アメリカ人が信じるがんに関する12のウソ
またまた、LiveScienceのニュース(7/26)から。12 Common Cancer Myths Debunked
Numerous Americans believe a score of scientifically unproven claims about cancer, with some people thinking shampoo and underwire bras cause tumors.アメリカで、ガンと診断されたことのない成人1000人を対象に調査した結果、がんに関する不正確だったり非科学的な言説を信じる人が驚くほど多いことが明らかになったというもの。その間違った言説を具体的にひとつずつ見ていくと、A nationally representative telephone survey by the American Cancer Society of nearly 1,000 U.S. adults who had never been diagnosed with cancer revealed a surprising number agreed with inaccurate or unlikely statements about cancer risk and prevention statements.
Individuals with lower education levels were more likely to believe the myths. And men were more likely than women to be duped.
1. The risk of dying from cancer in the United States is increasing.「アメリカでは、がんの死亡リスクが増加している」 というのが最も多くの人(67.7%)が間違えた言説。 ほお、アメリカではがんによる死亡率は減少しているのか? 予防と検診、アメリカの成果によると、死亡率は確かにかなり減少している。最近は死亡者数も減っているようだ。年齢調整をしたらどうなるのか、などについてはがん情報サービスあたりが詳しい。がんが減ってるのは喜ばしいのかもしれないが、肥満に伴う心疾患などが増加しているのであれば本当は憂うべきことなのかもしれない。(参考)
2. Living in a polluted city is a greater risk for lung cancer than smoking a pack of cigarettes a day.「たばこを1日1箱吸うよりも、汚染された街に住む方が肺がんのリスクが大きい」 が第2位。どの程度「汚染された街」にどれだけの期間住むのかを特定しないと、どちらとも言えないというのが正しいような気がするが、たばこの有害性を人々が過小評価しているというのも確かなのだろう。
3. Some injuries can cause cancer later in life.「ある種のケガは後にがんを引き起こす」 が第3位。日本ではこんな話は聞いたことがないなあ。ちょっと検索してみたけど、それらしい説は見つからなかった。
4. Electronic devices, like cell phones, can cause cancer in the people who use them.「携帯電話等の電子機器は使用者に対してがんを引き起こす」 一部ではそんな議論がまだ続いているような気もするが、基本的には否定された言説だろう。
5. What someone does as a young adult has little effect on their chance of getting cancer later in life.「青年期に行ったことは、その後の人生でがんになる確率にはほとんど影響しない」 漠然としているが、喫煙を念頭に置いている質問なのだろうか?
6. Long-time smokers cannot reduce their cancer risk by quitting smoking.「長期間喫煙していた人が禁煙してもがんのリスクは下がらない」 これは、なかなか禁煙できない人が自己正当化のためにも信じたい、ということだろう。
7. People who smoke low-tar cigarettes have less chance of developing lung cancer than people who smoke regular cigarettes.「低タールたばこを吸う人は、レギュラーたばこを吸う人よりも肺がんになる確率が小さい」 これは多分日本でも同様の傾向となりそうだ。たばこ会社の宣伝効果もあるから、「少しは効果があるだろうし、そうあって欲しい」という願いを込めて信じられているのではなかろうか。
8. Personal hygiene products, like shampoo, deodorant and antiperspirants, can cause cancer.「シャンプー、消臭剤、制汗剤などががんを引き起こす」 あまり日本では聞かないが、こんな話らしい。
9. Getting a mammogram, or using a special X-ray machine to detect breast cancer, can cause cancer of the breast.「マンモグラフィや乳がんを検出する特殊なX線装置が乳がんを引き起こす」 診断のために浴びるX線がかえって発がんのリスクを高めるのではないか、という議論だろうか。
10. Getting a base tan or base coat at a tanning salon will provide protection from skin cancer when you go outside in the sun.「日焼けサロンでの日焼けは、戸外で日に当たる際の皮膚がんを防止する」 これまた、あまり聞いたことがない。
11. Underwire bras can cause breast cancer.「ワイヤーブラは乳がんを引き起こす」 何だこりゃ? 検索してみたけどそれらしい話は日本では見つからない。
12. You cannot get skin cancer from using a tanning booth.最後は「日焼けマシンを使っても皮膚がんにはならない」 日焼けマシンによる皮膚がんのリスクについては、WHOが勧告しているようだ。
アメリカならでは、というのもいくつか見られるのが面白いところだが、日本で同様の調査をするとしたら、日本独自のウソとしてどんなものがリストアップされるのだろう? 怪しげな民間療法の類はいろいろとあるから、リストを作るのが一番大変かもしれない。
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コメント
>「シャンプー、消臭剤、制汗剤などががんを引き起こす」
こんな話
http://blog.livedoor.jp/alt222/archives/50715551.html
のことだろうと思います。いわゆる「経皮毒」ですね。「人工化学物質は体に悪い」という信念の一形態ですね。
投稿: NATROM | 2007/07/28 08:27
なるほど、「経皮毒」で調べてみたら、http://www.keihidoku.com/archives/50620744.html">こんなサイトが見つかりました。このサミュエルS.エプスティン博士とかいう人が、アメリカでこの手の話を広めている代表者の一人のようです。かなりの力を入れて構築された「説」のようなので、信者を相手にするのはなかなか手強いものがありそうです。
投稿: tf2 | 2007/07/28 19:46
多分、5番の「does」は、喫煙の意味もあるでしょうが、アメリカの大学生が大好きな「パーティー」での飲酒や違法ドラッグのことを指しているんじゃないかと思います。
「こんなサイト」のリンク先を見ましたw
地球から経皮毒をなくすっていう考えは・・・相当ぶっ飛んでますねw
たしか、経皮投与でガンの発現に関与する薬物の多くは、ベンゼンやピレンなどの環をまいた構造だったと記憶していますが・・・。
投稿: K-taro | 2007/08/04 05:16
なるほど、喫煙以外にも、飲酒が含まれる可能性は確かにありますね。ドラッグが発がん性を持っているのか調べてみると、
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/50506/">ケタミンに発がん性というニュースもあるようですね。
投稿: tf2 | 2007/08/04 23:39