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2006/07/28

249回目の献血

アメリカから帰ったのが6/26。帰国後4週間の献血禁止期間も過ぎたということで、6/7以来、51日ぶりの献血。前回同様に相模大野献血ルームに行ってきた。

今回も血小板成分献血。途中、採血時の流量がやや低下することもあったようだが、特にトラブルなく終了。この前、返血時に痛い思いをして以来、最初の返血が終わるまでは少し不安もあったのだが、まあ少しずつ慣れないと駄目かな。。

献血ルーム内には、何だかあれやこれやといつもにも増して沢山のポスター類が貼ってあったが、考えてみると献血ルームに来た人はこのポスターを見てから献血を決意するわけでもないだろうし、あまり意味なさそう。 他にポスターを貼るべき場所がありそうに思うのだが。。 

献血終了後、献血メールクラブの会員募集中というカードをもらった。このサイトを覗いてみても、何故かこのクラブに登録するとどうなるのかが何も書かれていないということで、今まで入会していなかったのだが、このカードには入会の特典(?)として

成分献血のご予約をすることができます。
血液センターからメールマガジンが配信されます。
献血に関する最新情報をリアルタイムでゲットできます。
血液が不足した際にメールでの献血の依頼をさせていただきます。
といったことが書いてある。まあ、どんな情報が配信されてくるのか少しは興味もあるので、登録しておくことにする。

おみやげとして新しいデザインの献血Tシャツがラインナップされていた。今回は白のTシャツをゲット。前回および前々回のものと比べてイラストと文字の色が変わって少し涼しげになったのだが、どうだろう? 紺色のTシャツはもっとカラフルな色使いになっていたようだ。どちらも、僕は従来の方が好きだけど。。

20060728_Tシャツ

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2006/07/26

献血手帳が磁気カードに

NIKKEI NETのニュース(7/26)から。日赤、10月から献血手帳を磁気カードに

 日本赤十字社は10月から献血手帳を磁気カードに順次切り替えることを決めた。輸血用血液の安全性向上のため、献血者の身元確認をしやすくし、各種ウイルスの感染検査目的の偽名献血に一定の歯止めをかけるのが狙い。

 日赤によると、輸血によるウイルス感染などが疑われる場合、献血者の追跡調査ができるよう2004年10月から初回の献血時に運転免許証や保険証などの身分証の提示を求めている。しかし、献血者の中には身分証を携帯していなかったり、ウイルスの感染検査目的で偽名を使ったりするケースも後を絶たず、日赤は今年4月から3回連続で身元確認ができない場合は献血を断る制度を導入していた。

というもの。日経朝刊には、これに加えて
 10月から導入する磁気カードには身元情報や献血時の血液検査データを記録。献血時にカードを読み取り機に通し、4桁のパスワードで本人確認できるようにする。
とある。何故かこのニュース、ネット上では他に見当たらないようだ。日本赤十字のサイトを探してみても、具体的な内容はみつからなかったが、血液事業トピックスには
1.献血受入時の本人確認の実施

 感染した可能性があるときには患者さんの安全のため献血はしないという「安全で責任のある献血」の思想をご理解いただきたいため、平成16年10月1日から全国で実施していますが、今般、実施から1年が経過したことから、地域や献血者層も考慮し、厳格に実施するよう努めてまいります。

  これに併せ、本人確認の徹底と献血者の利便性にも配慮し、献血手帳のカード化を平成18年度内に実施することとして検討を進めています。

とあるので、まあ、予定通りということらしい。

今の献血手帳は30年ぐらい前のものと大きく変わってはいないのだが、実は昔の手帳は献血の記録に加えて輸血の記録も残る形式だった。輸血を受けるためには事前にそれ相応の献血をしている必要があったらしい。ネットを探してみたら、けんけつ・どっと・こむちまき亭のサイトで以前の手帳の写真を見ることができる。今は昔という感じだが、厚生労働省のサイトでは昭和44年の献血手帳の取扱い等についてなんて通知が載っていて、当時の状況が垣間見える。

さて、新たな献血手帳というか献血カードだが、安全性の確保には一体どの程度の効果があるのだろう? カードを持っていないと例外なく献血できないというところまで厳格化すればいいのかもしれないけど。。 というか、偽名を使ってまで献血をしたい人ってそんなに多いのだろうか? 結局、検査結果を郵送してもらわなくちゃ目的が果たせないとすると、少なくとも住所はバレそうなものだし、よくわからん。。

