血液中の一酸化炭素で喫煙者かどうかを簡単に判定
REUTERS UKのニュース(10/23)から。Simple test can catch smokers who fib
A simple device for detecting carbon monoxide in the blood may help doctors get an honest answer out of patients who smoke, U.S. researchers said on Monday.簡単なテストによって、喫煙しているかどうかが判定できるという話。これは、パルスCOオキシメータという血液中の一酸化炭素レベルを測定する装置を使用するもので、消防士などが現場で一酸化炭素中毒の判定に使用するための小型装置のようだ。The device, called a pulse cooximeter, is typically used to test for carbon monoxide levels in firefighters, but it can also detect carbon monoxide levels in people who smoke, offering a powerful tool for educating patients about the effects of smoking.
"There is no good way to screen people for smoking," said Dr. Reddy, who encouraged Ashray to take on the study as a school science project.この話は Dr. Reddyという医師の16歳の子供の Ashray君が、学校の科学プロジェクトで解決すべき課題として、被験者が喫煙者かどうかを簡単に判定する方法を探していたことが発端のようだ。要するに、被験者はウソをつくことがあるので、客観的に判定したいけど、従来の方法では吐息、血液、唾液などのサンプリングが必要で、簡便ではなかった。しかし、パルスCOオキシメータの場合、指にクリップを挟むだけで、光学的な手法により、迅速かつ非侵襲的に血液中の一酸化炭素と結合したヘモグロビンの割合がわかるということらしい。この装置は、たとえば MASIMO のRad-57 Pulse CO-Oximeterなどが該当するパルスCOオキシメータのようだ。なかなか優れもののようだ。"You can ask them directly, do you smoke. But once they say they don't smoke and they lie about it, they will never volunteer that information," Dr. Reddy said in an interview.
Dr. Reddy was looking for a quick, convenient method to detect whether a person smokes. Current tests involve breath, blood or saliva samples, but the pulse cooximeter simply involves placing a clip-like device on a finger tip.
The pulse cooximeter reads percentages of poisoned blood through a light that is shined through the finger nail.
Ashray君たちは476人の被験者について調査した結果、この装置で測定した血液中の一酸化炭素レベルが6%を超える人は喫煙者であると推定できることがわかったようだ。しかも、この装置を使用することで、被験者が喫煙者だった場合、「自分の血液のうちの10%が一酸化炭素に汚染されている」ということを明確に意識することができ、これが禁煙教育にも効果を発揮するだろうと期待しているとのこと。EurekAlertにも、この辺のことが書かれている。
なお、喫煙と血液中の一酸化炭素の関係については、一酸化炭素について 禁煙ガイドブックなどにあるように、タバコの煙内に含まれる一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結びつき、血液の酸素運搬能力を低下させるということのようだ。しかも、ヘモグロビンのうち一酸化炭素と結びつくものが数%とか10%にも上るとなると、さすがにちょっとインパクトがある。もっとも経験的には、通常の健康な人の場合は日常生活には顕著な悪影響は現れないだろうと思うし、少し前なら喫煙者のプロスポーツマンやオリンピックメダリストもざらにいたわけだが。。
このページの記述によるとタバコの煙中の一酸化炭素濃度は5万ppm程度、すなわち5%程度ということになるが、こんなにこわい! CO中毒の表で見ると、CO濃度5%の大気だけをまともに吸っていたら数分で死んでしまいそうだ。実際には、タバコ1本分の煙に含まれるCOは全部で数十mg程度(参考:31mgとして1.1mmol、標準状態の気体として体積25cc)なので、大量のまわりの空気で希釈されるので大丈夫ということだろう。
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