爆薬検知ミツバチ
NIKKEI NETの記事(11/29)から。ミツバチで爆薬を探知・米ロスアラモス研
ミツバチを訓練して爆薬のにおいをかぎ分けさせることに成功したと、米ロスアラモス国立研究所が28日までに発表した。爆弾テロが頻発するイラクなど紛争地での警戒や、空港警備などに役立つという。爆薬検知犬というのは聞いたことがあるが、ミツバチに爆薬検知をさせようとは、軍事技術の一貫とは言え、いろいろなことを考えるものだ。ロスアラモス研究所のリリースを見たが、軍事機密も関わるためなのか、あまり詳しいことは書いていないようだ。でも、単にミツバチを訓練したわけではなく、そういう特性に優れた個体を特定し、遺伝的な研究も行ったようだ。また、妨害成分(油や昆虫忌避剤など)があっても検知できるような工夫もしているようだ。同研究所によると、犬に匹敵する鋭い嗅覚をもつミツバチに条件反射の訓練を実施。ロイター通信によると、爆薬のにおいをかがせた直後に砂糖を与えることを繰り返すと、ミツバチは爆薬のにおいをかいだだけで、みつを吸うための管状の口を伸ばすようになった。
TNT火薬や過酸化アセトン、プラスチック爆弾に使われるC4火薬などの爆薬を探知できるようになったとしている。
研究者によると、ミツバチを箱に入れて持ち運び、空港や道路の検問所でにおいをかがせたり、爆弾処理機材の中に入れて反応をみたりするなどの利用法があるという。
爆薬の検知技術や各種爆薬の蒸気圧などについては原子力百科事典の記事が参考になるが、やはり機器分析よりも犬の嗅覚の方が高感度ということらしい。今回、犬ではなくミツバチに検出させようというのは、犬ではいろいろな意味でコストが掛かりすぎるということもありそうな気がする。
ちなみに、つい最近ミツバチのゲノム解析が完了し、嗅覚が非常に優れていることを裏付ける結果が得られたようだ。また、今回ミツバチの訓練に使用した、砂糖水のご褒美で特定の匂いに反応させる条件反射による学習方法は、昆虫の脳の不思議でも紹介されており、以前から知られている手法らしい。恐らく爆薬一般に対して反応するわけではなく、TNT、C4、TATP(過酸化アセトン)など、各爆薬を担当するミツバチを別々に育成する必要がありそうだ。。
ちょっと気になったのが、この方法はあくまでも訓練なので、このミツバチから生まれる子どもに対しては、また新たに訓練しなおさなくてはいけないじゃないかという点。ミツバチのデータによると、ミツバチの寿命は数十日から数か月といったところらしい。本当に実戦配備しようと思ったら、訓練が大変そうだな。。
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コメント
トラックバック ありがとうございました。たいした知識もないままに
ふざけたコメント記事続けています。これからも教えてください♪
投稿: 嶋田 健人 | 2006/11/30 13:09