« 254回目の献血 | トップページ | 運動によって脳細胞が増え、記憶力も向上? »

2007/03/12

豪州に続き、EUも白熱電球を禁止の方向

アジア・欧州経済情報/NNAのニュース(3/12)から。首脳会議、白熱電球の禁止で合意

欧州連合(EU)は9日、ブリュッセルで開いていた首脳会議(サミット)で、エネルギー効率改善に向け、2010年までに従来型の白熱電球の使用を禁止する方針を固めた。地球温暖化対策のための行動計画に盛り込まれた。

フィラメントを使った白熱電球は蛍光灯などと比べて同じ光量での消費電力が大きいため、節電型電球への切り替えを促進する。本決まりになれば、街灯や公共施設、オフィスだけでなく、一般家庭でも節電型電球の使用が義務付けられる。

このほかサミットでは、1月に欧州委員会が公表した新たなエネルギー政策が承認された。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で20%削減するほか、エネルギー消費全体に占める再生可能エネルギーの割合を2020年までに20%に引き上げる内容だ。

うーむ、1/31のエントリでカリフォルニア州が白熱電球を禁止?という話題を取り上げた時には、法案名称も奇抜だったし、まさかこんな規制が世界に広まるとは思いもしなかったのだが、わずか1か月半の間に、ニュージャージー州オーストラリア、そして今回のEUと、立て続けに白熱電球を禁止する方向に走り出したようだ。

今回のEUサミットでは、2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年に対して20%削減するというのをポスト京都議定書の数値目標としたようだが、今後具体的な対策の部分ではいろいろと議論が出てきそうだ。一方で、この白熱電球禁止というのはある意味でとてもやりやすいし、わかりやすいという点がキーポイントとなっているような気がする。

白熱電球を地球温暖化対策のスケープゴートのように扱うことは、比較的反対意見が出にくいという点でも、温暖化キャンペーンを進めるのに役立ちそうだ。しかも、実際に省エネルギー効果は明確だし、長期的にはコスト的にもメリットがあるはずだから、まあ、電力会社以外は、電機メーカーも一般消費者も誰も困らないという点で、推進しやすいのは確かだろう。

ということで、環境対策で先進的というイメージがあるEUが踏み切ることで、世界全体がそろって白熱電球禁止の方向に向かうということになりそうな気配も出てきた。。 まあ、それはそれでいいのだけど、「それ自体は特に有害でも危険でもないけれど、他と比べてエネルギー効率が悪いからという理由だけで、その販売が禁止される製品」というのには、他にどんなものがあるのだろう? という素朴な疑問も。。 

一方で、法律による白熱電球の禁止が容認されるのであれば、他にも禁止されてもいい製品というのもありそうな気もするし、例えば燃費の悪い車だとか、効率の悪い家電製品などは禁止しなくていいのか? なんて意見も出てきそうだ。。 

とはいえ、日本も遠からず同じ方向に向かうのだろうな。。

|

« 254回目の献血 | トップページ | 運動によって脳細胞が増え、記憶力も向上? »

コメント

今のところ、白熱電球の禁止は実質的に蛍光灯への代替を意味しているわけだが、この流れに対して廃棄蛍光灯による水銀汚染の懸念が出ているようだ。

http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSN2744810520070328" target="_blank">Reuters News

このニュースによると、蛍光灯は1個当たりわずか数ミリグラムの水銀を含有しているだけだが、何しろ使用する数が半端ではないので汚染も無視できないということになるようだ。(5mg/個 × 100万個 = 5kg)

対策としては、技術的には将来的にはLEDや有機ELだろうが、当面は水銀含有量を減らす方向か。(水銀フリーの蛍光灯は難しいようだ。)

まあ、きちんと使用済み蛍光灯の回収システムが確立できれば良いのだろうが、これはこれでそう簡単ではないということで、省エネルギーと環境汚染のトレードオフということで悩ましい問題ということのようだ。確かに難しい。。

投稿: tf2 | 2007/03/28 13:55

確かヨーロッパの上の方(という言い方はあんまり好くないかもしれませんが)の白夜があるような国々では、人のいない廊下も部屋も全て、家中の明かりを付けているのが普通らしいです(しかも全部白熱灯)。理論上はこれを禁止したほうが省エネ的にはでかいと思いますけど、まあ多分無理なので、次善策といった所でしょうか。本当はEUはこの法律、以前から狙ってたのかもしれません。

白熱灯を禁止するならセットで蛍光灯の処理の法律も作るべきですね。リターナブルのように回収にかけると微額キャッシュバック、なんてどうでしょう。

投稿: XTC | 2007/04/12 08:35

なるほど、確かに北欧は白熱電球が多く使われているようですが、その理由は目の感度にも関係がありそうです。(参考:http://qtake.hp.infoseek.co.jp/2-2.html">光と色の世界、http://www.mcstyle.com/member/column/20060901/c/">北欧の明かり)

ちなみに、あらためて調べてみたらノルウェーはEUに入っていないのですね。

蛍光灯の使用を強制するのだから、回収の仕組みも制度としてセットで導入するというのはリーズナブルな考えかもしれません。考えてみるとデポジット制は、リサイクル促進というだけでなく、有害廃棄物の適正な回収促進にも有効ですね。ヨーロッパではかなり歴史あるシステムだし、抵抗感なく受け入れられるのではないでしょうか。

投稿: tf2 | 2007/04/12 12:14

今度はカナダが2012年までに白熱電球を禁止するとのこと。世界的な流行になりつつあるようだ。

http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSN2529253520070426">REUTERS NEWS

投稿: tf2 | 2007/04/26 15:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 豪州に続き、EUも白熱電球を禁止の方向:

» Do you think for the future?: 豪州に続き、EUも白熱電球を禁止の方向 [oryzaの環境備忘録]
Do you think for the future?: 豪州に続き、EUも白熱電球を禁止の方向 [続きを読む]

受信: 2007/03/13 12:05

» よくばり経済新聞 [よくばり経済新聞]
経済新聞はこれだけでOK!株、為替、様々な経済情報のRSSを利用して1つのサイトに集約しています。 [続きを読む]

受信: 2007/03/17 19:35

» ゴアの映画「不都合な真実」(人類は今絶滅の危機にある) [瞑想は自己実現へ至る道]
「現在私たちは、地球環境の危機、南北の貧富の差が生み出している新たなる世界規模の戦争(核戦争)の危機と2重3重の危機に直面しています…」とこの「ブログの趣旨」でも、ご案内していますが、その根拠(地球環境の方)となるべき、データ集のような映画が、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏により製作されて、現在日本で上映中です(1月20日位から)。まだ数週間は上映されると思うので、是非映画鑑賞に行って下さい。地球の置かれている現状が分かります。  数年前に出版された「人類の危機トリレンマ」(電力中央研究所)..... [続きを読む]

受信: 2007/03/29 18:30

« 254回目の献血 | トップページ | 運動によって脳細胞が増え、記憶力も向上? »