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2006/08/31

東京高裁が化学物質過敏症を認定?

YAHOO!ニュース経由の時事通信の記事(8/31)。ヨーカ堂に550万円賠償命令=商品ストーブから化学物質-東京高裁

 電気ストーブから発生した化学物質で化学物質過敏症になったとして、東京都内の男子学生(22)と両親が、ストーブを販売したイトーヨーカ堂(東京都)を相手に1億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は31日、請求を棄却した1審東京地裁判決を取り消し、約550万円の支払いを命じた。

 原告代理人の弁護士によると、家電製品から発生した化学物質をめぐる損害賠償命令は異例。メーカーでなく、販売店に賠償を命じた判決も珍しいという。

 横山匡輝裁判長は、ストーブ前面の網目カバーの塗装が高温で熱せられ、有害な化学物質「ホルムアルデヒド」などが発生したとして、学生の慢性的な過敏症状との因果関係を認定した。3月の1審判決は症状との関係を否定していた。

まだ、速報レベルで情報が不十分なので、メモだけに留めるが、何とも問題のありそうな判決が出てしまったような気がする。

化学物質過敏症という名前の病気が存在するのかどうか自体がかなり怪しい状況であることについては、以前「化学物質過敏症」最新情報室内空気質健康影響研究会などで書いた。ちまたの報道などではシックハウス症候群と化学物質過敏症を混同しているケースが多いようだが、比較的因果関係が特定できていると思われるシックハウス症候群とは異なり、化学物質過敏症というのはかなり正体不明で、曖昧模糊としており、例えばNATROMの日記で紹介されているような例もあるのだ。

さて、今回の訴訟だが、現時点ではNHKニュースが詳しい。

裁判になっていたのは、台湾のメーカーが製造して平成12年9月から全国で輸入・販売された「ユーパTSKー5302」という電気ストーブです。裁判は、このストーブを平成13年1月に購入した東京都内の男子高校生が起こしていました。男子高校生は、ストーブを使っていたら手足のしびれや呼吸困難などの症状が出たうえ、使うのをやめたあとも、身の回りにあるごく少ない化学物質で体調を崩す「化学物質過敏症」になったと主張して、ストーブを販売したイトーヨーカ堂に損害賠償を求めていました。

このため、裁判の中で専門の調査機関が調べたところ、塗料が塗ってあるストーブのカバーが高温になってホルムアルデヒドなどの化学物質が発生することがわかったということです。これを受けて東京高等裁判所は31日の判決で、「加熱したストーブから発生した化学物質には、有害なものが多く含まれている。このストーブが化学物質に過敏に反応する男子高校生の症状を引き起こしたのはまちがいない」と指摘しました。そのうえで、イトーヨーカ堂に対して、「平成12年の末には異臭がするなどといった消費者からの問い合わせを受けていたのだから、販売を中止するなどの措置を取るべきだった」と指摘して、550万円余りの損害賠償を命じました。

同じ型の電気ストーブは平成12年9月から平成15年3月までに全国で29万台余りが販売されました。このうちイトーヨーカ堂では、平成13年の4月ごろまでに5341台を販売したということで、イトーヨーカ堂は「判決内容を確認したうえで、上告する方向で検討します」というコメントを出しました。イトーヨーカ堂では「販売したストーブから化学物質が発生したとは考えていない」として、これまでに販売したストーブの回収などは考えていないということです。

「化学物質過敏症」という病気そのものの存在や定義について議論が多くあるのにも関わらず、「加熱したストーブから発生した化学物質には、有害なものが多く含まれている。このストーブが化学物質に過敏に反応する男子高校生の症状を引き起こしたのはまちがいない」と断定できるところがすごい。手足のしびれや呼吸困難などの激しい症状が出るほどのホルムアルデヒドってどの程度の濃度なのだろう? 

この判決が確定すると「化学物質過敏症」という病気の存在や、その原因を公式に認めたってことになるのだろうか? 単に、出来の悪い電気ストーブから使用中に高濃度のホルムアルデヒドが発生し、それによって有機溶剤中毒になったという判断なら良かったのだろうけど。。 判決を見ないとわからないが、もしかすると、原告は「化学物質過敏症」になったと訴えているが、判決はストーブが原因で健康被害が発生したという因果関係を認めているだけで「化学物質過敏症」と認定したわけではないかもしれない。。

そういえば、化学物質過敏症の対策として燃焼ガスやススが出ないので電気ストーブを勧めているケースが多いのだが、その意味では今回の結果は皮肉というか、実際にホルムアルデヒドが出ていたとすると、そういう理由で電気ストーブを選ぶ人にとっては大問題である。もっとも、電気ストーブからは電磁波が出るので危ないと言っているところもあるようだが。。

この訴訟については、3月に東京地裁で請求棄却となっているようだが、それに関する情報などは化学物質問題市民研究会のサイトを調べてみたが見つからなかった。 今後、周辺情報に注目しておこう。