一方、献血者にはどんなメリットがあるのだろう? いつも献血手帳を持ち歩いている身としては、確かに今の献血手帳は他のカード類と比べて一回り大きいし、厚さもあるのでかさばるということで、通常のカードサイズにしてもらうのはありがたい。 

実は、パッと見て現在までの献血回数がわかるとか、前回の献血日がわかるとかが結構重要だと思うのだが、どうなのだろう? 何かの席で今までの献血回数を公表するとたいていの場合とても驚かれるのだが、そんな時に献血手帳は実に雄弁な証拠となる。何しろ最近どんなペースで献血しているかが一目瞭然なのだから。さて、今度の献血カードは献血回数や前回の献血日が目に見える形で記録されるのだろうか?

それにしても、血液検査データなんて情報をカードに保存してもらう必要性はあまり感じられない。意味があるとすると、医療機関等にこのカードを提示するとそのデータを医師が見て診断に役立てるというようなケースだろうか? でもICカードではなく磁気カードとのことだから、元々そんなに多量の情報は保持できないんだろうな。。

せっかくだから、将来はどこかのカードと提携して、献血するとポイントやマイルがたまるというのがうれしいのだが。。。

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2006/07/25

土星の衛星タイタンで多数の湖を発見

YAHOO! NEWS経由のAPニュース(7/24)。Evidence found of hydrocarbon lakes on Titan

Scientists said Monday they have found the first widespread evidence of giant hydrocarbon lakes on the surface of Saturn's planet-size moon Titan.

The cluster of lakes was spotted near Titan's frigid north pole during a weekend flyby by the international Cassini spacecraft, which flew within 590 miles of the moon.

Researchers counted about a dozen lakes six to 62 miles wide. Some, which appeared as dark patches in radar images, were connected by channels, while others had tributaries flowing into them. Several were dried up, but the ones that contained liquid were most likely a mix of methane and ethane.

"It was a real potpourri," said Cassini scientist Jonathan Lunine of the University of Arizona.

Titan is one of two moons in the solar system known to possess a significant atmosphere similar to that of primordial Earth. But scientists have long puzzled over the source of its hazy atmosphere rich in nitrogen and methane.

Scientists believe methane gas breaks up in Titan's atmosphere and forms smog clouds that rain methane down to the surface. But the source of methane inside the moon, which releases the gas into the atmosphere, is still unknown, Lunine said.

記事の冒頭部分にザッと目を通し、てっきり土星の衛星タイタンで巨大炭化水素(高分子?)からなる湖が発見されたのだと思って読み進んだのだが、メタンやエタンの湖が見つかったという話しか出てこない。最後まで読んでから、giant は hydrocarbon ではなく lakes を修飾しているということに気付いた。。。 というわけで、タイタンの北極近くに数多くの湖や、渓谷のようなものが見つかったという話。その一部は現に液体を蓄えているようで、おそらくその液体はメタンやエタンだろうとのこと。

NASAのカッシーニ・ホイヘンス・ミッションを見ると、Lakes on Titanという写真と解説記事が掲載されていた。写真で黒く見えるのがレーダーをほとんど吸収してしまっている部分で、これは液体だろうと推定されている。もしもこれが液体ならば、地球を除き太陽系で初めて湖が見つかったことになるようだ。残念ながら、直接液体の存在や、それがメタンやエタンであることを確認したものではないようだ。それにしても、いわゆるLNGが蒸発し、これが雨として地表に降り、湖や川を形成したりしているということで、見た目は地表と似ているとは言え、なかなか凄い環境である。

メタンのソースについては、土星探査機カッシーニから切り離されたホイヘンスの観測データなどから、色々な推測がなされているようで、ESAによると、メタンハイドレートのような形で地下に蓄えられていると考えられているようだ。

AstroArtsの最近の解説土星探査機カッシーニ、ミッション後半に突入によると、この探査機カッシーニはこの6月に土星到着から2周年を迎え、今後さらに約2年間の観測を予定しているとのこと。今後、何度もタイタンや土星の環などに接近しての探査を行うことになっているようだが、今回のニュースも日本ではほとんど報じられていないので、今後も海外の情報ソースに目を通しておくことが必要のようだ。

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2006/07/24

極薄指紋センサーの動作原理は?

