指紋から性別、嗜好、人種なども判別可能な新技術
LiveScienceのニュース(7/20)から。New Fingerprint Technique Could Reveal Diet, Sex, Race
Standard methods for collecting fingerprints at crime scenes, which involve powders, liquids or vapors, can alter the prints and erase valuable forensic clues, including traces of chemicals that might be in the prints.犯罪捜査などで使用されている、粉末、液体または蒸気などを使った現在の指紋採取技術では、犯人特定に役立つはずはずの、指紋に含まれる微量の化学物質が変化したり失われてしまうという問題がある。今回、ゼラチン製のテープを使って、指紋から微量の化学物質に関する情報を収集する新技術が開発されたというニュース。Now researchers find tape made from gelatin could enable forensics teams to chemically analyze prints gathered at crime scenes, yielding more specific information about miscreants' diets and even possibly their gender and race.
The gel tape can gather prints from a variety of surfaces, including door handles, mug handles, curved glass and computer screens, just as conventional fingerprint techniques can. The gelatin is then irradiated with infrared rays inside a highly sensitive instrument that rapidly takes a kind of "chemical photograph," identifying molecules within the print in 30 seconds or less, said physical chemist Sergei Kazarian at Imperial College London.この方法は、ゼラチンテープを指紋の付いた面に当てて、表面に付着している微量の化学成分をテープに写し取り、これを専用の装置に入れて赤外線で組成を分析するもののようだ。指紋が含むマイクログラムオーダーの化学物質が分析可能とのこと。これで、性別や嗜好がどうしてわかるのかというと、別にDNA鑑定のような高級なことをするわけではなく、Fingerprints contain just a few millionths of a gram of fluid, or roughly the same amount of material in a grain of sand. That might, however, be enough to determine valuable clues about a person beyond the print itself, such as their gender, race, diet and lifestyle, Kazarian and his colleagues find.
For instance, preliminary results could identify males based on the greater amounts of urea in their fingerprints - urea being the key ingredient of urine. The complex brew of organic chemicals within prints might also shed light on the age and race of people, and hold traces of items people came into contact with, such as gunpowder, smoke, drugs, explosives, or biological or chemical weapons.男性の指紋からは尿素が多く見つかるし(排尿後に手を洗わないため?)、日常生活を反映する付着物(火薬、タバコ、薬物、爆発物など)が見つかることもあるといった比較的単純なものらしい。なるほど、その意味では、ある種の職業なども特定できる可能性もあるだろうし、指紋の持ち主の特定に役立つ情報がいろいろと得られる可能性もありそうだ。また、指紋に含まれるアミノ酸の成分から、食生活(ベジタリアンとか)などもわかる可能性があるとのこと。他にも、人種もわかる可能性があると書かれているけど、人種によって分泌される成分などに違いが出てくるものなのだろうか?Even a person's diet might be determined from fingerprints, as vegetarians may have different amino acid content than others, Kazarian said.
"More volunteers need to be tested for statistical information on fingerprints with regard to race, sex and so on, but we believe this will be a powerful tool," he told
ところで、指紋に関しては、指紋鑑定@法科学鑑定研究所が詳しい。現在の指紋採取方法や指紋鑑定方法の概要がわかりやすく説明されている。読んで驚いたのが指紋のつくわけ。てっきり、指先にもいわゆる油分が汗と共に分泌されていて、これが指紋として付着するんだと思っていたのだが、どうやらこれは間違いのようだ。指先の皮膚から分泌しているのは純粋な汗だけで、実は指紋として付着・残留する油分は、体表の他の部分(の毛穴)から分泌される脂肪分を指先で無意識に触ることで付着したものなのだそうだ。
人の手は、顔や首、腕や足といった毛の生えている皮膚にある脂肪分を触ることによって、指先に脂肪が運ばれてくるのです。でも、洗剤や有機溶剤の使用による手荒れの話などでは、実際に手の油分が失われるのが問題になるわけだし、実体験上も手はかなりの油分で覆われているという印象があるのだが、と思って調べてみると皮膚科のページでも、では、なぜ人は、毛の生えている皮膚を触るのか・・・・
人を含む手を使える動物は、体の異常を手で体を触り確認していると言われています。犬や猫が舐めて毛繕いするように人は手で体を触り異常がないか確認するらしいです。つまり、人は動物的本能の手の行動によって、手の平に脂肪分が運ばれてきます。(改行位置変更)
皮膚の表面には「皮脂」とよばれる脂肪分の薄い層があって、皮膚を外界の刺激から保護するバリアーとなっています。ところが、手のひらには、皮脂を出す「皮脂腺」が全くありません。手は、構造的に皮脂が不足しやすい場所なのです。とあり、どうやら手の油分はやっぱり他の場所からやってくるものらしい。。
| 固定リンク
コメント