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2006/08/29

ハイブリッド式クレーン

日経BPのニュース(8/28)から。日本郵船、国内初のハイブリッド式トランスファーファークレーン実用実験

日本郵船は、産業機械メーカーのTCMが開発した国内初のハイブリッド式トランスファークレーンの実用実験を同社の東京コンテナターミナルで実施すると発表した。

ハイブリッド式トランスファークレーンは、つり上げたコンテナを下ろす際に発生するエネルギーを蓄電装置に蓄積して再利用するもの。燃料消費量や二酸化炭素排出量を約40%低減できる。また、エンジンと発電機が小型化されており、騒音も低減できる。

実験では、操縦性能や走行性能などを検証。今年9月中旬から12カ月間行う予定。(日経エコロジー)

というもの。トランスファークレーンとはどんなものかというと日本郵船のニュースリリースに写真と解説が載っているが、コンテナターミナルのヤード内でコンテナの積み降ろしをする機械で、ディーゼルエンジンで発電した電力を使用して移動と積み降ろしを行うらしい。

考えてみると、クレーンなどによる荷物の積み降ろし作業というのは、荷物を低い所から高い所へ持上げる場合でも、必ず最高地点から目的場所へ降ろす工程を含むわけで、その際の位置エネルギーを回収しようというアイデアは実に合理的な考え方だ。まして、荷物を高い所に持上げる作業があれば、逆に低い所に降ろす作業もあるわけで、それを考えると今まで誰も実用化していなかったのが不思議という感じもする。

この機器を開発したTCMという会社は知らなかったが、ニュースリリースによると、クレーンの巻き下げ時のエネルギーを電気二重層コンデンサに蓄電し、これをクレーンの巻き上げ時に利用するという方式とのこと。

もしも、トータルの巻き上げ仕事量と巻き下げ仕事量が同じだと仮定して、ロスがなければ、エネルギー使用量はゼロになってしまうわけだけど、実際に40%も省エネルギーとなるとは中々の高性能と言えそうだ。

トランスファークレーンの場合には、どうやら元々電気モーターでクレーンを駆動し、その電気をディーゼルエンジンで発電するという方式のようなので、比較的容易にエネルギー回収が可能だったのかもしれない。一方、一般のクレーン車などでは巻き上げ作業も直接エンジンで行っているような気がするので、ハイブリッド化のハードルは高そうだ。その場合、エンジンとモーターをどのように組合せるか、というシステム設計がキーになりそうだが、いずれにしても今後は様々な重機分野にもハイブリッドシステムが導入されていくのではなかろうか。

ちなみに、ハイブリッドエンジンの応用としては、米海兵隊のハイブリッドエンジン車なんてのも見つかる。これは、危険地域では熱と音を発生するエンジンを使用しないで走れるとか、ハイブリッドエンジンを発電機として利用できるというような理由で採用されたようだ。

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2006/08/28

「算数の発想」

帯には大きく「柔らか頭のつくり方!」とあり、扉にも

旅人算につるカメ算、仕事算に植木算、集合算………
日常に根ざした素朴な感覚を重視する算数には、方程式や記号をあやつる数学からは決して出てこない、世界の本質を直感的につかむためのアイディアがつまっている。
その発想を身につければ、自然界のミクロなかたちから宇宙の膨張する姿までが見え、経済成長のしくみから平成不況の原因までが理解できる。
基本から中学入試問題までを例に、算数の発想の豊かな広がりを示すスリリングな一冊!
と書かれている。著者の本は以前「確率的発想法」を読んでいるが、比較的好印象だったのでこの本も読んでみた。

NHK BOOKS 1060
 算数の発想 人間関係から宇宙の謎まで
 小島 寛之 著 bk1amazon

つるカメ算や植木算などは小学校時代に確かに使った記憶があるけれど、一般的な1次方程式の解法を知った後には、敢えて個別の○○算の解法を使う機会もないのが普通だろう。本書では、そういった数学の一般的な解法とは別に、算数の個別的な解法に敢えて焦点を当てる。○○算の算数的な解法の底に流れるものの見方を深く掘り進めていくと、実は結構深遠な世界に通じるのだよ、というわけだ。

第1章は「旅人算」の相対的なものの見方の延長上に、ドップラー効果、ハッブルの法則、相対性といった考えがあり、最新の宇宙論にも通じるものがあると展開する。(旅人算とは、一人が家を出た後から、もう一人がより速いスピードで追いかけて、いつどこで追いつくか?というような問題。)

第2章は「ガウス算」のグラフをさかさまにして足すような発想法を発展させて、リスクヘッジ、市場取引の理論(ワルラスの定理)、ピグーの外部不経済の話、公害解決のための税制度、などの経済理論を解説する。(ガウス算とは、1から100までの合計を求めるような問題で、上下さかさまにした2つの棒グラフを使うことで簡単に合計を求めることができる。)