NIKKEI NETの記事(7/24)から。エプソンが極薄指紋センサー、カードに搭載で悪用防止

 セイコーエプソンは厚さ0.2ミリと紙並みの薄さの指紋認証センサーを開発した。2010年をメドに実用化することを目指し、クレジットカードや超薄型ディスプレーへの搭載を狙う。クレジットカードに指紋認証機能が付けば、紛失した場合でも第三者の悪用をほぼ防げるようになる。

 指紋認証センサーは指の表面が発する微弱な電流を読み取ることで、指紋のパターンを認識する。本人の指紋を記録したメモリーや薄型の演算装置とともにクレジットカードに組み込めば、指紋で本人確認しなければ利用できないカードを作れるようになる見込み。

ということで、同日の夕刊には1面に写真入りで大きく報道されている。夕刊にはさらに
 指紋認証センサーは携帯電話やパソコンに使われ始めているが、部品の微細加工に限界があり、カードに搭載できる水準まで薄くするのは難しかった。エプソンは極薄のプラスチック基板上に回路を形成する技術により薄型化を実現した。
とある。各種カードや携帯に多くの機能が盛り込まれ、ますます便利になっていくご時世なので、同時にセキュリティ機能の強化が望まれるのは間違いない。価格にもよるが、この手のセンサーが実用化されればカード等に急速に普及していくことになるような気がする。

それにしても、指紋センサーの原理が「指の表面が発する微弱な電流を読み取る」ものであるというのはやや違和感がある。従来のセンサーはどんな原理になっているのかと調べてみると、その名もシーモンという指紋認証専門会社の解説が充実している。

これによると、指を押し当てて指紋を読み取るセンサーには、光学式と非光学式があり、非光学式には圧力、熱像、音波、電荷量などを利用する方式があるとのこと。アメリカに入国する際にイミグレーションで指紋を採られるのだが、あの読取器は赤い光を発しているので、多分光学式なのだろう。一方、携帯やパソコンに積極的に指紋認証を導入している富士通のものは静電容量式を採用しているようだ。

富士通のページの解説図を見ると、静電容量を読み取る方式というのはシンプルでわかりやすいのだが、ではエプソンの指先の電流を読み取る方式というのはどんなものなのだろう? 探してみると、他にもRF磁場方式という真皮細胞の導電性を検知する方式が見つかったが、これはちょっと違うか? 

NIKKEI BYTEの特集記事はなかなか良くまとまっているが、ここには新たに電界強度測定方式というのが出てくる。どうやらこれはRF磁場方式と同じもののようで、やっぱり直接電流を読み取る方式というのは見つからなかった。確かに体表面には微弱な生体電流が流れているだろうけど、その電流を指紋を認識するのに直接利用することなんかできるのだろうか? 今のところエプソンのサイトにはこのニュースは掲載されていない。

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2006/07/18

「人体 失敗の進化史」

読書メモは随分久しぶり。この間もそれなりに本は読んでいたのだが、たまたまブログに書き込む暇がなかったのだ。今さら2か月も前に読んだ本の感想を思い出しだし書くのも辛いので、以前読んだものはとりあえず置いておき、最近読んだ本についてのメモを書き残していくことにしよう。

さて、この本の帯には

地球史上最大の改造作は、どう生まれ、運命やいかに。「ぼろぼろの設計図」を読む。
とあり、人体の設計図は生物進化の歴史の中で何度も何度も描き換えられたボロボロのもので、人類はいわば究極の失敗作なのだ、ということを述べた本のようだ。

光文社新書 258
 人体 失敗の進化史
 遠藤 秀紀 著 bk1amazon

著者は動物の遺体解剖を通じて生物学的な研究を進めてきた方で、遺体科学という学問領域を提唱されているとのこと。我々人類の体を解剖学的に見てみると、地球上の生物が今までどのように進化してきたのかというストーリーが見えてくるようだ。その進化の過程は、設計変更の歴史であり、水中生活から地上生活へ、4足歩行から2足歩行へ、などのように大きく生活様式が変化していく時には、当初の設計図では想定していなかったような大きな変更を施すことにより対応してきたと言える。本書では、その設計変更がいかに行き当たりばったりであったのかを、多くの実例をもとに説明してくれる。

