レーザープリンタで赤外線でしか見えない文字を印刷
ITproの記事(10/5)から。Xerox,赤外線でしか見えない文字を通常のトナーで印刷する技術
米Xeroxは,赤外線でしか見えない文字を通常のカラー印刷用トナーで印刷する技術「InfraredMark Specialty Imaging Font」を,フランスで現地時間10月4日に発表した。文書の偽造防止や機密保持に利用できるとしている。ということで、肉眼では見えないが、赤外線では見ることができる文字を通常の印刷物の中に埋め込むことができるようだ。しかも、通常のレーザープリンタと通常の4色トナーを使用して、ソフトウエア技術だけで実現できるということのようだから、ちょっと驚きである。英語の解説によると、この印刷技術は,レーザー・プリンタなどの電子写真方式プリンタと,一般的なシアン(C)/マゼンタ(M)/黄(Y)/黒(K)トナーを使い,人間の目では見えない文字を普通紙に印刷する。
この技術の原理について,Xeroxは「CMYKの各トナーは赤外線に対する反射率などが異なるため,あるトナーの組み合わせは赤外線照明下で検出でき,ある組み合わせは検出できない」と説明する。これを応用し,人間の目には見えないものの,赤外線照明と赤外線カメラで見える文字の印刷を可能とした。この技術で印刷した文字は,コピー機で複写できない。
文書の安全性を経済的に高められるため,これまでコスト面でセキュリティ対策を導入できなかった,チケット/クーポン/証明書/免許証などの偽造防止対策に適用できる。
この技術による印刷は,Xeroxが2007年9月にリリースした小切手などの個人向け文書を印刷するための商用プリンタ向けソフトウエア「FreeFlow Variable Information Suite 6.0」で利用できる。
The new technology takes advantage of the way Xerox’s xerographic color systems work. Every color is made by mixing toner of four hues: cyan, magenta, yellow and black, known by the initials CMYK.とのことであり、ある色を表現するためのトナーの組み合わせは複数あり、その組み合わせを変えることで、同一の色でも赤外線の反射率を変えることができる、というのが原理のようだ。最後の段落の説明によると、実際にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックトナーを混合して、肉眼では色の区別ができないけれど、赤外線をよく吸収する混合物とほとんど吸収しない混合物を作り上げ、これを使って赤外線でしか読み取れない文字を印刷するということらしい。“There are multiple ways to mix these toners to create a single color, like teal blue. But since each of the individual toner colors reacts differently to infrared (IR) light, some combinations are detectable under infrared light and others are not,” Bala said. “Xerox uses that effect to create infrared text that is invisible to the human eye, but visible to an infrared camera.”
“Another way to describe the process,” Bala continued, “is that we can develop a pair of cyan, magenta, yellow and black toner mixtures, one with very little infrared absorption and the other with a lot of infrared absorption. They will appear very similar to the eye under normal light, but very different under IR light. If one CMYK mixture is used as the background, and the other mixture as the text, then the result is a text message that is invisible or at least illegible under normal light, and easily detectable under IR light.”
もっとも、この記事の左側からリンクされている解説ビデオを見ると、ブラックトナーだけが赤外線を吸収し、他の3色(CMY)は赤外線に対して透明なので、赤外線で読み取りたい文字をブラックで印刷した上にさらにCMYトナーを重ねることで、赤外線だけで読める文字を印刷できる、と説明されているみたいだ。いずれにしても、既存の道具と材料を使って、ちょっとした工夫でこういう技術が実現できるというのはなかなか面白い。
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コメント
内容の詳細と何処のお店で販売されているのかを教えてください。
投稿: 中山 静香 | 2008/04/07 07:19
私はゼロックス社とは何の関係もありませんし、ここで紹介した技術や製品の販売をしているわけではありませんので、ご自分で見つけていただきたいのですが、商品名から探してみると、
http://www.fujixerox.co.jp/product/freeflow/spec.html">富士ゼロックス FreeFlow デジタル・ワークフロー・コレクション
の中の「FreeFlow VI Interpreter 6.0」の特殊描画機能の中に「赤外線(インフラレッド)テキスト」というのがあるので、これが該当する製品かな?という気がします。これ以上の情報は、富士ゼロックス社やその代理店に直接お尋ねください。
投稿: tf2 | 2008/04/07 18:48