第3章では「相似図形」からフラクタルへと展開し、フラクタルの実例、フラクタル次元などがわかりやすく説明されている。

第4章は「仕事算」と「ニュートン算」から経済成長モデルへと展開し、さらに少子化の場合の経済成長の考え方へと続く。(仕事算とは、Aさんが一人で部屋を片付けるとX分、AさんとBさんの二人でやるとY分掛かるとき、Bさん一人では何分かかるか?のような問題。 ニュートン算とは、開館前にX人の行列ができていて、さらに毎分Y人ずつ客が来るときに、入口が1つだと行列がZ分でなくなるとすると、入口が2つだと何分で行列がなくなりますか?のような問題。)

第5章では「数え上げ」から順列・組合せ、エントロピー、自己組織化、そして格差社会へと話が展開する。

第6章は「集合算」から包除原理、メビウスの反転公式、オイラー関数へと展開し、相乗りタクシー料金の支払い分担計算の話を経て、協力ゲーム、シャプレー値、議会における政党のパワーへと続いていく。

まあ、最新の数学やそれを応用した、物理学、経済学、あるいは政治学などにも、算数の発想法が生きている、というストーリーなのだが、何だかこじつけという感じのするものもあるし、残念ながら、算数の発想の重要性に思わず目からウロコが落ちる、というような驚きはなかった。とはいうものの、個々の話やその展開はなかなか興味深いし、説明も相当に丁寧でわかりやすい。

ただ、読者の僕が理科系ということもあるのか、第1章、第3章および第5章については比較的わかりやすく、フムフムと興味を持って読み進められたのだが、残りの第2章、第4章、および第6章はどちらかというと社会科学系の応用分野ということもあり、なかなか手強かったようだ。特に最後の第6章で取り扱っている数学やその応用は、相当に高度なレベルと思われ、とても気軽には読めず、真剣に頭を使ってみたものの、それでも今ひとつすっきりとした理解には到達しなかったようだ。

著者は、序章で

算数の発想は、日常生活や人間関係や人生の経験のなかからやってくるさまざまなものの見方を集積したものである。だから逆に、算数の素朴なものの見方、プリミティブなアイデアを知ることは、人生に潤いをもたらすだろう。数学の持つ「普遍的な操作性」は、思考や時間の節約という「効率性」、あるいは考え落としや飛躍のない「厳密性」を与えるものかもしれないが、世のなかを眺める楽しみを育むのは、むしろ算数の「個別的な思考」のほうだといっていい。(p. 23)
と書いている。長年数学に関わり続けてきた著者にとっても、このような算数的な発想法の重要性に気付いたのは最近のことだったようだから、我々が著者と同じ境地に到達するのは無理があるのかもしれない。。

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2006/08/25

プラチナスチーム美顔器?

asahi.comの記事(8/24)から。顔の手入れはプラチナの湯気で 松下がスチーム美顔器

 顔のお手入れはナノサイズのプラチナ(白金)で――。松下電器産業は24日、プラチナの微粒子を蒸気と一緒に噴き出すスチーム美顔器を10月から発売すると発表した。

 抗酸化作用があるとされるプラチナが市販の化粧品に配合されていることに着目。プラチナの延べ棒に5キロボルトの高電圧を当て、直径1~5ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の微粒子にして、湯気とともに放出する仕組みを開発した。

 主なターゲットは肌年齢が気になりだす25~34歳の女性。市場での税込み想定価格は2万円前後。

うーむ。。 これって単なる新製品の紹介記事のように見えるのだが、何故「サイエンス」のカテゴリーに分類されているのだろう? 科学部のちゃんとしたチェックが入っているとは思えないのだが。。 それにしても「プラチナの延べ棒」なんて書いてあるけど、結構リーズナブルなお値段のようだし、一体どんな大きさの「延べ棒」なんだか。。 直感的には、白金のナノ粒子を顔面に吹き付けて安全性の面で大丈夫か? と思うけど、効果の方だってどんなもんなのだか心配だ。

「抗酸化作用のあるとされるプラチナ」と言えば、このブログでも一昨年にナノコロイド白金入りガムという記事を書いている。改めて東大の宮本教授が関わっている株式会社シーテックを見てみたが、白金ナノコロイドの効果や安全性についての具体的なデータは見当たらないようだ。

ネットを調べてみると、予想通り白金のミラクルな効果を唄った宣伝が色々と見つかる。白金ナノコロイドシャンプーの説明では、「白金ナノコロイドの優れた点は、体内にある11種類すべての活性酸素を取り除く」なんて書いてあるし、プラチナローラーはナノ粒子ではないけど、「プラチナはマイナスイオン伝導率が高い」という素敵な宣伝文句が載っている。。 言いだしっぺの先生には、白金のナノ粒子について何がわかっていて、何がわかっていないのかをはっきりと皆に伝える責任がありそうな気がするけどなあ。。

