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2007/03/05

東アジアの地下に広大な海?を発見

Yahoo! Science経由で見つけた NewsLiveScience.com のニュース(2/28)から。Huge 'Ocean' Discovered Inside Earth

Scientists scanning the deep interior of Earth have found evidence of a vast water reservoir beneath eastern Asia that is at least the volume of the Arctic Ocean.

The discovery marks the first time such a large body of water has found in the planet’s deep mantle.

東アジアの地下の下部マントルの中に北極海の体積に相当する規模の膨大な量の水が貯えられていることがわかったとのこと。
The pair analyzed more than 600,000 seismograms - records of waves generated by earthquakes traveling through the Earth - collected from instruments scattered around the planet.

They noticed a region beneath Asia where seismic waves appeared to dampen, or “attenuate,” and also slow down slightly. “Water slows the speed of waves a little,” Wysession explained. “Lots of damping and a little slowing match the predictions for water very well.”

これは、過去に観測された60万個以上の地震波を解析することで明らかとなったもので、アジア地方の地下で地震波の減衰や減速が観測され、これは水が存在するという仮説を裏付けるものと考えられるらしい。
“That is exactly what we show here,” Wysession said. “Water inside the rock goes down with the sinking slab and it’s quite cold, but it heats up the deeper it goes, and the rock eventually becomes unstable and loses its water.”

The water then rises up into the overlying region, which becomes saturated with water. “It would still look like solid rock to you,” Wysession told LiveScience. “You would have to put it in the lab to find the water in it.”

Although they appear solid, the composition of some ocean floor rocks is up to 15 percent water. “The water molecules are actually stuck in the mineral structure of the rock,” Wysession explained. “As you heat this up, it eventually dehydrates. It’s like taking clay and firing it to get all the water out.”

The researchers estimate that up to 0.1 percent of the rock sinking down into the Earth’s mantle in that part of the world is water, which works out to about an Arctic Ocean’s worth of water.

地下に沈み込む岩石内の水分は、沈み込むと共に加熱され、やがて蒸発するものの、その一部は上層の岩石内に飽和状態で含まれることになるようだ。その量は局所的には15%にもなるようだ。アジア地区でマントル内に沈んでいく岩石中の水分は平均して0.1%程度と推定され、それが北極海と同等量の水分になるということらしい。

実際に、どの部分に水分が多く観測されたのかが、この絵でわかる。この図で赤い部分が異常に柔らかい領域で多量の水分を含むらしい。その中心はちょうど中国の北京の辺りとなるようだ。ちょっとわかりにくいが、日本の地下はむしろ平均よりも硬い(水分が少ない)領域となっているようだ。

地球内部の水分については、愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センターの地球内部に水は存在するのか?に解説が載っている。これは、高圧実験により、マントル(上部マントルと下部マントルの境界のマントル遷移層)内に存在するカンラン石が数%の水分を含有しうることを明らかにしたもので、地殻が沈み込むときに海水が同伴してマントルまで運ばれることにより、マントルは結構な水分を含むのではないか、と推定している。

一方、こちらの研究成果では、さらに下部マントルにも相当量の水分が存在しえることを実験で明らかにしており、その水分は地球初期の水と推定しているようだ。

いずれにしても、地下に大量の水が存在しそうなことは従来から予想されていたが、今回の発表は、その大量の水分が地球のどこに存在するかを具体的に明らかにしたという点がポイントとなるようだ。マントル対流の際の地殻の沈み込みに同伴して海水が持ち込まれるのなら、海溝付近で水分量が多くなっても良さそうなものだが、あまりプレート境界の位置と水分の分布が一致していないように見える。 一方、この水が地球初期のものだとしても、中国内陸部の地下で水分が多いのを説明するのは難しそうだ。。

マントル内の水については、海水のマントルへの逆流塩分地獄、そしてマントルの水5などに詳しい。

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