厚さ数ナノメートルの膜もできているが、1ミリ四方以下のごく小さなものしかない。

 国武豊喜チームリーダー(北九州市立大副学長)は「今回の手法を出発点にして、特定の機能を持った膜を幅広く開発していきたい」と話す。

というもので、何が新しいかというと、薄さそのものではなく、厚みが35nmに対して面積が4cm角程度と、厚さの割に非常に面積が大きい薄膜を作ったことが特徴のようだ。理化学研究所のプレスリリースによると、この薄膜はジルコニアとアクリル系ポリマーが絡み合った構造を有するものらしい。

この薄膜の具体的な作成方法は、
 (1)ガラスまたはシリコン基板上に約100nmの犠牲層を形成し、さらにその上に約5nmのポリビニルアルコールの層を形成する。
 (2)ジルコニウムアルコキシドとアクリルモノマーを紫外線照射しながらスピンコートする。
 (3)全体をエタノールに浸漬し、犠牲層をエタノールに溶解させ、その上に形成した薄膜を剥離させる。
というものらしい。

で、このセラミックスとポリマーが絡み合った構造のことを、「IPN(interpenetrating polymer network:入れ子型ポリマーネットワーク)」と名付けており、この構造を作り出したことが特徴のある薄膜を作り出せた鍵となったようだ。ちなみに、IPN自体は既に知られている構造で、例えばここなどに説明が載っている。今回の薄膜に関しては、そのIPN構造についての電顕写真や模式図が載っていないので、具体的にどんな構造なのかはよくわからない。

今後、機能性の薄膜に展開していきたいというコメントから考えると、使用するセラミックスと有機薄膜の組合せは色々と変えていくことができるということらしいのだが、この方法で何故このような特徴を持つ薄膜が得られるのかについて特に言及されていないし、実はここには書かれていないノウハウが隠されているような気がしないでもない。というか、アクリルモノマーの重合速度とジルコニウムアルコキシドの加水分解速度の制御がキーとなるのは間違いないし、どの程度応用が効くのか興味のあるところだ。

ちなみに、現時点ではNature Materialsにはまだこの論文は掲載されていないようだ。

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2006/05/15

「ウェブ進化論」と「グーグル Google」

「ウェブ進化論」は今や大ヒットとなったようで、あちこちで扱われているし、確かに非常に明快にウェブ社会で起きている現象と今後の方向性を示しており、ネットに精通した人もそうでない人も必読だと思う。一方、「グーグル Google」もそれなりに売れ始めているらしいけど、こちらは「ウェブ進化論」程の評判にはなっていないようだ。でも、こちらは「ウェブ進化論」と共通する現象を取り上げているけど、より多面的な切り口で、特にグーグルが席巻するネット社会の光と影の両面を取り上げている点で見逃せない本である。

ちくま新書 582
 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
 梅田 望夫 著 bk1amazon

文春新書 501
 グーグル Google 既存のビジネスを破壊する
 佐々木 俊尚 著 bk1amazon


この2冊は「ロングテール」を中心とした、検索をキーテクノロジーとした新しいネット社会についてわかりやすい解説を行っている点で、共通している点も多いのだが、一方で互いに補完している点も多く、できれば両方合わせて読むのがいいだろうと思う。でも、何故か amazon のお勧めではどちらの本のページでも「あわせて買いたい」本には違う本しかラインナップされないのが不思議である。。

「ウェブ進化論」はネット社会が如何にビジネスを変えつつあるのか、今後はどうなっていくのか、についてロングテールを中心としてかなり詳しく述べている。今までネットを使いながら漠然と感じていたイメージが、本書を読むと実にクリアになってくる。あちこちの書評を読んでみると、読む人が違うと実に多様な読まれ方をしていることにも気付く。それだけ多くのイメージを読者に与えてくれるという点でも良書なんだろうと思う。

一方、「グーグル」はネット社会全体を相手にするのではなく、その中でもグーグルに的を絞り、そのビジネスモデルについて実例をたくさん混ぜて非常にわかりやすく見せてくれる。さらに、グーグルが中心のネット社会が持つ問題点を描くことにもかなりの分量を割いている。本の後半が影の部分となっているだけに、読み終えたときに、グーグル1社が余りに多くの情報を支配することへの不安感が強調される仕掛けとなっている。