さて、松下のニュースリリースを見てみると、家電メーカーお得意の新用語が出てきて、何となくクラクラしてくる。。 そもそも商品名には「イオンスチーマー」とあるけど、このイオンというのは何なのだろう、と思いきや、イメージ図によると水の微粒子(?)を「イオンスチーム」と呼ぶようだ。 「プラチナナノ微粒子」というのも、ナノと微をダブらせるのは無駄だから「白金ナノ粒子」でいいだろうと思うが、それよりも「プラチナスチーム」ってのに驚かされた。。 英語でplatinum steam と書けば、白金蒸気のことだと誤解されるだろうと思うし、こういう意味不明のカタカナ用語を使うことで実態が見えなくなってしまう効果がありそうだ。

ちなみに、水蒸気放出に加えて放電と来れば、数年前なら松下的には「マイナスイオン」が多量に出ていても良さそうだが、何故かマイナスイオンは出てこない。さすがに松下も反省したのかと思いきや、ナノイーイオンの説明ではマイナスイオンより優れているなんて宣伝しているから、この商品では本当に(?)マイナスイオンもナノイーイオンも出ていないのかも知れない。。

このリリースには実証データとして、10名の女性が実際に8週間使用した際の、皮膚の吸引高さのグラフが掲載されている。しかし、白金ナノ粒子の放出機能を持たない、従来型のスチーム式美顔器も、それなりの美顔効果を唄っているのだから、白金の効果を示すためには少なくともこの装置と比較する必要があるだろう。そもそも、宮本教授の白金ナノコロイドと松下の開発したプラチナスチームは同等のものかどうかも怪しいし。。

一方、安全性についてはこのリリースや製品紹介、あるいはFAQなども見てみたが、白金ナノ粒子を吸引しても安全なのかどうかについては一切載っていないようだ。 アスベストについてはこれだけ神経質に反応するくせして、白金の微粒子を顔面に噴霧するような装置の安全性にまるで無頓着、という感覚はちょっと不思議だ。。 

そういえば、使用するとともに白金電極が減ってきそうなものだけど、その辺の記述も見当たらないし、プラチナスチーム中にはどの程度の量の白金が含まれるのかに関する記述も何故か全く見つからなかった。本当にどの程度の白金粒子が飛び出しているんだろう?

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2006/08/23

GPS付きスピードメーター

久しぶりにFujiSankei Business iで見つけた新製品。 カシオ計算機 GPS付きスピードメーター発売

カシオ計算機は、GPS(衛星利用測位システム)電波受信機能を内蔵し、ランニング中に走行距離、速度、ペースをリアルタイムで表示する腕時計型スピードメーター「GPR-100」を9月30日に発売する。

 重さ64グラムとGPS利用機器としては世界最小、最軽量となる。ペース配分を意識したランニングが行えるので、長距離走やマラソンのトレーニングに使える。価格は5万6700円。当初月産個数は3000個。

ということで、タイトルを見たときには、何用のスピードメータかと思ったけど、まさか人間用のスピードメーターだったとは、ちょっと驚き。カシオのリリースを見ると、このスピードメーターはかなりの優れもののようだ。

ランニング中の走行距離、速度などの情報の表示はもちろん、GPS衛星からの時刻情報を受けているため、世界中どこでも常に正確な時刻を表示できるようだし、あらかじめセットした地点と現在地との距離や方角を表示もできる。まあ、GPSなんだからそのくらいできて当然といえば当然だが、腕時計もついにそんな機能を持つようになったのか、という感じ。重量は約64gということで通常の腕時計と比べても特に重くはない。これなら電波腕時計よりよっぽど便利じゃないのと思いきや、決定的な弱点として電気を食うという問題があるようだ。

このスピードメーターはリチウム2次電池を搭載していて、電池持続時間はノーマルモードで約2時間、ローパワーモードでも約4.3時間とのこと。これでは、ちょっと長いジョギングをしているとすぐに電池切れになってしまう。普通に走るときには周囲に充電可能箇所はなかなかなさそうだし、使い方はかなり限定されるような気もする。。 さすがにもう少し長時間動いて欲しいものだ。

また、以前毎日のようにジョギングし、時々長距離を走っていた経験から考えると、普段走るコースの距離は大体把握しているものだし、時々時計を見て現在の速度などを走りながら計算するのも結構時間つぶしになったり、色々と考えるのも楽しいものだ。また、時々刻々の速度がわかるというのも楽しいような、逆にいろいろとプレッシャーになるような感じもするし、それに値段も値段だし、結局どんな人が買うんだろうな? 

ところで、今やGPSは携帯電話にも搭載されたりしているわけで、探してみるとinside out(hirax.net)では携帯電話のGPSを使ってしっかりとスピードメーターを実現しちゃっている。

また、自動車用のGPSスピードメーターなんてものもあることがわかった。車にはスピードメーターが最初から搭載されているのに今さらどうして?と思うのだが、誤差が非常に小さいことに存在意義があるようだ。業務用のGPS式車速計などの場合、距離精度±4cm、速度精度±0.1km/hrと、非常に高い精度が実現できているようだが、GPSだけでそんな精度が出るのだろうか?

