プルートされるって何?
サンスポ経由の共同ニュース(1/9)から。米学会06年の言葉に「プルート」冥王星格下げで「降格」の意
あそこのご主人、プルート(冥王星)されたんですって-。北米英語の研究者でつくる米国方言学会はこのほど、2006年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」(今年の言葉)に「降格」を意味する「プルート」を選んだ。アメリカにも日本の新語・流行語大賞みたいなものがあるようで、冥王星の元々の語源の神様にとっては、何とも不名誉なというか情けない使われ方をされているようだ。さすがに、日本語の場合には「冥王星される」という使い方には無理があり過ぎるようだ。。昨年8月に国際天文学連合総会で冥王星が惑星から格下げになったことを受け、米国では冥王星を示す名詞「プルート」が「降格させる」という他動詞として使われるようになったという。
選考委員長でジョージア州立大のウェイン・グロウカ教授は「宇宙からのノミネートだった」とジョークを交え「この学会が科学的な関心に焦点を合わせたのは良いことだ」とコメントした。
決選投票で争ったのは「気候のカナリア」という言葉で、気候変動により最も早く悪影響を受ける人々や生物種を表す新造語。こちらも科学に関係する用語だった。
同学会は言語学者や歴史家らで構成される1889年設立の老舗学会で、90年から毎年、その年に注目された言葉を選んでいる。
CNN.comなどによると、実際には "to pluto" とか "to be plutoed" という形で使われるようだけど、欧米のニュースをザッと見た範囲では、「あそこのご主人、プルートされたんですって。」というような楽しい使用例を示したものは見当たらなかったぞ。共同の記者はどこから仕入れてきたんだろう? ちなみにUrban Dictionaryには既にこの単語が載っていて、"I was captain of the ship for one day, but then I was plutoed." という例が出ていた。
米国方言学会(the Amerian Dialect Society)のニュースはこちら(pdf)。第2位には、"climate canary" が選ばれたようだが、それ以外で面白そうなものとして、"flog" という言葉もリストアップされている。
flog: a fake blog created by a corporation to promote a product or a television show.ということで、商品や番組の宣伝のためのニセブログのことをフログと呼ぶようだ。ちなみに、本来の "flog" は強く打つとかムチ打つとかいう意味の動詞、カエルは "frog"。
昨年までの Word of the Year にはどんな言葉が選ばれていたかというと、
2005年 truthiness
2004年 red/blue/purple states
2003年 metrosexual
2002年 WMD (weapons of mass destruction)
2001年 9-11, 9/11 or September 11
2000年 chad
1999年 Y2K
なんてところで、日本人にとってお馴染みなのは、"WMD"、"9-11"、"Y2K" ぐらいだろうか? ちなみに2005年の "truthiness" は、確かな証拠はないけれど真実であると信じたいもの、というような意味で使われるらしい。
同様の賞には、Oxford Word of the Year というのもあり、OXFORD UNIVERSITY PRESSによると、こちらの Word of the Year for 2006 は "Carbon Neutral" に決まったとのこと。(参考:NIKKEI NET) どちらの賞でも、科学分野から選ばれたというのはなかなか興味深いものがある。。
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