カリフォルニア州が白熱電球を禁止?
REUTERSのニュース(1/30)から。California may ban conventional lightbulbs by 2012
A California lawmaker wants to make his state the first to ban incandescent lightbulbs as part of California's groundbreaking initiatives to reduce energy use and greenhouse gases blamed for global warming.まだ、これから法案を提出するという段階で、この記事を読んでも法案の詳細は不明だが、どうやら白熱電球を禁止して、蛍光灯に替えてしまおうということらしい。(それにしてもこの法案の名前が何か変だな。。「電球を変えるのに何人の議員が必要か法案」とでもいうのだろうか?) 最近は、アメリカでも地球温暖化に積極的に対処するべきであるという主張が目立ってきているが、これもその1つということらしい。The "How Many Legislators Does it Take to Change a Lightbulb Act" would ban incandescent lightbulbs by 2012 in favor of energy-saving compact fluorescent lightbulbs.
"Incandescent lightbulbs were first developed almost 125 years ago, and since that time they have undergone no major modifications," California Assemblyman Lloyd Levine said on Tuesday.白熱電球は開発されてから約125年にもなるのに、いまだに効率が非常に低いままだが、蛍光灯にすると白熱電球の25%程度の消費エネルギーで済むとある。最近は日本でも電球型蛍光灯が普及してきた感があるが、アメリカの現状については、"Meanwhile, they remain incredibly inefficient, converting only about 5 percent of the energy they receive into light."
Levine is expected to introduce the legislation this week, his office said.
If passed, it would be another pioneering environmental effort in California, the most populous U.S. state. It became the first state to mandate cuts in greenhouse gas emissions, targeting a 25 percent reduction in emissions by 2020.
Compact fluorescent lightbulbs (CFLs) use about 25 percent of the energy of conventional lightbulbs.
Many CFLs have a spiral shape, which was introduced in 1980. By 2005, about 100 million CFLs were sold in the United States, or about 5 percent of the 2-billion-lightbulb market, according to the U.S. Environmental Protection Agency.2005年の売り上げが1億個(電球市場全体の約5%)で、今年はその2倍に達するだろうと予想している。この電球型蛍光灯は、安井先生もエコプレミアム商品に認定しているように、エネルギー消費量だけでなく、コスト面や環境面でも、白熱電球よりも大幅に優れている商品とみて良さそうだ。もっとも、ウチは 3年前にトイレの照明を電球型蛍光灯に替えたのだけど、最近切れてしまったので、寿命については結構バラツキが大きいのかもしれない。。 それと、だいぶ改善されたとはいえ、まだ点灯直後はやや暗いという傾向もあるようだし。。That number could more than double this year. Wal-Mart Stores Inc. alone wants to sell 100 million CFLs at its stores by the end of 2007, the world's biggest retailer said in November.
それにしても、カリフォルニアの法案が対象とするのはどの範囲なのだろう? 白熱電球といっても、屋内の照明用だけでなく、色々と使われていそうなものだし、禁止するのは販売なのか、使用なのか? KansasCity.comの記事によると、禁止しようとしているのは販売のようだが、この記事には、そう簡単にこの法案が通るとは思えないというニュアンスのコメントも掲載されている。
カリフォルニア州は自動車からの温室効果ガスの排出を規制する法案を出したり、自動車メーカーを温室効果ガスの排出を理由に提訴したり、さらには2020年までに温室効果ガスの排出量を25%削減する法案を成立させたりと、次々と面白い環境政策を打ち出すところだから、まあ何でもあり状態かもしれないけど、それにしても白熱電球の販売禁止なんてことができるんだろうか? できることから手を付けるってのは悪くはないけど、もっと優先順位が上のエネルギーの無駄使いだって色々ありそうだし、そもそも法律で禁止するような性格のものでもなさそうだが。。
ところで、早くも次世代型ともいえる電球型LEDなんてのも出てきたようだ。
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コメント
ここに出てくる法案の名前は、英語圏の有名なジョークから取られています。曰く
「電球を交換するのに何人の日本人観光者が必要か。」「10人。1人が電球を代え、残り9人がその様子を写真に撮る」
「電球を交換するのに何人のポーランド人観光者が必要か。」「10人。1人がテーブルの上で電球を持ち、残り9人がそのテーブルを回す」
などなど。(例文はたとえばhttp://imbolc.ucc.ie/~pflynn/humour/bulbs.html)
しかしこの法案、貧困者層のことをどれだけ考えているのかが心配になります。カリフォルニアらしいといえばらしいですけど。
投稿: ESD | 2007/02/01 01:07
ありがとうございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E7%90%83%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AF">電球ジョークって言うんですね。全く知りませんでした。なるほど、なかなか挑戦的というか冗談のきつい法案名称なんですね。しかし、もしも成立したとしても、まさかこのままの名前ってことはないのでしょうねぇ?