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2006/08/17

ビスフェノールAの脳への影響

YOMIURI ONLINE(関西発)で見つけた記事(8/17)。環境ホルモン「ビスフェノールA」 大脳発達に影響

マウスで実験、京都府立医大

 妊娠中のマウスに環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の一種「ビスフェノールA」を摂取させ続けると、脳の大脳皮質の形成に影響が出ることを、京都府立医科大の伏木信次教授らの研究グループが突き止め、16日、発表した。大脳の発達に触れた報告例は世界で初めてといい、米国の神経科学専門誌の電子版に掲載された。

 伏木教授は「マウスの子供の脳の発達や行動の解析を続け、人の発達障害との関連も明らかにしたい」としている。

 実験では妊娠したマウスに、摂取しても影響がないとされる微量の「ビスフェノールA」を連日投与し、10~18日後に胎児を調べた結果、大脳皮質の神経細胞の分化などの速度に異常が確認された。さらに神経細胞をつくる8種類の遺伝子のうち、甲状腺ホルモンにかかわる3種類の働きに変化が目立っていた。甲状腺ホルモンに異常が出ると、発達障害につながる恐れがあるという。

 ビスフェノールAはプラスチック製品の原料で、これまでも専門家からは生殖器系への影響が指摘されている。ほ乳ビンや学校給食用の容器にも使われ、利用中止が相次いだ。

京都府立医大の研究成果ということで、関西版には掲載されているものの、東京版には載っていない。しかし、ビスフェノールAの人体への影響(いわゆる環境ホルモン作用)については既に白という結論が出てたと思うのだが、それを覆す研究ということだろうか? この記事では投与量や投与の方法が具体的に書かれていないし、脳の形成に影響が出たというものの、具体的にはどの程度深刻な影響なのかがよくわからない。調べてみると、京都新聞電子版が詳しい記事を載せている。これによると
 伏木教授らは、マウスに体重1キログラム換算で20マイクログラムのビスフェノールAを妊娠初期から毎日、皮下注射した。すると、注射していないマウスに比べ、思考や記憶をつかさどる大脳皮質をつくるのに重要な時期である妊娠10日から17日目にかけ、胎児の神経細胞が早く分化、移動した。「分化のタイミングが外れると神経ネットワークがうまくできなくなる」という。(中略)

 ビスフェノールAの1日許容摂取量はヒトの場合、体重1キログラムあたり50マイクログラムとされる。また、業界団体のホームページによると、実際に食事などで1日に摂取する最大量は体重1キログラムあたり0・076マイクログラムという。

 伏木教授は「今回はあくまでマウスの実験だが、近年増えつつあるヒトのADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害の原因の一つが、ビスフェノールAである可能性が示唆される」と話す。研究成果は米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・リサーチ(電子版)に掲載した。

ウーム。。 この研究ではビスフェノールAを直接皮下注射している。許容摂取量の40%とはいえ、経口摂取ではなく、直接皮下注射しているというところがポイントとなりそうな気がするな。。 それにしても、この実験結果から、ビスフェノールAがADHDなどの原因の可能性が示唆されるというコメントはどうだろう? 「可能性」とさえ言っとけば許されると思っているんだろうけど、ちょっと軽率じゃなかろうか? なお、ビスフェノールAがADHDの原因かも知れないという仮説については、こんな研究こんな研究があるけれど、日常生活で人が摂取する量が本当にこれらの原因となりうることを検証するのは相当に大変そうだ。

一方、asahi.com 関西でも取り上げられているが、こちらは

 ビスフェノールAについて、環境省の検討会は04年、ラットの実験から人体には悪影響は認められないと結論づけている。

 今回の研究結果について、同省環境安全課は「検討会の実験は、いずれも経口投与によるもので、実際の環境に近い。連日の皮下投与が自然にあり得る状態なのか、検討される必要がある」としている。

という具合に、かなり慎重に取り扱っており、珍しく(?)朝日新聞が一番まともな記事となっているようだ。

なお、昨日はスチレントリマーの環境ホルモン作用についての記事も報道されていたが、

 スチレントリマーについて旧通産省の審議会が2000年に「内分泌かく乱作用がある証拠は見いだせず、特別な対応を取る必要はない」と結論。旧環境庁も「作用を否定する報告がほとんど」としてリスク評価の対象から外しており、今後、これらの見直しを求める声も出る可能性がある。

 グループは妊娠中のラットにスチレントリマーを7日間投与。生まれた雄ラットを調べたところ、1日体重キロ当たり10マイクログラム(1マイクロは100万分の1)で、生後約100日後の脳や精巣の重量が、投与しない場合に比べて目立って減少していた。

とあり、こちらも記事からは投与方法が不明だし、投与量が通常の摂取量とどういう関係にあるかにも触れられていない点で、中途半端であり、昔ながらの煽り記事と何ら変わるところがない。

この記事では、旧通産省とか旧環境庁というのも気になったのだが、省庁再編は2001年1月で、スチレントリマーがSPEED'98のリストからはずれたのが2000年7月ということで、この記述は正しいようだ。

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2006/08/10

気象衛星ひまわりの食とは?