グーグル八分の話や中国での検索結果への検閲導入、あるいはグーグルマップから特定施設が消えた件などの負の側面は、既に知っている人はとっくに知っているような問題ばかりなのだが、この手の一般向けの本にきちんと記載されたことの意義が大きいだろうと思う。著者も指摘しているように、これらの問題は、個々の問題よりも、グーグル社が説明責任を果たしていないという点や、強いものに甘く弱いものに厳しいというダブルスタンダードな企業姿勢が大きな問題なのだろうと思う。たかが一民間企業の話なんだから、嫌ならグーグルを使わなければ良いじゃないか、で済めば良いのだが、どうやらそうもいかないところまでグーグルは大きくなってしまっているように思える。これらの問題点が今後どういう方向に向かっていくのか、ということにこれからも注目していきたい。

まだまだ大きな変化が起こっている真っ最中に敢えて出版されたということで、この手の本は賞味期間が極めて短いので、是非2冊合わせて早めに読んでみて欲しい。

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2006/05/12

247回目の献血は途中終了

最近バタバタと忙しく、なかなかブログの更新もままならない状態なのだが、今日は時間を取ってパスポートの更新手続きに行って来た。そのついでに 4/14 に続いて横浜駅西口献血ルームで 28日ぶりの献血。

パスポートの更新申請は、横浜の産業貿易センタービルにある神奈川県パスポートセンターに行ったのだが、平日の昼間でも申請待ち人数が70~80人程度で、待ち時間は1時間ぐらいだった。受け取りは丁度1週間後の5/19の予定。3/20からICチップ入りになったのだが、さてどんなものだろうか。

産業貿易センタービルの1階では人体の不思議展をやっていた。以前東京で見たときには、最終日ということもあってか、ものすごい混雑で大変な思いをして見たのだが、ここはどうやらガラガラのようで、チケット売り場にも人はほとんどいなかった。まあ、あまり宣伝もしていないみたいだし、既にあちこちで何度も開催しているので、そろそろ飽きられちゃったということだろうか。

さて、今日の献血は血漿成分献血で、いつものように右腕で検査を行い、左腕から献血。1回目の採血が終了し、返血を開始したところで腕に鈍い痛みを感じたので見てもらったところ、何と針先の周囲がプックリと腫れ上がっており、慌てて返血を停止。針の入り方が悪かったようで、そう言えば最初の採血中から何となく違和感があったのだけど、こんなに腫れちゃったのは久しぶり。応急処置として看護師さんが内出血用の薬(ヒルドイド軟膏)を塗ってくれ、今後もしばらくは1日数回塗ってくださいと薬を渡された。

さて、返血の開始早々にトラブルが起きたので、採った血の大部分がまだ装置に残ったままである。どうするのかと思いきや、看護師さんは、このまま終了するか、右腕に新たに針を刺して返血をするのかを選んで欲しいとおっしゃる。このまま終了した場合には、200mlの全血献血をしたという扱いにするので、次回献血可能となるのは2か月後となるが、返血した場合には通常の成分献血を終えた扱いとなるので2週間後から献血可能になるとのこと。

こちらとしては、返血するだけでなく、そのまま引き続いて成分献血の続きをしてもらって構わないという申し出をしたのだが、そういうわけにはいかないようで、結局は採った分を返したところで今回は終了となってしまった。返血の際には、一回り細い返血専用の針に付け替えることになっているらしく、この針では採血ができないというのが理由らしいのだが、何故細い針に付け替えるのかはよくわからなかった。

その後しばらくは腫れもあったのだが、数時間が過ぎた今は、やや鈍い痛みは残っているけど特に腫れもなく、内出血も思ったほどひどくないようで一安心。

おみやげは、コシヒカリ(750g)と薬用デンタルファミリーセットからの2者択一。今回はコシヒカリにしたけど、どうもここの献血ルームはおみやげの充実度や魅力が不足気味という感じがする。それでも地の利があるためか、多くの人が訪れてくれるので、あまり改善する必要性を感じていないのかもしれない。まあ、おみやげを豪華にすればいいというものではないけれど、もっと献血を魅力的なものにするためにあの手この手の努力をするべきだと思うのだけど。。

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2006/05/09

多角形ナノチューブ

Fujisankei Business iの記事(5/9)から。多角形らせん状カーボンナノチューブ JFE・信州大が発見

 JFEホールディングスは八日、信州大学との共同研究グループが、高機能材として期待されているカーボンナノチューブ(CNT)で、断面が六角形以上の多角形となり、らせん状の構造のタイプを世界で初めて発見したと発表した。