投稿: tf2 | 2007/02/01 01:29
こんにちは
偶然サーフィン中によらさせていただきました
カリフォルニア在住のものです
私も蛍光灯の電球を自分の部屋で使っていますが
これは地元の公共電力会社から無料でもらいましたよ
99セントショップ(100均)でも2個で99セントで
売っているのをみかけました
これは人口増加中の加州でエネルギー消費量を軽減する経済効果
を考慮してた政府の助成金かなんかで行なわれているの
ではないかとおもいます
(すみません裏付けする情報を持っていません)
アメリカの中でも革新派の多めな加州
(トップのシュワちゃんは民主党ですが彼は党の主張に流されず
環境問題についてよくやっているとおもいます)
けっこう福祉や環境対策を重視して住みやすい州だと感じています
他にも面白そうな書き込みがあるので
これからもぼちぼちよらさせていただきます
ありがとうございました
投稿: さ | 2007/02/12 17:05
現地からの情報ありがとうございます。2個で99セントとは確かに安いですね。そんな状況なら意外とスムーズに置き換えが進みそうですね。
環境政策関連では、今後もカリフォルニア州の動きに注目する必要がありそうですね。当初は突拍子もないアイデアだと思えるようなものでも、案外的を射ているものもありますから侮れないですね(電気自動車などのゼロエミッションビークルの導入義務などは、ちょっと時代を先取りしすぎたようですけど)。
投稿: tf2 | 2007/02/12 20:16
それがですねーお友達なんかは蛍光灯電球の電気代が1/3であって
寿命も長いということをしりつつ「光がよくない」とかいって
使っていない人もいます 一般的に蛍光灯電球のメリットを
知っているひとも少なめのようです
シュワちゃんは水素電池車への切り替えを2010年(だったかしら?)
までに行うという無茶なことを宣言していましたね
(情報がふるいのでしょうか)
ぜったいむちゃですよねー
お偉いさんの車の一部は実験的に水素電池車になっているという話ですよ
フリーウェーのガソリンスタンドも水素が補給もきるようにすると「水素ハイウェー構想」みたいなことを言っているみたいですね 私としては現実的にバイオマス燃料系をはやく導入したらいいと思うのですがねー
投稿: さ | 2007/02/16 13:28
そういえば、ホテルの客室内の照明なんかは、ほとんど白熱電球ですね。たかが電球という気もしますが、塵も積もればという奴で、結構インパクトも大きそうです。
こういう現状から考えると、確かに法律によって強制的に切り替えていくってのも(結果はどうあれ)悪くはないのかもしれません。その過程で、必要性に関する議論なんかが盛んになるだけでも、多少は効果があるでしょうし。。
投稿: tf2 | 2007/02/19 00:15
おっしゃる通りだと思います
ただ保守的な人は変化や強制されるのを嫌うのですよね
だから法案を可決する過程で反対意見がでるのが目に見えるようです
環境保全のためのある程度の規制は大切だと思うのですが
自由の国アメリカでは自分の使う電球ぐらい自分できめたいとかいう
変なこだわりもありそうです ちょうど友達が蛍光灯電球の光が
良くないと言っているように・・・
ちょっとぐらい我慢しろと日本人の私はいつも感じています
投稿: さ | 2007/02/19 05:43
まあ、確かに別にそれ自身が特に有害でもない照明電球の選択まで国が管理するのはどうかと思います。それよりは、より省エネ型の機器を選択するためのインセンティブとして、例えば消費電力に応じた環境税のようなものを上乗せするなんて方法ではどうでしょう?
照明に限らず、TVのように方式や大きさで消費電力が異なるものとかには有効な手法かと思います。
投稿: tf2 | 2007/02/20 01:24
私も環境税は必要だと思います
ガソリンの値段も使えば使うほど高くなるように
個人のガソリン使用量を管理をするシステムの案も出ているようですね
しかし、どんどん使用する側でありがちの
民主党の金持ち層が環境税などを嫌うのですよねー
そういうのを反対する人たちは将来の地球の為に、
今の自分たちがすこし我慢しようと思う人はかなり少なく、
どうせなんとかなるだろうと考えている人が
ほとんどのようです
日本もそうかもしれませんが電気代に関しては
使えば使うほど同じ使用ワット数に対する料金が高くなります
それは税金なのでしょうか
とにかくアメリカにいるとついつい自分も
大量消費社会にながされがちになってしまいますので
気をつけようと思います
投稿: さ | 2007/02/20 16:01
http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/gokatei/juuryou/index-j.html">三段階料金制度って奴ですね。どうやら省エネを目的に導入されたようですけど、税金というわけではなく、その割高な単価の分は電力会社の収入になりそうですね。(消費者にとっては省エネのインセンティブとなるけど、電力会社としては多く売れば売るほど儲かるという構図?)
投稿: tf2 | 2007/02/21 00:45
http://news.yahoo.com/s/ap/20070220/ap_on_sc/ban_the_bulb;_ylt=As5z7sBKvNVWwqMcq5aTMcsPLBIF">こちらのニュースなどによると、オーストラリアも同様の法案を提出するらしいです。
この記事によると、カリフォルニア州の他にもニュージャージー州でも同様の法案提出の動きがあるようです。また、過去にはキューバやベネズエラで、電力ブラックアウトを防ぐために強制的に白熱電球の交換が行われたようです。
投稿: tf2 | 2007/02/21 15:14
三段階料金制度のリンクどうもありがとうございました
こちらの家は日本の家より暗いし、スタンドなどの
間接照明を使用することが多いのですが
電球を蛍光灯電球にするだけで、オーストラリアの
ニュースによるとかなり省エネ効果があるみたいですね
勉強になりました
投稿: さ | 2007/03/02 09:04
EUも白熱電球を禁止する方針を固めたとのことで、2007/3/12付けで新たなエントリを書きました。ご参考まで。
投稿: tf2 | 2007/03/12 19:38