気象庁のサイトで、ひまわり6号の秋季食期間中の観測について、というリリースを見つけた。最近はあまり聞かないが、昔は放送衛星が食の影響で放送を停止するなんてことがあったような気がする。調べてみるとWikipediaに解説が載っていた。なるほど、1997年までは食の影響による放送休止時間があったけど、今はなくなっているようだ。電池性能の向上だろうか? 

人工衛星の場合、食とは衛星自身が地球の影に入って太陽の光が当たらなくなる現象で、静止衛星の場合には秋分および春分の前後に起こる。静止衛星は地上が夜の時にはいつでも地球の影にあるのかと思いきや、そんなことはないようだ。

超大雑把に計算してみると、地球の半径が約6400km、静止衛星の高度が地上約35800kmということで、静止衛星から見ると地球は視半径が 8.6度程度となるようだ。太陽は約1/4年(例えば春分から夏至まで)で23.5度傾くので、静止衛星に太陽光が当たらない時間帯が出現するのは、春分および秋分の前後それぞれ 33日間(90×8.6÷23.5)ずつぐらいとなるだろうか。(年間では132日となりそれなりに多いといえば多い)

さて、そんな基礎知識をもとに気象庁のリリースを見ると、

 春分及び秋分を中心とした期間には、ひまわり6号、地球及び太陽が同一平面上(赤道面上)に並び、この期間の真夜中前後には、衛星から地球を見た視線の先に太陽が入ることから、太陽光がイメージャに直接入射することを避けるため、昨年6月のひまわり6号の運用開始以後これまで2回の食期間(昨年秋及び今年春)では、太陽光の入射が予測される時間帯の観測・画像の配信を中止していました。

 今般、太陽光の入射が予測される範囲を除いて観測することにより、イメージャ本体及び画像の品質への影響が回避できることが確認できたことから、今年秋の食期間(8月16日~10月27日)から観測中止回数を少なくすべく以下の方法により観測を実施します。

 これにより、観測中止の回数は、昨年秋の300回あまりから40回程度に減少します。

とある。なるほど、今のひまわりの場合、食の影響は太陽電池がどうこうではなく、太陽が地球の向こう側にあるために、太陽自身が撮影視野内に入ってくるという問題のようだ。ということで、この問題は「食の影響」そのものではなく、太陽と地球と衛星との位置関係の問題ということになる。

太陽を中心とした視野角5度以内は観測しないという条件で計算すると、別紙に掲載されているようなスケジュールで撮影に影響が出るということらしい。この別紙のイメージ図はわかりやすい。ひまわりから見て、地球と太陽の位置関係がどうなると観測できないのかが一目瞭然である。

例えば秋分の日の場合、真夜中前後は太陽が完全に地球の向こうに隠れてくれるが、むしろ真夜中よりも1~2時間ずれ時刻だと太陽が地球のはじに顔を出すので問題となるだろうし、秋分から1か月程度ずれた時期には逆に真夜中近辺だけが問題となりそうだ。このスケジュール表を改めて見てみると、この予測と大体合っていると言えなくもないのだが、細かく見ると、何故か秋分の日の24時を中心とした対称形になっていなかったり、太陽からの視野角5度を加味すると影響を受ける期間がもっと長期になっても良さそうだ、など説明できない点も多い。。 どうやらもう少しきちんと計算しないと駄目みたいだ。

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2006/08/07

ココログ31か月

ココログを始めて2年と7か月が経過。1か月当たりのカウンターの伸びは 18000程度と先月とほぼ同じレベルであった。ともかくも、カウンターが50万を越えたというのはめでたいことだ。こんな数字はブログを書き始めた当時には到底思いも付かない数字であった(それが証拠にカウンターは6桁にしてある)。

 1か月目:900     2か月目:4500    3か月目:11700    4か月目:19000
 5か月目:32300   6か月目:43500   7か月目:54500    8か月目:72000
 9か月目:87700   10か月目:105400  11か月目:125400  12か月目:140600
13か月目:163000  14か月目:179300  15か月目:194700  16か月目:205300
17か月目:216800  18か月目:231700  19か月目:251100  20か月目:276400
21か月目:301200  22か月目:326400  23か月目:351400  24か月目:372400
25か月目:398100  26か月目:419300  27か月目:436100  28か月目:452700
29か月目:474500  30か月目:492100  31か月目:510100

ここ数か月の訪問パターンを見てみると、1回目の訪問の方が全体の75%程度。残りの25%の方々は、何らかの形で複数回訪れてくれているわけで、中にはほぼ毎日のように定期的に見に来ていただいている方もいらっしゃる。これは、本当にありがたいことだし、とても励みになる (と書きながら、最近さぼり気味なのだが。。)

この1か月のアクセス解析結果は以下の通り。

(1)リンク元
 1位 http://www.google.co.jp 全体の35%(前回1位)
 2位 bookmark 全体の19%(前回3位)
 3位 http://search.yahoo.co.jp 全体の10%(前回4位)
 4位 http://www.google.com 全体の9%(前回3位)
 5位 http://www.pluto.dti.ne.jp/~rinou/ 全体の7%(初登場)
 6位 http://search.goo.ne.jp 全体の2%(前回5位)
 7位 http://search.msn.co.jp 全体の2%(前回6位)