本書で扱っている具体例としては、鳥の肩の骨とヒトの肩の骨の違い、心臓の発生の歴史、骨の発生、耳小骨の誕生、顎関節の誕生、手足の誕生、臍の始まり、肺の誕生、鳥の翼とコウモリの翼、2足歩行のための改造、ヒトの手の特徴、ヒトの脳、ヒトの繁殖戦略などなど。写真や絵を豊富に交えながらなかなか興味深く、しかもとても丁寧に解説してくれている。惜しむらくは、写真があまり鮮明でないのと、さらに素人にとっては写真の説明を読んでもあまりピンと来ないことだろうか。それでも今後、骨付きの魚や鳥を食べる時には、少し骨の付き方を意識して観察してみようか、という気にさせてくれる程度に興味を持たせてくれる。

本書では、あくまでも動物の遺体解剖を通して得た知見を元に、生物の進化、特に人類への進化の歴史を振り返ってみようというもので、いわゆる進化論についての説明はほとんどない。そのため、本書を読むことで進化の結果については理解できるのだが、進化の起こるプロセスやメカニズムについては全く理解できないことに注意が必要であろう。本書で進化の結果に興味を持った人には、その興味が尽きないうちに進化のメカニズムについての良書に目を通されることをお勧めしたい。

それでも本書を読むと、巷で最近話題になるインテリジェント・デザイン(ID)論がいかに事実を真剣に見ていないかということを思い知らされる。いわゆる知的設計者がいて、人類のような複雑な生命の設計図を描いたのだとすると、その設計者があまりにも行き当たりばったりで、強引で、お世辞にも知的とは呼べそうもないということが明白である。やはり本書の著者のように地道に多くの研究を積み重ねてきた方の説明は説得力があるし、ID論者には是非本書を読んだ上で論理的な反論を期待したい。新たな事実を前にして、強引で自分本位な説明をしようとすればするほど墓穴を掘ってくれそうで、それはそれで期待できるかもしれない。。。

さて、本書の後半では、人類が自らを滅ぼすことのできる兵器を作り、地球環境を不可逆的に破壊してきたことなどを述べた上で、

 たかが五〇〇万年で、ここまで自分たちが暮らす土台を揺るがせた“乱暴者”は、やはりヒト科ただ一群である。何千万年、何億年と行き続ける生物群がいるなかで、人類が短期間に見せた賢いがゆえの愚かさは、このグループが動物としては明らかな失敗作であることを意味しているといえるだろう。

 ヒト科全体を批判するのがためらわれるとしても、明らかにホモ・サピエンスは成功したとは思われない。この二足歩行の動物は、どちらかといえば、化け物の類だ。五〇キロの身体に一四〇〇ccの脳をつなげてしまった哀しいモンスターなのである。

という人類観を述べている。これはこれで非常に説得力があるのだが、その後で
私が心から愛でておきたいのは、自分たちが失敗作であることに気づくような動物を生み出してしまうほど、身体の設計変更には、無限に近い可能性が秘められているということだ。
と結んでおり、決して悲観的なだけではないこともわかる。

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2006/07/13

柔らかな宇宙船が軌道上で無事に膨張

ライブドア・ニュース(7/13)の記事。米ラスベガスのホテル王、宇宙船の打ち上げに成功=ロシアのミサイル基地から

【ライブドア・ニュース 07月13日】- AP通信によると、米国のホテル王で、世界初の商業用宇宙ステーションの建設計画を進めているロバート・ビゲロー氏(62)の夢が一歩実現に近づいた。メロンの形をした予備実験の試作宇宙船「ジェネシスI」が12日午後6時53分(日本時間12日午後11時53分)、ロシアのミサイル基地から打ち上げられ、数分後に、高度515キロの地球の軌道上に乗った。今回の打ち上げは、同氏の構想による風船のように膨らませる方式の宇宙ステーションの実現可能性を確かめるのが目的となっている。

  打ち上げを引き受けたロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)によると、「ジェネシス I」はロシア南部ウラル山脈にあるドムバロ フスキー・ミサイル基地から打ち上げられ、打ち上げには、冷戦時代の弾道弾ミサイルを改造したロケットが使われた。

