身体活動量とは
昨日に続いて今日もFujiSankei Business iのニュース(8/29)から。メタボに商機!松下電工、まず身体活動量計を11月に
松下電工は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を防ぐビジネスに参入する。保健指導者など専門家向けの身体活動量計「アクティマーカー」を11月に、来年4月にはその解析ソフトを売り出す。METs(メッツ)という単位で測定可能な身体活動量という量があるらしい。どんなものなんだろう? 松下電工のニュースリリースによると、このアクティマーカーという身体活動量計は、3軸の加速度センサによって、上下・左右・前後の加速度を計測するもので、これによって装着した人の身体活動をモニターできるらしい。(中略)
アクティマーカーは、日常生活での身体の活動量を12秒ごとに計測し、1分ごとの平均値を0・1METs(メッツ=身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかで表す)単位で記録する仕組み。結果をソフトで解析、国の運動指針に対応した身体活動量を客観的に評価することで、生活習慣の改善指導に役立てる。
METs(メッツ)というのは、運動の強度を表す単位のようだが、これに活動時間を掛けたものが身体活動量で、単位はEX(エクササイズ)というらしい。このMETsとかEXとかいう単位は、どうやら厚生労働省の健康づくりのための運動指針2006が根拠となっているようだ。この指針によると、1EX(=1METs×1hour)の身体活動量に相当するエネルギー消費量は、個人の体重によって異なり、消費量(kcal)= 1.05 × 身体活動量(EX)× 体重(kg)という簡易換算式で計算できるとのこと。
ちなみに、この身体活動量にMETsとかEXという単位を使用している理由として、同じ運動を行っても体重が異なるとエネルギー消費量が異なることから、体重に関係のない身体活動量を示すためとのこと。この活動指針には健康を維持するための運動のしかたについて随分と詳細な解説が載っている。なお、EX はともかくも、METs という単位名の由来が書かれていないのだが、いったい何の略なのだろう?
この運動指針は結構膨大で、全部読むのは大変なので、そのエッセンスを探してみたら、横浜市旭区のメタボリックシンドロームがわかりやすい。この計算表に毎日の運動や生活活動を入力して計算すれば、身体活動量が求められるというわけだ。とはいうものの、日常生活でのすべての活動量を正確に把握するのはほとんど無理のような気がする。。
というわけで、松下の開発した身体活動量計は、確かにこの厚生労働省の運動指針に沿って健康維持を行おうとする場合にはかなり便利な装置と言えそうだ。とはいえ、腰に付けた加速度センサで身体全体の運動量をどの程度の精度で把握できるのだろう? 腰を静止したままでもいろいろと首や手や足先の運動などもできそうだし、同じ加速度でも負荷が異なる場合(バーベルの重さが違うとか)などもありそうだし、どうなのかな?
なお、この METs とか EX という単位だが、ざっと検索した結果、ほとんど厚生労働省の指針を根拠にしているようだ。てっきり厚生労働省が作ったものかと思ったが、New Jersey Medical Schoolのサイトなどでも使用されていることがわかった。これによると、METs は Metabolic Equivalent Tasks の略で、世界的に通用する単位のようだ。でも、このページでも、運動量は MET-hours という単位で表されており、もしかしたら EX の方は厚生労働省発案の独自単位かもしれない。。
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