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2007/04/04

遺灰とダイヤモンド

久々に、excite.ニュースの世界ビックリニュース(4/4)から。死んだ父親の遺灰をダイヤモンドにしたい娘に待った

[ベルリン 3日 ロイター] 死んだ父親の遺灰をダイヤモンドに変えようというドイツ人女性の計画は、彼女の祖母によって阻まれた。

ヴィースバーデンの地方裁判所は、この19歳の女性が、灰から人造ダイヤモンドを作成する会社のあるスイスに父親の遺灰を持って行くことを禁じた。

「故人の娘は、ダイヤモンドとなることが彼の最終的な願望だったという十分な証拠を提供することができませんでした」と、法廷は故人の86歳の母親を支持して述べた。

法廷は、残されたものをどうするかに関しては娘の意見が母親の願望に優先するが、いかなる決定も故人が表明した願望に従ったものでなければいけないと裁決した。

遺灰には天然ダイヤモンドを生成する条件を模した激しい圧力と熱が与えられる。できあがるまでに数カ月かかるそうだ。
人造ダイヤモンドは1950年代の半ばより炭素から製造されている。

このニュース自体は、ドイツの話だし、へーってところだけど、遺灰からのダイヤモンドの合成について、ちょっと気になったので調べてみた。驚いたことに、日本でも遺灰(遺骨)からダイヤモンドを作ってくれるサービスは結構あるようだ。この記事に書かれているスイスの会社と同じかもしれないのが、アルゴダンザ・キンパン 遺灰でつくるダイアモンド。ほかにも、アメリカに本社のあるライフジェムなど、いくつかあるようだ。さて、アルゴダンザの説明を読むと、
私たちのダイヤモンドは、100パーセント遺灰から抽出した炭素のみを使い製作しています。故人の生前の生活環境によって、遺灰に含まれる化学物質の組成はそれぞれわずかに異なり、ひとつひとつ微妙に違ったダイヤモンドの色味に反映されます。
とあり、遺灰に含まれている炭素のみからダイヤモンドを合成することを歌い文句としている。しかも、透明度が高く、ほとんど無色透明の、いわゆる宝石グレードの結晶が得られるようだ。お値段は、0.2カラットで約40万円。1カラットだと200万円ということで、決して安くはないようだ。で、このダイヤモンドを作るために必要な遺骨の量は、約300gと書かれている。(ライフジェム社の方も値段はほとんど一緒だが、必要な遺骨量は100~200ccと書かれている)

人工ダイヤモンドは、工具用などには実用化されていても、宝石用のようなきれいな結晶はまだ技術的に作れないのではないか、と思ったが、ウィキペディアには

近年では合成技術の向上により、透明度等が天然物と同等な品質の良い大型の人工ダイヤモンドを合成する事が技術的には可能となっているが、天然物との識別が困難な為、安価な合成物が出回るとダイヤモンド市場を暴落させ、ダイヤモンドの資産価値を無くしてしまう危惧がある。このため、ダイヤモンド・シンジケートのデ・ビアスと合成技術を持つ企業とが協定を結び、合成するダイヤモンドには不純物を入れて着色し宝石としての価値を下げている。
とある。本当かな? こちらの合成ダイヤモンドの情報によると、現在では値段はともかく、大型の宝石用ダイヤモンドも合成可能のようだ。ライフジェム社のサイトには製造工程が記載されており、遺骨から炭素を抽出し、これを原料に高温高圧でダイヤモンドを合成するという説明になっている。

それにしても、遺骨中には一体どの程度の炭素が含まれているのだろうかとか、遺骨から炭素を抽出すると、不純物も除去されるから誰の遺骨でも同じ組成のダイヤモンドができるのではないかとか、いろいろと疑問も出てくる。。 正直、本当に遺骨のみを原料にして合成しているのかどうか怪しいぞ、という気もしないではないが、もともとそんなことを考えるなら、こんな加工は頼まないだろうという気もする。。

ちなみに、カナダのメモリアルジェム社の方法は、遺骨を化学的に液体化させ、天然ダイヤモンドに融合させ高温・高圧による特別な工程にかけることで封印させるという、よくわからない説明ながらも、他の方法とは異なるものらしい。

このダイヤモンド加工が日本でどう扱われるかだが、少なくとも散骨は節度があればOKのようだし、手元供養の一種と考えれば問題ないようだ。

散骨といえば、最近、宇宙葬のニュースがあったが、これについてはHOT WIRED JAPANや、歌田明弘の「地球村の事件簿」などに詳しい。なお、月面散骨は300万円とのこと。月面に(勝手に?)骨をばら撒くのはどうかと思うけど、考えてみると、セレーネ「月に願いを!」に応募した立場としては、何も言えないかも。。

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コメント

本日(2007/6/25)のFujiSankei Business iに、遺灰ではなく、髪の毛からダイヤモンドを合成してくれるサービスについての記事が掲載されています。

http://www.business-i.jp/news/top-page/topic/200706250009o.nwc">毛髪から永遠の輝き…人工ダイヤ受注開始

 大きさは0・1カラット刻みで、0・3カラットから1・0カラットまで。必要な毛髪の量は約3グラム。毛髪提出から約6カ月で人工ダイヤモンドが届く。信頼性を保持するため、申込者からの毛髪であることを証明する保証書や、製造過程が見られるネット中継も行う。価格は63万~231万円。
ということで、上で取り上げたいくつかの業者による遺灰からのダイヤモンドよりも、やや高めの料金設定のようですが、その分ネット中継が見られる特典(それはそんなにうれしいサービスなのだろうか?)がついているようです。


投稿: tf2 | 2007/06/25 17:48

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