  ジェネシスIは重さが1260キロで、打ち上げ前の大きさは長さ4.2メートル、幅1.2メートルだが、打ち上げ後は軌道上で2倍の大きさに膨らむ仕組みになっている。宇宙船の中にはビゲロー氏のホテルの従業員の写真や研究者用の昆虫が収められており、12個のカメラが取り付けられ地球を撮影する。同宇宙船は少なくとも5年間、地球上を周回し、耐久性もテストするという。

  米ギャンブルの都ラスベガスに本拠を置くホテルチェーン「バジェット・スイート・オブ・アメリカ」の成功で財をなしたビゲロー氏は、宇宙ステーション計画に私財5億ドル(約580億円)を使うと宣言、これまでに7500万ドル(約86億円)を投入している。

  計画では、ソーセージをつなげたような風船形の宇宙ステーションの建設が2015年に完成し、ホテルや研究所、大学、娯楽施設などからなり、宇宙ビジネスへ一番乗りを果たそうというもの。しかし、ビゲロー氏は、11日、AP通信の電話取材に対し、打ち上げはあくまでも実験が目的なだけに、宇宙船に搭載した機器が故障する可能性は覚悟していると述べている。【了】

このニュースは、アメリカではGoogle Newsにあるように、かなり大きく報道されているようだ。しかし、日本では北朝鮮のミサイル騒動の影響でスペースシャトル関連のニュースもあまり報道されていない状況なので、ましてや同時期に打ち上げられたマイナーな宇宙船のニュースはほとんど見つからない。ここでは「メロンの形」と書かれているが、時事通信では「スイカ型」と書かれている。

この宇宙船はForbsなど経由のAP通信によると、

The watermelon-shaped Genesis I is a one-third scale prototype of the commercial space station to which the company eventually hopes to fly humans.

Unlike the rigid aluminum international space station, Genesis I consists of a flexible outer shell and is layered with tough material such as Kevlar, which is found in bulletproof police vests, to withstand flying space debris.

通常の金属製ではなく、ケブラーで保護されたソフトな材質でできているのが特徴だ。縮んだ状態でロケットに搭載し、宇宙空間で膨らませるということらしい。果たして宇宙環境での耐久性がどうなのだろうか? Genesis I は今後軌道上に留まり、宇宙線やデブリの影響を調べることになるようだ。

なかなか面白いアイデアだとは思うのだが、それにしても、空の宇宙船だけなら縮めたり膨らませたりもできるだろうけど、実際の宇宙ステーションとなると宇宙船内部の設備も沢山搭載することになるわけで、不要な空間を少しでも減らすということだろうけど、膨らませすことにどれだけメリットがあるのだろうか? BBC NEWSによると、実はこの "inflatable spacecraft"というアイデアや技術は NASA が過去に検討していてお蔵入りしたもので、今回の宇宙船はそのパテントなどを買い取って作られたものとのことだ。

このBigelow氏はアメリカのホテル王ということで、将来は宇宙空間にホテルなども作る夢を持っているようだ。さすがにこんな柔らかな材質の宇宙船に滞在するのは相当に怖いと思うのだが。。 ビゲロー・エアロスペース社のホームページはこちら。(この宇宙船や将来計画については、思ったほどの情報は得られない。)

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2006/07/08

ココログ30か月

ココログを始めて2年と6か月が経過。この1か月はほとんどまともに更新できなかったとはいえ、1か月当たりのカウンターの伸びは 18000弱とそれほど大きくは落ち込まなかった。

 1か月目:900     2か月目:4500    3か月目:11700    4か月目:19000
 5か月目:32300   6か月目:43500   7か月目:54500    8か月目:72000
 9か月目:87700   10か月目:105400  11か月目:125400  12か月目:140600
13か月目:163000  14か月目:179300  15か月目:194700  16か月目:205300
17か月目:216800  18か月目:231700  19か月目:251100  20か月目:276400
21か月目:301200  22か月目:326400  23か月目:351400  24か月目:372400
25か月目:398100  26か月目:419300  27か月目:436100  28か月目:452700
29か月目:474500  30か月目:492100