4位に入ったのは、全然知らなかったのだが、RinRin王国というサイトで、8/2の記事に酸素水のエントリーが1行紹介されただけで数日間で1000件近いアクセスがあった。

(2)検索キーワード
 1位 植物性乳酸菌(前回1位)
 2位 過去の天気予報(前回4位)
 3位 乳酸(前回50位)
 4位 注射針(前回3位)
 5位 トマト酢(前回15位)
 6位 コスモプラント(前回9位)
 7位 効果(前回6位)
 8位 ETBE(前回5位)
 9位 酸素水(前回2位)
10位 天気予報(前回14位)
11位 2006(前回31位)
12位 アメリカ(前回12位)
13位 献血(前回11位)
14位 自転車(前回54位)
15位 スーパーバルブ(前回圏外)

珍しくほとんど大きな変動のないランキングとなったのだが、それにしても植物性乳酸菌強し。トマト酢もなかなか健闘しているし、酸素水も含めて健康系の人気が窺い知れる。

番外編だが、「ジリコニウム」という検索ワードが8件もあるのにはびっくりした。本気でジリコニウムを探しているのか、それともどんな奴が間違っているのかを見に来たのか興味のあるところだが、Googleで検索すると、何とこのサイトがトップだ。。。 ちょっと見ると、結構まともなサイトでも間違って使っている人がいるようだ。 ここなんか、go.jpドメインなのにねえ。

ちなみに、元素名の間違いで多いのは Nd と Pr だろう。 前者はネオジムが正しいが、英語名がNeodymiumなのもあってネオジミウムとかネオジウムという間違いが多い。後者もプラセオジムが正しい。英語名はPraseodymiumで、やはりプラセオジウムとかプラセオジミウムと間違われる。

そう言えば、英語名と日本語名が異なることでややこしいという点では、Cr(クロム/Chromium)、Ti(チタン/Titanium)、Nb(ニオブ/Niobium)などのように英語名の語尾の"-ium"が日本語名ではカットされているケースがあって、クロミウムやチタニウムなんて言葉は良く見るが、やっぱり間違いだろう。逆に Al(アルミニウム/Aluminium)、Zr(ジルコニウム/Zirconium)などは、アルミとかジルコンなどと使われていまうことも多いようだ。なお、この手の混乱の元はというと、ドイツ語名と英語名の違いをそのまま反映しているようだ。

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2006/08/03

エアロソアラ、遊び始めたらすぐに大破!

先週末に近所のコンビニでエアロソアラをゲット。これは、発泡スチロール製の超計量ボディに超小型バッテリーと超小型モーターを搭載した室内専用計量飛行機で、付属の赤外線リモコンで数十秒間の室内飛行が楽しめるというもの。もともとは、今年の初めに発売予定だったものが、仕様変更や会社の合併などがあって発売が遅れ、7/15に発売になったばかり。

実物を手に取ると、ともかくその軽さに驚く。この重量でバッテリーとモーターやプロペラ、さらには赤外線の受信や制御回路が搭載されているというのは、本当に感動モノだ。値段も税込み2625円と手頃なこともあり、特にマニアの方々にはかなり注目されているようだ。ITmedia+D LifeStyleなどで紹介されている他、多くのブログで飛行成功レポート改造レポートなどが報告されている。

使われているモーターは携帯電話のバイブレーション用のもので、ラダーはコイルと磁石の組合せとなっている。よくもこんなに小型軽量でこんな動きを作り出せるものだ。。 電源については、あちこちにバッテリーと書いてあったが、この分解写真によるとコンデンサを使用しているというのが正解らしい。

入手したのは、タトアージュレッド、という色で、ちょっと見には翼はまるでエビせんべいのようである。この飛行機、この手のラジコン飛行機などを操縦するのが初めての身にはなかなか取扱いが難しい。しかも6畳間にあれこれ物が置いてある部屋ぐらいしか遊べる場所がないので、最初はただただ壁に激突するばかり。

さすがに何度か練習しているうちに多少はコントロールできるようになってきた。しかし、最初はフルパワーだが飛行と共にどんどんパワーが低下していき、それと共に飛行挙動が変化するため、やはり満充電状態で飛ばし始めて、できるだけ落とさずに連続旋回飛行をさせることが肝心のようだ。

このエアロソアラは自分自身が非常に計量で、しかも柔軟性のある発泡スチロール製の機体のせいか、少々ぶつけたり墜落させても、歪んだり傷が付く程度で、そんなに大きな損傷はあまりしない構造となっているようだ。てなことで、数日あれこれと調整しながら遊んでいたのだが、昨日は家具に激突し、何とプロペラがモーターごと機体から取れてしまうという大事故に。。 どうやら、よっぽど当たりどころが悪かったようだ。

