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2006/12/19

省エネ蛍光灯、その名は省ライン

日本経済新聞12/19の神奈川・首都圏面の「プリンス電機 省エネ蛍光灯増産」という記事から。

 特殊照明製造のプリンス電機(横浜市、寺嶋之朗社長)は管径を細くして消費電力を従来比五割抑えたスリム蛍光灯を増産する。(中略)

 増産するのは直径15.5ミリの「省ライン」。従来品(同32.5ミリ)に比べ重さが半分以下で、ガラス使用量も約六割少ない。消費電力は最大で47%減らすことが可能だ。(中略)

 スリム品は2-3年前まで全販売量の数%にすぎなかったが、省エネ対応を進める企業や工場からの引き合いが年々増加。CO2などの温暖化ガス削減を促す改正省エネ法が四月に施行されたことも追い風となり、今年度の割合は「五割に達する見込み」(企画業務部}という。(中略)

 スリム蛍光灯はこれまで業務用が主だったが、今後は一般照明分野にも販路を広げて収益拡大につなげる考えだ。

というもの。省エネ蛍光灯のことも、プリンス電機の名前も、初めて目にしたのだが、そういえば最近、ビル内の照明などで、細い蛍光灯ランプを見たことがあるような。。 もっともその時は、デザインを重視して、わざわざ特殊な細い蛍光灯を使ったのだろうと思ったのだが。。 プリンス電機のサイトで探してみると、この省ラインという蛍光灯が見つかったが、よくわからない。プレスリリースを見てみると、こんな記事が見つかった。
 新スリム形蛍光ランプ「省ライン」FHN・Rシリーズは、2004年3月に発売し 平成16年度 地球温暖化防止活動環境大臣賞 と平成16年度 省エネ大賞 をダブル受賞した天井照明用の 新スリム形蛍光ランプ「省ライン」FHNシリーズ と同等の性能を持つ姉妹品蛍光ランプです。

 新スリム形蛍光ランプ「省ライン」FHN・Rシリーズは、従来品の管径32.5mm 40W形蛍光ランプ〔 FL ( FLR ) 40S・W 〕に相当する管長で、管径は15.5mmと従来品の1/2以下で質量が少なく、他の省エネ製品と比べ特に省資源・省ゴミに優れています。また、専用電子安定器との組合せで、省エネでチラツキの少ない明るいランプ効率 110 lm/Wで、従来40W形蛍光ランプによる照明と比べ、47%省エネを実現しています。定格寿命は12,000時間で、光束維持率も定格寿命時に88%を維持しています。

ということで、従来の管径32.5mmの蛍光灯を置き換えることを想定した製品で、省資源・省エネルギー効果を持つランプとのこと。ただし、従来の照明器具をそのまま使うことはできず、少なくとも安定器を専用のものに変える必要はあるようだ。ここの説明にあるように、従来の40Wタイプと比べると、明るさが6%アップして消費電力を30%削減するタイプと明るさは22%暗くなるものの消費電力を47%削減するタイプがあるようだ。

この管径15.5mmのスリム蛍光管はT5型という規格のようで以前から存在する形式のようだ。では、T5型の蛍光灯は省エネルギーなのかというと、必ずしもそうではなさそうだ。Akaricenterの資料によると、ここのT5型管は消費電力当たりの明るさが 75~85lm/Wであるのに対して、プリンス電機の省ラインは100~110lm/Wである。ちなみに通常の管径32.5mmの蛍光灯(40型)の効率はここの表で見ると、65~85lm/w程度だ。

ということで、特に管径が細いから効率が良いというものでもなさそうだが、だとすると、このプリンス電機の省ラインはどうやって高効率を達成したのだろう? ちょっと特許を検索してみると、特開2005-019024が関係してそうなのだけど、特に高効率を達成するための技術的な側面については言及されていないようだ。

ちなみに、Wikipediaによると、昔の蛍光灯は今のものよりも一回り太い38mmだったとのこと(何故かあまり記憶にない)だが、将来は家庭用でもこの省エネ型のスリムタイプに置き換わっていく可能性はありそうだ。もっとも、従来の照明器具がそのまま使えないってのはかなりハードルが高そうだが。。

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