この1か月のアクセス解析結果は以下の通り。

(1)リンク元
 1位 http://www.google.co.jp 全体の41%(前回1位)
 2位 bookmark 全体の20%(前回3位)
 3位 http://www.google.com 全体の11%(前回4位)
 4位 http://search.yahoo.co.jp 全体の8%(前回2位)
 5位 http://search.goo.ne.jp 全体の3%(前回6位)
 6位 http://search.msn.co.jp 全体の3%(前回5位)

珍しく順位に変動があり、ヤフーが2位から4位へ。月間のvisit数で言えば、今年の初め頃までは10000以上あったのが今月はわずか1/10にまで落ち込んでいる。どうなってるんだろう? 代わりに blog-search.yahoo.co.jp 経由の訪問が徐々に増えてはいるようだが。

(2)検索キーワード
 1位 植物性乳酸菌(前回6位)
 2位 酸素水(前回1位)
 3位 注射針(前回4位)
 4位 過去の天気予報(前回12位)
 5位 ETBE(前回2位)
 6位 効果(前回5位)
 7位 マグナス風車(前回147位)
 8位 酸素(前回13位)
 9位 コスモプラント(前回15位)
10位 フラーレン(前回22位)
11位 献血(前回14位)
12位 アメリカ(前回3位)
13位 パスポート(前回圏外)
14位 天気予報(前回7位)
15位 トマト酢(前回202位)

植物性乳酸菌は、最近TVコマーシャルにかなり力を入れているようだし、その影響だろうか? 今月は比較的変動の少ない、安定した上位陣という感じだ。それにしても注射針がここのところコンスタントに上位に顔を出しているのだが、そんなに注射針のことを調べる人がいるのも面白いし、注射針でこのブログに来てしまうのにも驚かされる。

マグナス風車は最近何かニュースがあったのだろうか? 調べてみると6/18にasahi.comにこんな記事が載っていて、これの影響のようだ。

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2006/07/07

発病前に血液から異常プリオンの検出

news@nifty経由の共同ニュース(7/7)の記事。発病前に異常プリオン検出

 牛海綿状脳症(BSE)や人間のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を起こす異常プリオンタンパク質を、発病前の感染初期にハムスターの血液から検出することに成功したと、米テキサス大が7日付の米科学誌サイエンスに発表した。研究が進めば、BSE感染牛の早期発見につながる可能性がある。輸血や臓器移植によるCJDの拡大防止や治療の可能性を探るのにも役立つという。
vCJDは輸血によって感染するという話についてはこのブログでも 2004/9/24の献血経由のクロイツフェルト・ヤコブ病リスクや、2005/4/6の輸血血液が大幅不足で取り上げているが、現時点ではvCJDへの感染者の血液を異常と判定する検査法がないのが問題となっている。

現在は例えば1980年から1996年までの間に英国に1日以上滞在した人は献血をできないという措置を取っている。この対象者はそれほど多くないようなので何とかなっているけれど、もしもこれでアメリカで米国産牛肉起因のvCJD患者が出たり、あるいは万が一、海外に出たことのない日本人からvCJD患者が出たりしたら、献血できる人が大幅に減ってしまい大変なことになるだろう。

ということで、この研究成果は非常に注目に値するように思うのだが、残念ながら今のところ日本の大手新聞社は全く注目していないようだ。

サイエンス誌はアブストラクトが無料で読めるが、それがこの Presymptomatic Detection of Prions in Blood というもの。残念ながら、このアブストラクトでは具体的な研究内容は全然わからない。(補足資料には具体的な方法が掲載されている。)こういうときは欧米のニュースが役立つ。探してみたら、EurekAlert!BBC NEWSREUTERSなどが結構詳しい情報を掲載してくれている。EurekAlert!の記事を一部引用すると、

The scientists say that they detected prions--the infectious proteins responsible for such brain-destroying disorders as bovine spongiform encephalopathy (BSE) in cattle and vCJD in humans--in the blood of the hamsters in as few as 20 days after the animals had been infected. That discovery occurred about three months before the hamsters began showing clinical symptoms of the disease, the Science paper reports.

To detect the very small quantities of prions found in blood samples, UTMB professor Claudio Soto, assistant professor Joaquin Castilla and research assistant Paula Saa used a technique known as protein misfolding cyclic amplification (PMCA), invented by Soto's group, which greatly accelerates the process by which prions convert normal proteins to misshapen infectious forms.