 JFEグループが確立した製造手法によってできたCNTが、この特殊構造となっている。特殊構造により、従来型の円筒構造のCNTに比べ、電子放出がしやすくなり、強度も高まるなどの機能向上が見込めるという。

 JFEグループは、多角形ナノチューブを「ナノコア」と名付け、電子機器、複合材などへの応用向けに試験販売を開始した。(以下略)

ということだが、多角形らせん状とはどんなものだろう? JFEホールディングスのニュースリリースには、模式図が掲載されている。図に描かれているのは8角形断面をした多層のカーボンナノチューブで、しかも長さ方向にらせん状に捩れているという、なかなか興味深い形状をしている。直径は数~数十ナノメートルとのことだが、この図から見ると、相当に原子数が多そうで直径が数ナノメートルということはなさそうだ。。
この特殊構造のナノチューブは今回初めて合成されたのではなく、初めて発見されたものとのことで、
 JFEグループでは、独自開発したアーク放電方法によってほぼ純度100%のカーボンナノチューブ(以下、CNTと略称)が織りなす厚さ約100ミクロン(1ミクロンは、10-6m)のCNTテープの合成に3年前に世界で初めて成功し、その後、CNTテープ(以下、JFE-CNTと略称)の結晶構造や材料特性および基本的な発現機能(電子放出特性等)について、複数の研究機関と共同で検討を進めてきました。

  その結果、最近、信州大学工学部 遠藤守信教授との共同研究によって、JFE -CNTの構造がこれまで言われている円筒状の断面ではなく、その多くは6角形以上の多角形断面からなり、しかも長手方向にらせん状に捩れていることが明らかになりました。この多角形断面構造は遠藤教授が約30年前に論文でその存在を発見していたものであり、今回世界で初めてらせん状の多角形CNTの存在を確認しました。

とあるように、実はアーク放電法で作ったCNTテープを構成するナノチューブ粒子を調べてみたらこんな変わった形状だったということが最近になってわかったということらしい。

こんな多角形形状となる理由については、「約 3000℃以上の高温場でCNTが合成されるため高結晶性が得られるとともに、その後急冷されるため結晶に歪みが導入されることにより多角形構造が得られたもの」と書いているが、あまり説得力がある説明には思えない。通常のナノチューブがグラフェンシートをクルッと丸めたものであるのに対し、こちらは、平面とエッジの組合せとなっているわけで、どう見ても不安定そうな構造に思えるし、こんなにきれいに多角形らせん形ができるのには何か秘密がありそうだ。

この多角形多層ナノチューブだけが合成されるわけでもなさそうだけど、うまく精製というか単離できるのであれば、結構面白そうだ。何といっても、このエッジの存在が特異な特性を生み出しそうな気がする。

信州大学の遠藤教授は、この多角形CNTについて、「同心円状のCNTと異なり平面状を有したグラファイトの性質を併せ持つ物質のため、機械・電子機能も独特で従来得られなかった機能発現を生じるのであろう。」というコメントを述べている。遠藤教授は1977年に多角形断面構造の存在を論文に書いているらしいのだが、ちなみにカーボンナノチューブの歴史を見ると、飯島さんがCNT(多層)を発見したのは1991年ということになっている。

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2006/05/08

ココログ28か月

ココログを始めて2年と4か月が経過。1か月当たりのカウンターの伸びは 17000程度と先月と同程度ではあるけれど、ゴールデンウィークをはさんだことを考慮すると、ややアクセス数は回復基調のようである。

 1か月目:900     2か月目:4500    3か月目:11700    4か月目:19000
 5か月目:32300   6か月目:43500   7か月目:54500    8か月目:72000
 9か月目:87700   10か月目:105400  11か月目:125400  12か月目:140600
13か月目:163000  14か月目:179300  15か月目:194700  16か月目:205300
17か月目:216800  18か月目:231700  19か月目:251100  20か月目:276400
21か月目:301200  22か月目:326400  23か月目:351400  24か月目:372400
25か月目:398100  26か月目:419300  27か月目:436100  28か月目:452700

この1か月のアクセス解析結果は以下の通り。

(1)リンク元
 1位 http://www.google.co.jp 全体の33%(前回1位)
 2位 http://search.yahoo.co.jp 全体の21%(前回2位)
 3位 bookmark 全体の20%(前回3位)
 4位 http://www.google.com 全体の10%(前回4位)
 5位 http://search.msn.co.jp 全体の2%(前回6位)
 6位 http://search.goo.ne.jp 全体の2%(前回5位)

