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2007/09/12

電磁波を当てたら海水が燃えた?

突然の安倍首相の辞意表明に驚いたのだが、The top science news articles from Yahoo! Newsを見てたら、海水が燃えるという驚きのニュースを発見。 AP(9/10)のニュース、 Radio Frequencies Help Burn Salt Waterによると、

ERIE, Pa. (AP) - An Erie cancer researcher has found a way to burn salt water, a novel invention that is being touted by one chemist as the "most remarkable" water science discovery in a century.

John Kanzius happened upon the discovery accidentally when he tried to desalinate seawater with a radio-frequency generator he developed to treat cancer. He discovered that as long as the salt water was exposed to the radio frequencies, it would burn.

海水にラジオ周波数の電磁波を当てたら、海水が燃えた!という驚きの大発見。本当かいな??
Rustum Roy, a Penn State University chemist, has held demonstrations at his State College lab to confirm his own observations.

The radio frequencies act to weaken the bonds between the elements that make up salt water, releasing the hydrogen, Roy said. Once ignited, the hydrogen will burn as long as it is exposed to the frequencies, he said.

The discovery is "the most remarkable in water science in 100 years," Roy said.

"This is the most abundant element in the world. It is everywhere," Roy said. "Seeing it burn gives me the chills."

発見したのは、がんの研究者で本当の偶然だったようだが、ペンシルバニア州立大の化学者が追試して確認したようだ。ラジオ周波数が塩水の元素間の結合を弱め、水素を放出させ、これが燃焼するというメカニズムが提示されているけど、水素を放出させるってことは、電磁波で水の分子を水素と酸素に分解するということ? 
Roy will meet this week with officials from the Department of Energy and the Department of Defense to try to obtain research funding.

The scientists want to find out whether the energy output from the burning hydrogen - which reached a heat of more than 3,000 degrees Fahrenheit - would be enough to power a car or other heavy machinery.

"We will get our ideas together and check this out and see where it leads," Roy said. "The potential is huge."

このペンステートの化学者は、アメリカのエネルギー省や国防総省と予算をもらうための交渉をするとのことだが、仮に本当に電磁波で水が分解できるとしても、突っ込んだエネルギーと取り出せるエネルギーの関係はどうなっているんだろう? まさか、エネルギー保存則を超越したりしてないよね。。 核融合が起こっているわけでもないだろうし。。 

とすると、確かに電磁波で水を分解できるというのはすごい話かもしれないけど、それはそれとして、実用面では通常の水の電気分解と比べて効率がどうなのか、という話がはっきりしてから考えるということだろうか。。

追記(9/12):その後少し探してみたが、今のところネタ元の記事を見ても、あまり詳細な情報は得られない。ただ、この発見が自動車のエネルギーに使えるのではないか、というような話が出てくるので、考えてみると、どうやら、海水をそのまま燃料として自動車に搭載することを考えているように思える。つまり、エネルギー効率もさることながら、水から水素が出てくる速度がポイントなのかもしれない。

ラジオ周波数を当てている間、ロウソクのように水素が燃焼し、電磁波を止めると火が消えるという話からすると、装置の詳細が不明だからよくわからないけど、通常の電気分解よりも水素が素早く出てくるような印象がある。まあでも、その海水を分解する電磁波を発生させるエネルギーはどうするんだ、ということでやはりエネルギー効率がポイントか。。

追記の追記(9/11):YouTubeで塩水が燃えるところや、研究者のインタビューが見られる。

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コメント

YouTubeの1分35秒ぐらいのところに5cmの導波管が映っているので、それぐらいの波長ではないでしょうか?

30万km/5cm=3×10^10cm/5cm=
6×10^9=6GHz

マイクロ波を利用したガスの改質に関する研究
http://www.saitec.pref.saitama.lg.jp/research/h17/jyuten/2005_101a.pdf

>メタンの改質については、この放電によりメタンが消失し、それに伴い水素が生成した。メタン以外の含水素化合物
からも水素の生成が確認された。

>ガスの改質は、図1 の装置に所定濃度のメタンまたはフロン(HCFC-134)を流速250mL/min で流し、2.45GHz、400W のマイクロ波を所定時間照射して行った。

投稿: msx | 2007/09/18 14:03

情報ありがとうございます。マイクロ波ですか。ニュースにはradio frequency と出てくるから、kHz~MHz帯かと思ったのですが。

ご紹介いただいたものは、マイクロ波によるガスの分解ですよね。マイクロ波を液体の水に向けても、お湯になるだけのような気もするのですが。。 水蒸気にさらにエネルギーをかけたら、分解してくれるかもしれないけど、液体状態の水から水素ガスがポコポコ出てくるものなのでしょうかねえ?

その後あまり話題にならないところを見ると、やっぱりあまり注目を集めるほどのものではなかったということでしょうか。。

投稿: tf2 | 2007/09/18 19:53

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