"With this method, for the first time we have detected prions in what we call the silent phase of infection, which in humans can last up to 40 years," said Soto, senior author of the Science paper.

ということで、ハムスターの血液中の微量の異常プリオンをPMCAという方法を使用して検出可能レベルまで増幅させたようだ。そんなうまい方法があったとは知らなかったが、このPMCAという方法は、今回の研究グループのSoto教授が数年前に開発した方法で、既にSoto教授とテキサス大学のグループが Amprion という会社を作ってこのプリオン増幅検出法の商業化を進めているようだ。

面白いのは、ハムスターの血液から異常プリオンが検出できるのは限られた期間だけらしいこと。REUTERSの記事によると

The test may need to be used at precise times, they said. It worked best in hamsters 40 days after infection. It did not detect prions 80 days after infection.

Then at 114 days, after the hamsters started showing symptoms, the blood test again revealed prions. "It has been reported that large quantities of (infectious prions) appear in the brain only a few weeks before the onset of clinical signs," the researchers wrote.

とあり、他の記事では感染20日後から検出可能とあるので、20~80日までの間が検出可能で、114日後から再度検出可能となるということらしい。また、BBCにはちょっと気になる記述がある。
But he said there were stumbling blocks that needed to be overcome before a similar test could be used in humans.

"A brain extract from healthy hamsters was used to undertake the test. Until a substitute is found for human brain extract, we cannot have a diagnostic test that can be applied to human blood," he explained.

よくわからないが、今回の実験では健康なハムスターの脳組織が必要だったようで、ヒトに適用するにはこの問題を克服する必要があると書かれている。

PCMA法について調べてみると、日本生体防御学会のニュースレターにプリオン感染の制御という総説があり、その中に

スイスのSoto等はPCMA(protein misfolding cyclic amplification、異常折りたたみ蛋白反復増幅)法により、ハムスタープリオンの増幅増量化に成功した。試験管内でPrPSCを増幅させる方法で、云わば、プリオン版PCRという事になる。PrPSCを含む脳乳剤と正常脳乳剤を混合し、37℃のインキュベーションと超音波洗浄を1時間ごとに繰り返す。Soto等は、5サイクルをするだけで、PrPSCは約60倍となり、理論的には無限に増幅可能という。しかし問題は、この方法はハムスター脳においてのみ可能であり、マウス、ウシ、ヒトの脳乳剤を用いては成功していない。
とある。なおPrPSCは異常プリオン蛋白のこと。ということで、まだ越えるべきハードルがあるようだが、献血マニアとしては今後とも注目の技術だ。

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2006/07/03

岩塩ランプはロハス?

Fujisankei Business i の7/3の記事。岩塩ランプ、静かなブーム “呼吸”で空気浄化 癒やし効果も

 天然に結晶した岩塩の塊をくりぬき、その中に電球を組み込んだ「岩塩ランプ」が隠れたブームになっている。明かりを灯すと岩塩が“呼吸”し、室内の空気を浄化する効果もあるとされるマイナスイオンを発生することから、癒やしや健康と環境にやさしいLOHAS(ロハス)といった時流に乗った商品として注目を集めている。

 岩塩ランプは“世界の屋根”ヒマラヤのふもとの地下1500メートルから掘り出した天然岩塩の商品が主流で、主にインターネットを通じて売り出され、ジワリと人気が広がっている。 (中略)

 岩塩ランプがマイナスイオンを発生するメカニズムは、岩塩が持つ水分を吸収する性質を使って、いったん岩塩に取り込んだ水分を電球の熱で蒸発させ、この働きが循環する過程で水の分子に動きが生じ、マイナスイオンを発生する。

 岩塩ランプはこのほか、オレンジやホワイトといった結晶体そのものの天然の色彩を電球で浮き出すことによる癒やし効果(カラーヒーリング)もあるとされる。オレンジ色はリラクゼーション効果、ホワイトは集中力を増し、赤色は気力回復につながるといった具合で、インテリア性にも富んでいる。 (後略)

ということで、何だか怪しい記事が結構大きく載っている。いまどきマイナスイオンの発生を前面に押し出して売り出すというのもどうかと思うが、それをそのまま記事にする新聞社も、もう少し世の中の動向を勉強した方が良いのではなかろうか?(参考:疑似科学批評(マイナスイオンその他)マイナスイオン定点観測 by「市民のための環境学ガイド」など)

