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2007/11/02

「着る」エアバッグ

日本経済新聞の11/2朝刊、テクノロジー面で見つけた記事。ネットには掲載されていないようだ。

「着る」エアバッグ - 高齢者などの骨折防止 - 千葉大やプロップ

 安全器具メーカーのプロップ(東京・新宿)、千葉大学、横浜市総合リハビリテーションセンターなどの研究チームは高齢者などの転倒時の衝撃を和らげるエアバッグ装置を試作した。頭部や大腿部を守り骨折を防ぐ。2008年6月の発売を目指す。

 労働安全衛生総合研究所、国立静岡てんかん・神経医療センター、東京都立産業技術高等専門学校と開発した。

 腰に着けるウエストポーチと、上半身に着るウエアの上部にエアバッグが入った構造。搭載したガス噴射装置と電池で駆動する。重量は約1.1キログラム。加速度センサーなどで高齢者が後方に倒れるのを感知し、0.1秒でガスを送ってエアバッグを開く。状況にもよるが腰や頭部の衝撃を約半分に抑えるという。

 試験を重ねて安全性を確認後、製品化する。価格は十万円程度で、高齢者やてんかん患者などの需要を見込む。

 高齢者が転倒すると大腿骨頸部を骨折しやすい。寝たきりの原因になるほか、他の病気を引き起こすこともあり骨折後1年以内の生存率は三分の二と低い。研究グループは店頭事故を効率的に防げるシステムのニーズは高いとみている。

というもので、記事にはこの着るエアバッグを装着した人が床に仰向けに倒れた状態の写真が掲載されている。

株式会社プロップのサイトを見ると、この記事の新製品と似たコンセプトのなかなか面白い製品が並んでいる。高所作業での墜落対策としてのエアバッグ搭載ベストとか、不慮の着水時に自動的に膨張する救命衣のラッコとか、車いすの転倒時の衝撃防止のためのピアバッグ2など。

自動車のSRSエアバッグの場合、この解説記事によると、センサが感知してから膨張するまで約0.03秒で、衝突から着火・膨張・収縮までの一連のプロセスが0.2秒以内に完了するようだ。一方、この着るエアバッグの場合、加速度センサーが転倒を検知してから、エアバッグが膨張するまでの時間が0.1秒とのことでやや不安もあるが、自由落下する距離を計算してみると、0.1秒間に約5cm、0.2秒間で約39cmとなり、約0.1秒で完全に膨張してくれるのならば大丈夫ということだろうか。。

自動車用のエアバッグの場合、当初は物珍しかったのに、本当にあっという間にほぼすべての車に標準搭載されるようになったような気がするのだが、さすがにほとんどの高齢者が常時このようなエアバッグを身に着ける状況がそう簡単にくることはないだろう。でも、今のままでは無理でも、いずれもっと実用的な商品につながる可能性もあるし、いつ自分がお世話になるかわからないことだし、是非とも地道に技術開発を続けていただきたいものだ。

ちなみに、もうひとつの関係先である横浜市総合リハビリテーションセンターでも、さまざまな高齢者用品、介護用品、障害者用品などの開発を行っていて、この分野はある意味でまだまだ未開発であり将来性がかなり有望な分野といえるのかもしれない。

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