この1か月の集計ではヤフーサーチ経由の訪問者がますます減少傾向となっているのだが、4月後半からは回復傾向にあるようだ。また、最近MSNサーチが随分と増えたことが特記事項として上げられる。こうやって長期間にわたってアクセス解析をしていると、いろんなことが見えてくるのだが、検索エンジン内部でのブログの取扱い方の変化には波があり、上位に来たり下位に落ちたりしているように見える。グーグルも、個々のキーワードに関しては結構大きな順位の変動があるように感じるのだが、全体では意外とコンスタントで安定しているようだ。

(2)検索キーワード
 1位 献血ちゃん(前回圏外)
 2位 ETBE(前回7位)
 3位 注射針(前回1位)
 4位 過去の天気予報(前回5位)
 5位 キャパシタ(前回4位)
 6位 植物性乳酸菌(前回圏外)
 7位 フラーレン(前回40位)
 8位 天気予報(前回9位)
 9位 アメリカ(前回13位)
10位 松坂(前回12位)
11位 ネックレス(前回18位)
12位 献血(前回14位)
13位 失敗学(前回圏外)
14位 与太瓶(初登場)
15位 パスポート(前回6位)

「献血ちゃん」がトップというのは意外。あのマスコットキャラクターの正式名称は「けんけつちゃん」なのだが、「献血ちゃん」をグーグルで検索するとウチがトップに来るようだ。

他に目立つところでは、「松坂」「ネックレス」というキーワードが先月に続いて人気あるようだ。今も続けてあのRAKUWAネックレスを付けて投げているのだろうか? たまにプロ野球のニュースを見ると、結構多くの選手が同様のネックレスを使用しているようで、悲しくなってしまう。新庄選手のアンダーシャツがどうのこうの言うよりも、あっちの方をどうにかして欲しいものだが。。

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2006/05/01

2006年4月の天気予報傾向

東京地方の過去の天気予報 は順調にデータ蓄積中。懸案だった月次処理作業もようやくほぼ自動化したので、かなり楽になった。依然として、エクセルのVBAでのエラー頻発に悩まされているのだが、ようやく対処方法がわかってきた。グラフをまとめてエクスポートしている処理でエラーが出る場合には、グラフを1つエクスポートするたびに stop文を入れてポーズを入れ、都度キー入力で次に進むようにすると、エラー無しに最後まで処理できるようだ。

さて、今年の4月は天候不順で雨が多く、気温も低い傾向が目だったのだが、気象庁が発表した4月の天候でも、全国的に日照時間や気温が平年値から大きくはずれたことが報告されてている。実際、昨年4月のトレンド今年4月のトレンドを比べると特に気温が大きく異なることや、晴の日が少ないことが一目瞭然だ。

気象庁のサイトを探していたら、平成18年度気象庁業務評価実施計画という資料を見つけた。この p.11/19 に天気予報と週間天気予報の今年度の目標が載っている。それによると、翌日の天気予報については、降水確率が50%以上はずれた日数を年間25日、最高気温が3℃以上はずれた日数を年間40日、最低気温が3℃以上はずれた日数を年間25日にすることを目標としている。また週間天気予報については、5日後の予報の精度を、降水有無の適中率を70%、最高気温の予測誤差を2.4℃、最低気温の予測誤差を1.9℃とするとしている。

*降水確率が50%以上はずれた日数、というのはよくわからないのだが、どうやって計算するんだろう?

さて、先月の宿題としていた、気象庁発表の降水確率予報の精度と、ここで蓄積しているデータから算出した降水確率適中率の違いだが、気象庁とこちらでは、取り扱うデータ範囲が異なっているようだ。

気象庁は、17時発表については、18-24時、0-6時、6-12時、12-18時の降水確率と降水量実績、朝5時発表の予報については、6-12時、12-18時、18-24時、0-6時の降水確率と降水量実績を元に計算している。つまり、1日について8点のデータからなっている。

一方、こちらでは17時発表の予報についてのみで、しかも対象となる時間帯が、0-6時、6-12時、12-18時、18-24時の4点で、気象庁の対象時間帯よりも6時間だけ後側にずれている。ということで、データ点数が半分であることと、予報時間帯が後にずれていることが違いということになる。

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