ここでは、岩塩が、塩(塩化ナトリウム)の持つ吸湿性により水分を吸収し、その水分がランプの発熱により蒸発する際にマイナスイオンを発生すると説明しているが、これって単なる蒸発とどこが異なるんだ? 「この過程で水の分子に動きが生じ」って言われても、わからないぞ。。 それにしても、マイナスイオンの発生メカニズムには、放電だとか水破砕とかいくつかあるけど、このメカニズム(?)は新しいものかもしれない。

こんなんでマイナスイオンが出るんだったら、岩塩のようなかたまりの代わりに表面積の大きくな微粉の塩を使い、効率的に吸湿と加熱のサイクルを回すような装置を作ったら、相当多量のマイナスイオンが出せそうだけど、これって単に水を蒸発させたり、洗濯物を乾燥させたりするのとどこが違うと言うのだろう??

「岩塩ランプ」で検索してみると確かに沢山見つかる。全然知らなかったが、岩塩は結構ミラクルな効果が期待されているようで、岩塩サウナなんてのもあるようだ。

ソルトクリスタルランプを見ると、ありがちな比較実験写真付きの説明が載っている。何故か韓国の研究機関の実験というのが興味深い。それにしても「数百年前の天然ヒマラヤ岩塩」から「ナチュラルなマイナスイオン」が発生するなんてすごいことがサラッと書いてある。ついにマイナスイオンもナチュラルじゃなくちゃいけなくなったのか!? もっともこちらの岩塩は何と2億5千万年前のものらしいし、古い方が「良いマイナスイオン」が出るというような実質的な価値があるのだろうか??

また、このランプは数年前からマスコミで紹介されているらしいのだが、最近でもフジテレビ、産経新聞、主婦の友社、ソトコトなどが取り上げているようで、今回のFuji Sankei Business iを加えて、どうもフジサンケイグループが目立つ。「静かなブーム」って書いてあるけど、実はマッチポンプじゃないの? それと、例の「ソトコト」が出てくるのが面白いところ。「ソトコト」については、kikulogで取り上げられたように、「水からの伝言」を肯定的に紹介したり、関連雑誌の「チビコト」が環境省の環境ホルモン幕引き宣言に使われて、その後問題になったりと何かと話題の多い雑誌である。

ロハスの誤解 by「市民のための環境学ガイド」でも指摘されているように、本来はどちらかといえば科学的な概念だったLOHASが、何だか薄っぺらなイメージに変わってしまっていて、それを推進しているのが「ソトコト」という構図のようだ。そういう意味では、この岩塩ランプが「ソトコト」に取り上げられるのも何となく納得できるのだが、ロハスがトンデモの住処になってしまいそうで悲しいものがある。

まあ、ほんのりとした暖かなオレンジ色の光がリラックスに効果がある、というだけの話なら何も問題はないし、ヒマラヤから持ってきた岩塩を原料にしていることに価値を見出すこともありだと思うし、結晶好きなのでそれらしい奴を一個ぐらい持っていてもいいと思うんだけど、やっぱりナチュラルマイナスイオンという説明は駄目駄目だろう。。

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2006/07/01

2006年6月の天気予報傾向

6月はしばらくアメリカに行っていたものの、パソコンを持っていって向こうでデータ収集を続けたことにより、東京地方の過去の天気予報 の更新も順調に継続できた。6月のトータルデータの集計作業も終え、アップデートを行った。

梅雨らしい天候だったようだが、実際に1mm以上の降水が観測されたのは8日間。5月は13日間もあったのと比べると意外と少ない。そのためか、6月の天気予報でちょっと目立つのは、降水確率の適中率の悪さである。特に高い降水確率を出しておきながらの空振りのケースが目立つ。

また、もうひとつの特徴が気温の偏差ヒストグラム。最低気温の予報値と実績値の偏差の分布が非常にシャープであり、いわゆるRMSE(二乗平均平方根誤差)がかなり小さい。特に前日と2日前の最低気温予報のRMSEは0.80と0.98だったが、今まで集計した中ではRMSEが1を下回ったのは初めてのことである。

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