火星に小惑星が衝突する?
Los Angeles Timesの記事(12/21)から。Asteroid on track for possible Mars hit
An asteroid similar to the one that flattened forests in Siberia in 1908 could plow into Mars next month, scientists said Thursday.ここのところ、火星が地球に接近しているということで、火星に関する話題が豊富なのだが、何とその火星に来年早々にも小惑星が衝突する可能性があるというニュース。NASAの発表なので、それなりの信憑性のあるニュースのようだ。今のところ衝突する可能性のあるのは、来年の1月30日。衝突確率は75分の1。天体の衝突確率としては異例に高い確率のようだが、実際に衝突する所が見られるだろうか?という期待を込めるには小さすぎる確率という気がする。Researchers attached to NASA's Near-Earth Object Program, who sometimes jokingly call themselves the Solar System Defense Team, have been tracking the asteroid since its discovery in late November.
The scientists, at the Jet Propulsion Laboratory in La Canada Flintridge, put the chances that it will hit the Red Planet on Jan. 30 at about 1 in 75.
A 1-in-75 shot is "wildly unusual," said Steve Chesley, an astronomer with the Near-Earth Object office, which routinely tracks about 5,000 objects in Earth's neighborhood.
The asteroid, designated 2007 WD5, is about 160 feet across, which puts it in the range of the space rock that exploded over Siberia. That explosion, the largest impact event in recent history, felled 80 million trees over 830 square miles.この衝突するかもしれない天体は2007WD5というもので、大きさが160フィート(約49m)。1908年にシベリアに落下したとされる天体とほぼ同等の大きさらしい。この時には大気との摩擦のために壊れながら地上に落下したようだが、火星の場合には大気が非常に薄いために、ほぼそのまま高速で衝突し、幅が800m程度のクレーターができるだろうと予想されている。The Tunguska object broke up in midair, but the Martian atmosphere is so thin that an asteroid would probably plummet to the surface, digging a crater half a mile wide, Chesley said.
The impact would probably send dust high into the atmosphere, scientists said. Depending on where the asteroid hit, such a plume might be visible through telescopes on Earth, Chesley said.もしも衝突すれば、地球からでも観測可能な派手なイベントとなりそうだが、何と言っても、現在火星の軌道を回って観測をしているマーズ・リコネッサンス・オービターや、火星上で今も頑張っている2台のローバー、オポチュニティとスピリットが、正に特等席から観測することが期待される。とても貴重な写真や探査データを送ってくれることが期待できるということで、こんな珍しい事象はそう滅多に見られるものではないし、天文学者などは何とか衝突してくれることを願っているようだ。現在この小惑星は月の向こう側にあるため、より正確に軌道が求まるのは2週間後になるとのこと。The Mars Reconnaissance Orbiter, which is mapping the planet, would have a front-row seat. And NASA's two JPL-built rovers, Opportunity and Spirit, might be able to take pictures from the ground.
Because scientists have never observed an asteroid impact -- the closest thing being the 1994 collision of comet Shoemaker-Levy with Jupiter -- such a collision on Mars would produce a "scientific bonanza," Chesley said.
The asteroid is now behind the moon, he said, so it will be almost two weeks before observers can plot its course more accurately.
もしも地球に衝突する確率が1/75ということになるとむちゃくちゃな大騒ぎになるのは必死だけど、火星に衝突するかもしれないとなると、是非とも衝突して欲しいと期待することになるのも面白いものだ。。 それにしても、今回の小惑星が見つかったのは今年の11月後半のことらしいから、見つかってから衝突までの時間が非常に短い。(火星と小惑星帯が近いという理由が大きいだろうけど) もしも、2ヶ月後に地球に衝突する可能性が高いという天体が突然発見された場合、一体何ができるだろう?
なお、NASA、JPL、NEOなどのサイトなどをちょっと探してみたが、この件に関するリリースは見つからなかった。
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コメント
小惑星の大きさ160フィートを、当初約490mと書いてましたが、約49mの間違いでした。お恥ずかしい。。
投稿: tf2 | 2007/12/22 12:01
JPL Small-Body Database Browser
http://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=2007%20WD5&orb=1
JAVAアプレットで起動は遅いですが、小惑星2007WD5の3D軌道図です。
火星・赤い星へ - 月・惑星へ - JAXA月探査情報ステーション
火星に小惑星が衝突?
http://moon.jaxa.jp/ja/mars/asteroid_impact.html
投稿: msx | 2008/01/09 02:01
msxさん、紹介ありがとうございます。この軌道図でシミュレーションしてみると、もろに火星に衝突してしまいそうに見えますね。
NEO(Near Earth Object Program)のサイトを見てみたら、最新の衝突確率が載ってました。
http://neo.jpl.nasa.gov/2007wd5/">Asteroid 2007 WD5
これによると、当初の衝突確率の値 1.3%(75分の1)から一度 3.9%に上昇したのち、減少に転じ、3.6%を経て、1/8現在での最新の衝突確率は 2.5%(40分の1)になっているようです。
投稿: tf2 | 2008/01/09 16:16
衝突確率が千分の1に下がったみたいです
投稿: msx | 2008/01/17 22:34
msxさん
いや、衝突確率は0.01% (1万分の1)まで低下したということらしいですよ。
まあでも、ここまで上がったり下がったりしてきてるわけで、今後も再び確率が増大する可能性もないではないな、と思って見守ってるところです。
投稿: tf2 | 2008/01/18 02:36