2006年の天気予報傾向
遅ればせながら、新年おめでとうございます。このブログも最近はネタ切れ気味などで更新が滞り気味ですが、亥年らしからぬ牛歩ペースでのんびりと続けていこうかと思ってますので、これからも時々見に来ていただけると幸いです。
さて、東京地方の過去の天気予報 も、昨年1年分のデータを無事に欠損なく収集することができ、ようやく年間の天気予報傾向について語ることが可能なデータとなった。(2005年は2/11からデータ収集を開始したので、不完全だった) その意味で、2005年のデータと2006年のデータの比較はあまり意味がないのだが、参考までに天気予報と降水確率のランキングを示すと以下の通り。
2006年東京地方の天気予報ランキング
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前日予報 週間予報(2日前~7日前)
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1位 くもり (前年2位) くもり (前年3位)
2位 晴れ (前年1位) くもり 時々 晴れ(前年2位)
3位 晴れ 時々 くもり(前年3位) くもり 一時 雨 (前年4位)
4位 くもり 時々 晴れ(前年5位) 晴れ 時々 くもり(前年1位)
5位 晴れ のち くもり(前年4位) 晴れ (前年5位)
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2006年東京地方の降水確率ランキング
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前日予報 週間予報(2日前~7日前)
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1位 10% (前年1位) 40% (前年3位)
2位 0% (前年2位) 20% (前年2位)
3位 20% (前年3位) 10% (前年1位)
4位 30% (前年4位) 30% (前年4位)
5位 50% (前年5位) 50% (前年5位)
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こうしてみると、前日予報と週間予報ではかなり傾向が異なることが見えて面白い。天気予報中に「雨」が含まれる予報は、週間予報では第2位にランキングされているのに、前日予報では第6位が最高位だ。また、降水確率40%という数値は、何故か7日前の予報で最も多く使われる傾向があり、前日予報ではあまり出てこないというのも興味深い。2005年も同じ傾向が見て取れたが、やはり週間予報の方がより悪い天気予報を出す傾向があると言えそうだ。
ちなみに、実際の2006年の天候は、温度が高く、降水量も多く、日照時間が少なかったようだが、予報でも「くもり」が第1位になっているように、同じ傾向が読み取れなくもないようだ。
最高気温や最低気温の予報でも、2005年と同様の傾向が見られ、前日予報でも週間予報でも、平均誤差は最高気温予報はプラス、最低気温予報はマイナスとなっている。つまり、最高気温予報は低めに、最低気温予報は高めに出される傾向がある。まあ、予報はどうしても中庸というか、無難な数値を出す傾向があり、実際は予想よりも大きな変動を示すということだろうか。なお、平均誤差や2乗平均平方根誤差(RMSE)の数値が、2005年とほぼ同等の数値に収まっているのも興味深いものがある。(もちろん偶然の一致という意味ではなく、最先端技術が自然を予想しようとしたときの限界が見えているのだろうか、という点で興味深いのだが。。)
なお、こうやって予報の的中率を統計的に処理するならば、毎日まじめに予報を出さなくとも、過去の実績値(平年値)をそのままその日の予想値としても、そこそこ良い的中率を示すのではないか、というのがここ最近の疑問だったのだが、今回試しに過去10年間の最高気温と最低気温の平均値を求めて、比較してみた。結果として、最高気温と最低気温の過去平均値の的中率はどちらも、7日前予報値よりわずかに悪いかな、という程度だった。
この手の統計的な評価と、実際に体感する天気予報の的中率との間には、どうも大きな差があるように思えるのだが、それは人間側の認知メカニズムに関わる問題のようで、とても興味深いのだが手に負えそうもない。。
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