Aerosoarer損傷

取説によると、発泡スチロール専用の接着剤やセロハンテープである程度の補修が可能とのことだが、その程度の補修でも機体重量の増加による操縦性や飛行性の変化は結構大きいらしい。まあ、最初の機体は何とか修理してボロボロになるまで練習に使い、うまくなったらもう1台購入することにするか。。 コントローラ無しの機体だけなら安く買えるようだし。。。

なお、この取説がとんでもなく遊んでいるもので、この取説だけでも結構楽しめる。(こちらに写真が載っている。)

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2006/08/02

男の子と女の子の確率

8/2の日本経済新聞の夕刊のコラムに面白い話が載っていた。9面の「マーケット総合2」ページにある「プロに聞く目からウロコの投資塾」というもので、今日のテーマは、人は日常生活で必ずしも統計的な発想はできない、というもの。その中で子供の性別に関する2つの犯しやすい誤りの例を紹介している。

1問目は「Aさんには子どもが2人いるとする。うち1人が女の子とわかっているとする。残りの1人が男の子の確率は?」というもの。

2問目は「5人兄弟がいて、その全てが男の子である場合と、末っ子だけが女の子の場合はどちらがより珍しい現象か?」というもの。

前提として、男の子が生まれる確率と女の子が生まれる確率は常に50%として考える。

1問目の答えは「50%」、2問目の答えは「全て男の子のケースの方が珍しい」、と答えるのが一般的な解答傾向なのだそうだ。


1問目のポイントは、実はこの女の子が1人目の子なのか2人目の子なのかが明示されていないことにありそうだ。そんなことが関係するのか?と思いきや、実は重要なことのようだ。

例えば、女の子が1人目の子どもであるとわかっていれば、2人目が男の子の確率は確かに50%となる。しかし、この問題の場合には1人目/2人目の性別が、女の子/女の子、女の子/男の子、男の子/女の子の3ケースを想定することができ、そのそれぞれが同一の確率なので、2/3の67%が正解というもの。

でも、その女の子が何番目の子どもだろうが、それともう1人の子が男か女かとは無関係の筈だから、やっぱり答えは50%だ、と答えたくなるのもよくわかるし、正解を知った後でも何となくすっきりしないような。。 この問題は特定の親Aさんについてではなく、親の集合で考えるとちょっと違ってくるかもしれない。 「子どもが2人いる家庭の集合を考える。子どもの1人が女の子である家庭のうち、もう1人が男の子である家庭の割合は?」という問題ならばどうだろう? これと最初の問題は等価なのだろうか?

2問目はどうだろう? 5人全てが男の子のケースと、4人が男の子で1人だけが女の子というケースを比較すれば、5人全てが男の子のケースが珍しいのは確かだが、この問題では末っ子だけが女の子のケースと比較している。従って、上の4人の子の性別はこの際全く無関係であり、5人目の子どもの性別だけを考えることになる。ということで、5人目が男の子のケースと女の子のケースは同じ程度に起こりやすいということになる。まあ、こちらはちょっと考えると正しい答えに到達できそうに思える。

確かに、人が必ずしも合理的な行動を取らないということは、株式投資のスタンスを決める際には重要な前提だろうと思うのだが、ここで紹介された問題は、人が必ずしも統計的に正しい判断ができない例というよりは、問題設定のちょっとした違いで、人は簡単に間違えるという例のような気がしないでもない。。

追記:少し調べてみると、ベイズの定理の説明で、こんな解説を見つけた。この一番下によく似た問題が載っている。これによると正解は50%となる。

ところが、ここここの問題7と問題8によると、話はもっと複雑で、日経の1問目と上の50%の例は、実は異なる問題で、日経の問題の正解は2/3で良いということらしい。思った以上に奧の深い問題だったようだ。

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2006/08/01

2006年7月の天気予報傾向

東京地方の過去の天気予報 の7月のデータ整理を終了してサイトのアップデートをした。

今年の7月の天気は、日照時間が少なかったことや気温の変動が大きかったことが特徴のようだ。東京の場合、1mm以上の降水を観測した日数は、6月が8日間に対して、7月は13日間と非常に多く、如何にも梅雨らしい愚図ついた天候だったことがわかる。

気温の変動については、トレンドグラフで見ると、前半は順調に気温が上昇したものの、7/16以降急激に低温化している。ところが週間天気予報では、温度の上昇トレンドも下降トレンドもうまく予測できていないようで、かろうじて前日予報だけが何とかトレンドに追随できていたようだ。この現象はかなり予測が難しかったのかもしれない。そういえば、今年の梅雨明けも如何にも唐突という印象だったが、日刊スポーツの記事によると、これは梅雨前線が突然消えてしまったためで、全く予想できなかったらしい。

そんなわけで、今月は気温の偏差ヒストグラムは非常にブロードで、RMSE(二乗平均平方根誤差)も非常に大きい。また、気温相関グラフも見るも無残な状況となっている。要するに、7月の予報では梅雨明け予想だけでなく気温予報も大はずれだったということである。。 頑張れ、気象庁。

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